上 下
2 / 4

どうにかしてくれ!

しおりを挟む
「おい·····なんだよ、いきなり·····」 
「言ったではありませんか!あなたが好きになったと!」
そう断言する女は昨日助けたやつだ
「·····仕事の以来か?」
「いえ、あなたが好きだと言いに来ましたわ!あなたも私を好きになってくださいませ!」
会って早々変なことを言ってきた女、ふざけんなよ!こっちは朝早く起こされたってのに!!
「帰れ!!馬鹿!!」
「なんでですの?!あなたが好きなのですわ!!」
「俺を好きなら俺のために帰れ!!」
「·····それは出来ませんわね!だってあなたに会いたいのですもの!」
「もう帰れ!!」
「あっ、ちょっと!!」
言葉を無視して勢いよくドアを閉めた
「開けてくださいませ!!」
ドアを叩いてくるが無視だ無視!!
俺はもう一度寝室に戻り、再度眠りについた
どうせ起きたら帰ってんだろ

もう一度起きると空には日が高くのぼり、お昼頃になっていた
「もう、こんな時間か」
のそのそと起き上がり、適当に食事をとった
朝に来たあの女、なんだったんた?いきなり·····
好きだとか言い出して、追い出したが、何が目的だ!
·····にしても寒いな、薪を取りにいかないと
ここは街に比べて、日が当たりにくいためとても寒い。だから暖炉が必須なのである。魔法を使えば良いのだろうが、普段から使っているともしもの時に魔力が足りなくなってしまう可能性があるため使わないようにしている。
玄関に向かい、ドアを開けるとそこには柱で固まっているさっきの女がいた。
「はぁ?!お前まだいたのかよ?!」
俺に気づいたのか立ち上がろうとしているが、寒さのあまり体が固まってしまったらしく動いていない
「おい!!立てって!!」
「す·····みませ·····ん、起こして·····いただ·····けま·····す?」
「おい、しっかりしろって!!おい!!」
女は動かなくなってしまった
「仕方ねぇーな!!」
女を担いで屋敷に入り、ベッドに寝かせた
そして魔法で女を温めた
こいつ·····絶対後で治療費をとってやるからな!
数分経つと女は体温が上がり、意識を取り戻した。
「えっ·····ここは·····」
「俺の屋敷だよ!なんでお前、あんなに待ってたんだよ!!」
「ルベル様の屋敷に入れたのですか?!嬉しい·····」
「俺の質問に答えろーー!!!」
「はっ!えっと·····あなたに会いたかったのですわ!」
「それだけであんなに待つか?!普通」
「待ちますわよ!私は死んでもあそこで待っていましたわ」
「·····俺の屋敷の前で死ぬなよ!」
「それは心配してくださっているのですか?なんて嬉しいのでしょう!ルベル様も私のこと好きなので·····」
「んなわけねぇーだろ、アホ!」
「ルベル様、私に手を出してくれても良いのですよ!今、ベッドの上ですし!私はあなたのものですもの!」
「ふざけんなよ!お前なんか誰が!」
「私、そこそこ顔には自信があるのですが·····」
「自信持てるような顔じゃねぇよ!」
「それはショックですわ·····」
確かにお前は顔だけはいいが·····
「まぁ、とにかくあなたへの気持ちだけは誰にも負けませんのよ!」
「どうでも良いから治療費払ってとっとと帰れ!」
「治療費ですの?·····お金がありませんの·····体で·····」
「払えねぇーだろ!!馬鹿が!」
「でも私、お金持っていませんの!昨日で全て使ってしまいましたの·····」
「お前、貴族だろ?金ぐらい腐るほどあるだろ!」
「確かに貴族ですが·····私はお金を持っていませんわ」
「はぁ??だったらその服でいいよ」
「えっ?服を脱げ、と?·····畏まりました·····あなたのためなら·····」
「おい、そういうことじゃねぇよ!」
「では、どういうことで?」
「その服に付いてる宝石、結構言い値がするはずだ」
「·····これだけはダメですわ!」
「なぜだ?そういえばその服、昨日も着てたな·····」
「覚えていてくれたのですか?嬉しいですわね!やっぱりルベル様も私のこと好きなのでしょう!ね?」
「その脳みそ、腐ってるんじゃないのか?」
「いえ、腐ってはいないはずですが·····病院に行こうかしら?」
「お前が馬鹿だって言ったんだよ!!」
「あっ、そういうことでしたのね!」
こいつといると本当に疲れる·····
「それよりドレスだ!貴族様なら服ぐらいあるだろ?宝石寄越せ!」 
「ダメですわ!」
「なんでだ?!」
「お、お気に入りですの」
「ふーん」
目が泳いでいるが·····
「分かった、ならどうやって治療費払うんだ?」
「あの·····治療費はおいくらでしょうか?」
「金貨5枚」
「えっ·····そんなの払えませんわ!」
「お前、死にそうなところを助けてやったんだぞ!それにお前は貴族、ならこれくらいだろ?」
「そうですわね·····どうしましょう?」
女はうぅ·····と頭を使い、出した結論は·····
「街で働いて参ります!そういえば前、裏道の方で働かないか、と男性に誘われたのです!もう一度行けばきっと·····」
「·····お前、それが何の仕事か分かってんのか?」
「えっ·····なんでしょうか?分かるのですか?」
「あぁ、それ·····女の体を使うやつだぞ」
「女の体·····えっ·····それって·····」
女は顔を青ざめた
「私·····あのときやると言わなくて良かったです·····」
「だな」
ここまでのアホっていたんだな
「ではどうしましょう·····お金ありませんし·····」
「はぁ·····仕方がないな」 
「えっ?」 
なんで貴族なのに金が無いのかは知らないが·····
「あの街のこの店で店員の仕事やってる、行ってこい」
そう言ってこの前見つけた紙を女にやった
「ありがとうございます!頑張りますわ!」
「はいはい、頑張れよ」
どうせすぐ家に帰って、逃げるだろうがな 
まぁ、今回のは俺も悪いし逃がしてやるか
「では、また参りますわね!愛してますわ!マイダーリン!」
「はぁ?!ふざけんなって!!ダーリンってなんだよ、ダーリンって!!」
女は屋敷からそう叫んで出ていった
「·····二度と来んな」
女の行った方にそう言ってやった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

王太子は幼馴染み従者に恋をする∼薄幸男装少女は一途に溺愛される∼

四つ葉菫
恋愛
クリスティーナはある日、自由を許されていない女性であることに嫌気が差し、兄の服を借りて、家を飛び出す。そこで出会った男の子と仲良くなるが、実は男の子の正体はこの国の王太子だった。王太子もまた決められた将来の道に、反発していた。彼と意気投合したクリスティーナは女性であることを隠し、王太子の従者になる決意をする。 すれ違い、両片思い、じれじれが好きな方は、ぜひ読んでみてください! 最後は甘々になる予定です。 10歳から始まりますが、最終的には18歳まで描きます。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

処理中です...