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会う予定、すっかり忘れてた

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 タララ達が心配してたのにも理由はある。俺が昼飯に合流しなかったからだ。集中してたら夕方だったんだからしょうがないじゃないか…って思うけど、心配させたなら反省しよう。

「おーおーよしよーし。寂しくさせちゃってごめんね。みんなの為に少し頑張り過ぎちゃったんだよ。よーしよしよし、心配してくれてありがとねー」

 タララの頭を撫でながら感謝の言葉を述べて行く。獣耳揉んだり頬っぺたもちもちしてやると、抱き付いて離れなくなった。

「ゲイン~、ゲ~イン~」

「はいはいよしよし」

「ねえ、あンた」

「なんだ?」

「そう言うのは1番歳下にする物じゃない?私を甘やかしなさいよ」

「甘やかすのに年齢は関係無いかと。と言う訳で私にも」

「ゲインさーんモーテモテですねー。私だけ撫でないとか不公平ですよね?ねぇねぇ?」

 結果全員を撫でる羽目になり、夕飯が遅れた。遅く来たので結構混んでて、テーブルが空くまで待つ事になったが、何とか座れてようやく食事にありつけるぜ。

「ゲインさん、今日は飲みます」

「風呂はどうすんだ?」

「1杯だけですから~」

 …と言って2杯飲んでいた。

 ほろ酔い気分のメロロアを3人に託し、風呂に入って部屋に戻るとみんなの方が先に上がってたようだ。

「みんな早かったんだな。せっかくのお湯なんだからじっくり浸かれば良いのに」

「ふみまへん…酔いがまわったいまひた…」

「だから言ったろうに…」

 酒を飲んで湯に浸かり、酔いが回ったメロロアを3人が介抱したのだと。今もおでこに濡れたタオルが乗っている。

「明日は外に行くし、今夜はゆっくり休むんだな」

「ふぁいぃ…あたひのじゅんばんら…」

「飲んでも変わらないじゃない。明日からは気をつける事ね」

「順番?」

 アントルゼの言葉を聞き返すと、俺と一緒に寝る順番だと。今夜はタララで明日はアントルゼ、カウモア、メロロアと続くそうな。

「ねね、もう、明かり消すよ?」

寝間着に着替えた俺を見て、タララがテーブルに乗せたランプの火を落とす。そして迷う事無く俺の寝てるベッドに忍び込んで来た。

「毛布と枕、持って来いよ」

「一緒の毛布じゃ、ダメ?」

「朝方になって寒さで起きそうな気がする。おっぱい揉んでやるから持っといで。尻尾モフっても良いぞ?」

「ん、うん」

 空いたベッドから毛布と枕を引ったくり、再びベッドに入って来るタララを抱き締めてやる。今日はベッドがくっ付いてないから狭いんだ。

「あまり働かせてやれなくてごめんな」

「ん…。ゲインも、いつも気遣ってくれて、ありがと」

 ゴソゴソモゾモゾ、タララが蠢き、俺の顔を抱き締める。服、脱いだのか。甘い香りに包まれ、すぐに眠りの世界に引き込まれて行った…。


「…んっ…。誰、だ…」

「んむ…おはよ」

 頭を撫でて、もふもふの耳でタララと分かった。部屋はまだ暗く、冒険者共のガチャガチャも聞こえない。早起きのタララに身を任せ、頭をなでなで目を閉じた。

 目覚めるとおっぱい。また顔を抱き締められてられていたようで、自然とハムッと吸い付いた。おっぱいを吸うのは赤ちゃんまでだと思ってたが、慣れるモンだな。

「おっきい赤ちゃんね」

 アントルゼに見られてた。

「今日は柔らかいみたいだけど、パンツ脱いで寝たらせっかく作ってるのが勿体なくなるわね」

「タララに脱がされたんだろ。寒いから毛布かけてくれると嬉しい」

「起きて着替えたら良いわよ。トイレ行きたいから付き合いなさいよ」

 1人で行かせる訳にも行かないのでホールドしてる腕を上げて頭を抜く。パンツとズボンに熊皮のマントを羽織り、アントルゼを連れてトイレへ向かった。

「お先にどうぞ?」

「あンたこそどうぞ?」

 普段なら当然のように先に入ってとっとと部屋に帰るのに、今朝はなぜか譲り合う。言い合いしてても仕方ないので先に入ろうとすると、アントルゼが素早く侵入して来てドアを閉めて鍵をかけた。

「しっ」

「!……」

 ハンドサインで方向と人数を示すアントルゼ。確かにある。トイレを伺う2つの敵が、怒りや欲の感情を垂れ流していた。

「先にするわ。息しないで」

「無茶言うな。けど、善処するよ」

 狭いトイレの個室の隅に、何とかスペースを確保した俺は、目を閉じてアントルゼが垂れ終わるのを待つ。

「階段、上がってくな」

「も少し、待ちなさい…」

 アントルゼが垂れ終わり、ドアを開けようとするのを止められた。俺もしろって、それ所ではないだろ?

「あっちにはメロロアもカウモアも居るのよ?しっかり準備を終えてから向かいましょ。あンたの勇者はどうしてたの?」

 勇者キーンにトイレシーンなんて無い!とは言え逃がしてくれそうにないのでポロンしてじょろじょろ…。一部始終を見られた。

「そこから出てるのね…」

「あまり見ないでいただきたい」

「タララとは、したの?」

「子作りは、まだだな」

「そ。今夜は私にやらせて。まだ私のはあげられないけども」

「そろそろ行くぞ?」

「手、洗いなさいよ」

 手を洗って静かに敵を追う。アントルゼをマントの背中側に背負って隠し、階段をそろりそろりと上がって行くと、昨日見た細い奴と少し小さい奴がドアの鍵を弄ってる最中だった。

 階段に這いつくばって隠れ、狙いを定めて小石中を射出する。気付いた時はもう遅い。躱そうとして、頭上から落ちて来た石大を食らって両方命中。バタバタと倒れる音を聞いてか中から抜剣したカウモアが出て来た。

「ゲイン様、アントルゼ、ご無事で」

「俺達がこっちに誘導したんだ。こっちの方が頭数でも実力でも、地形的にも勝ってるからな。安心して壁役を任せられたよ。けどま、心配かけて悪かった」

「宿屋の鍵のおかげね」

「それは少し違うな」

 アントルゼの言葉を訂正する。部屋の外に出て戦ってもあの程度ならタララの盾で余裕で迎え撃てるし、中に入れたらメロロアの独壇場。連泊する部屋を汚したくないって事で籠城を決めたのは、俺達が無事なのを感知系スキルで把握していたからだろう。そんな説明をすると、カウモアも奥から出て来たメロロアも同意していた。

「ゲイ~ン、また役立たずだったよぉ~」

「タララの出番を取っちゃってごめんな。けどこんな金にならん事でタララの力を使いたくないんだ。今日明日は外に出るから、その時には頼むよ」

「ゲインさん、これ、どうします?」

「宿の主に伝えて衛兵に確保してもらおうか」

「それが楽ですね。ではひとっ走りして来ますのでご飯残しといてもらってくださいね」

 そう言って、メロロアが消えた。別に消えなくても良くないか?何で目の前に居て見えなくなるんだよ。取り敢えず男共をの手足をロープで縛っていると、下から宿の主人が駆け上がって来た。

「お客さん、大丈夫か?」

「まあね。俺達そこそこ強いんだ。コイツ等鍵穴にちょっかいかけてたから、壊れてないか確認しといてくれ」

「そうか、後で建具屋に連絡しておく」

 腹は減ったがまだ下には降りられない。メロロアが帰って来ないからだ。衛兵詰所に行ってるからな。もしかしたらギルドにも寄ってるのではなかろうか。

「ゲインさーん、連れて来ましたよー」

 ドタドタと階段を駆け上がる音と共にメロロアが帰って来た。

「現場はここか?」

 槍を持った衛兵が誰ともなしに聞いて来るので答えておく。

「そうだよ」

「この倒れてるのが下手人か?」

「鍵をこじ開けて入ろうとしたんだ」

「何か証拠になる物は無いか?」

「そこに転がってるヤツがコイツ等の商売道具だね」

「よし。もう少し詳しく聞きたい。詰所まで同行してくれ」

「なら外側にいた俺と、内側にいたメロロアが代表として行くのはダメか?これから狩りに行く予定で時間を無駄にしたくないし、腹減ってるからな」

「それで構わん。嘘は水晶で見抜けるしな。では下手人を引っ張るのを手伝ってくれ」

 飯も食わずに力仕事か。仕方ないな。2人の衛兵が首根っこをひっ掴み、俺は下手人2人の足を持って階段を降りる。尻の辺りがズルズルしてるが気にせず進む。メロロアは衛兵2人の槍を持って付いて来た。


 取り調べは簡単な物だった。水晶に手をかざして名を名乗り、起こった事を話すと青く光る。嘘ついてると赤くなる。門前に置いてあるヤツと同じ物だった。時間もかからず解放されて、その足でギルドに行くと言うメロロアに同行した。

「え、あの2人が?」

 受付嬢では無く、この時間暇してる買取り嬢のクラファーだ。国は違えど元職場。メロロアが居なければまだあの列の中に居ただろうな。クラファーがギルマスに話をしに行き、しばらくして2人が階段から降りて来た。

「昨日ぶりだな」

「しっかり注意出来たよ」

「そうみてぇだな。心配事も無くなったようだし、明日は頼むぞ」

「美味いのを狩るよ」

 ギルマスは二言三言話をして、再び階段を上がってく。クラファーはと言うと、昨日の査定が終わってるそうなので別室にて受け取る事となった。

猪 牙 1000×2 2000
猪 皮 60000
ツノウサギ 300×3 900

ゴブリンナイフ 50×52 2600

家財品 (以下まとめて) 12500
装備 2200
武器 4500
冒険者装備品 69500

指輪 4000×1 4000
   3000×5 15000
鑑定料 500×6 -3000

翡翠中 品質高 4000×265 106000
翡翠中 品質中 3000×127 381000
翡翠小 品質高 2000×311 622000
翡翠小 品質中 1500×160 240000
水晶 品質高 700×25 17500
水晶 品質中 400×301 120400
水晶 品質並 200×684 136800
紅水晶 品質高 1000×98 98000
紅水晶 品質中 700×451 315700
紅水晶 品質並 400×707 282800

総額 2,490,400ヤン

 板に縦書きにされたそれはなかなかの金額。単価は安くても数があるからな。

「こちらの査定でよろしいでしょうか?」

「メロロアが文句無いなら俺は良いよ。あ、そうだ。ゴブリンの袋から出たお金も合わせてくれる?」

銀貨26枚、銅貨328枚、鉄貨519枚が総額の下に付け足されて、こうなった。

総額 2,490,400ヤン
追加 59,319ヤン

総額 2,549,719ヤン

「全て振込みになさいます…よね?」

 出すなと言いたいんだろうが俺は出したいんだ。美人さんのオネダリ顔には屈しないぜ。

「…10万台を金貨で、1万台からは銀貨で」

 金貨50枚、銀貨49枚、銅貨7枚と鉄貨19枚を引き出した。ミスリル貨20枚分は俺のギルド証に入れる事になってしまった。

「パーティーでの分配もあるし、また寄るよ」

「マジックバッグにお金を入れると、亡くなってしまった時に残せなくなりますよ?」

「そうなんだけどさ。俺達更に国を越えてグェッテルラントまで行く予定だからさ。ここで入れた金を他の国で使いたくないんだ。特に飯代とか宿賃は引き出さなきゃならないでしょ?他所からしたら引き出され損だもんね」

「…確かに。高い買い物をするのでしたら尚更ですね。アソコの武具は高いと聞いております。ですがそこまで気になさらなくても大丈夫ですよ?ギルド証の中で移動するだけですし」

「パーティー用の口座があれば良いんですけどね」

「成程。パーティーで一括払いたいと。その要望はよく聞きますね。持ち逃げ対策が取れないと言う事でなかなか許可が降りないようです」

「ですよねー。私の所にもその手の相談来ましたよー」

「今もらったお金の分配が終わったら各自のギルド証に入れてもらう事にするよ。今回のでしばらくは足りるからね」

「そうして頂けると助かります」

 話を終えて、宿に帰るとタララが切なくなっていた。先に食べてて良かったのに、健気な子達だ。早く飯にしよう。

「はぐっ、はぐっ」

「ゆっくりお食べ」

 お腹空いてたんだな。よーしよしよし。けど腹八分目で止めておけ?これから外に出るんだからな。

 昼飯分のソーサーを買って、明日行く予定の西門から外に出る。門を出ると広場になっててすぐに森…同じ木が等間隔に生えてるから林だな。林に囲まれていた。

「こりゃあ凄い」

「なにが?」

「この林だよ。これ、全部植えて生やしたんだぜ?」

「あンた、見て来たみたいに言うわね」

「間隔と枝振りを見れば見なくても分かるよ。まっすぐ生えてるし、上の方にしか枝が無いだろ?あれは手入れしてあるからなんだ」

「それは登って枝を落とすのでしょうか?」

「そうだね。家は林業はやってなかったけど、木を商材にしてる家はあったんだ」

「売るのに何十年もかかりますね、それ」

「だな。この街がどれだけ長い事ここにあるのかが分かるよ。うちの村場合、薪や建材として切った跡地に植えてたみたいだよ」

「そうなりますと、明日の依頼はこの林を縄張りにする熊が標的になりそうですね」

「そうなるだろうね。少し街道を歩いたら中に入って見よう」

 カウモアの言葉に頷いて、街道を進む。見通しの良い林の中はいくつもの獣道が下草を排除し、轍となって残ってる。林の世話をしてる人もこの中のどれかを使っている事だろう。すぐに太めの道を見つけたのでそこから林の中に入って行く事にした。

「道がジグザグしてるね」

「坂道だからな。この道は人が使ってるみたいだ。もしかしたら人が作ったのかも知れないが」

「人みたいな野獣かも知れないわね」

「野獣ならまっすぐ降りて来るさ」

「ゲインさん、壁歩きで木を飛んで行くと楽ですよ?」

「人の持ち物っぽい木だからな、傷付けたりしたら怒られそうだよ。タララに脱衣させるのも困るし。メロロアは少し先行してくれ」

「了解でっす」

「みんな、壁歩きで思い出したんだが、滑落しそうになったら壁歩きを使って踏みとどまると良いぞ」

「落ちたら怪我しちゃうもんねー」

「戻って来る体力が無駄だものね」

「攻撃魔法は特に使いませんしね」

 つづら折りを上がりきって尾根に着く。尾根の向こう側は今来た坂より急なので、注意警戒しながら水分補給してソーサーを齧る。

「…なんも居ないねぇ」

「タララさん、居ないに越した事は無いのですが、鳥も小物も居ませんよ」

「何か、大物が居るのかも知れませんね」

「その何かが居ないのに小物が居ないって、どんだけ脅威なのかしらね…」

「デカい熊だろうな」

「ゲイン~、どうやって殺る~?」

「んー…、やっぱブロックかなぁ」

「切り出せる場所があれば良いのですが…」

「植林された場所だし、ここには無いだろうな」

「ねえゲイン、あの先は林じゃないわよね?」

 アントルゼが指差す先は、尾根の向こうに広がる草原だ。草地なら多少の岩はあるかも知れないが、多分だが、あそこまでだいぶ遠いぞ?

「ゲイン様、重さではなく貫通力で対応されてはいかがでしょうか?」

「武器を投げるか」

「槍を用意するのが良いかと」

「槍か…。それ良いな」

 カウモアの案に乗ってみる。が、無駄金を使う余裕はないんだ。そこで良い事思い付いた。

「帰りの事を考えるとため息が出そうだが坂を降りよう」

「どうなさるおつもりで?」

「あっちの木は植林されたヤツじゃないから切って使おうと思う」

「槍、作んの?」

「おお、タララ賢いぞ。よーしよしよし」

「私だって賢いのよ?」

「はいはいよしよし。あっちの木は曲がってるけど、俺達は製材出来る。それに鏃のやじり 材料もあるしな」

「お金稼ぎが得意な倹約家、流石ゲインさんです」

「褒めたら伸びるぞー、よしよし。カウモアも撫でてやろう」

「ありがたき幸せ」

 みんなを撫でて休憩終了。斜面を降りるのは危ないので尾根に沿って下ってく。その内街道にぶつかりそうだが、無理に坂を降りて伐採する事は無い。近場で切れればラッキー程度に考えて動く。

 幸運な事に切っても良さそうな木はすぐに見つかった。しかし不幸な事に、迂闊に切ったら坂を転がってってしまうだろう。けど太さも長さも十分でこのチャンスは逃がしたくない。

「あたい、どうしよ?」

「タララは索敵と警戒を頼む。俺は鎧を脱ぐからよろしく頼むな」

「あいよ」

「私は?」

「お前もカウモアもタララと一緒に警戒しててくれ。メロロアは俺のサポートを頼むよ」

 鎧を仕舞い、ロープを出して腰に縛る。反対側の端はメロロアの腰に結ぶ。メロロアには壁歩きで地面に張り付いてもらい、俺は木に取り付いた。

 普通に切ったら落っこちちゃうので、まずは2人で木に登り、不要な枝を払ってく。木登りスキル、使ってると思うのだが役に立ってるかどうかは分からない。数本の立派な枝を残して丸裸にしてやると、一旦木を降りた。

「ゲインさん、地面に張り付きますよ」

「頼むわ」

 木の根元に取り付いて、木の幹をぐるっと浅く収納する。

「皮を剥ぐのですか?」

「水を抜くのさ。デリートウォーター。デリートウォーター」

 収納して出来た切れ目にデリートウォーターをかける。何回やればカラカラになるか分からないので5回かけといた。再び木に登って上の方から切って行くのだが、足りなければそこで更に使えば良いだろう。

「メロロア、また登るぞ」

「え、了解です」

 天辺の枝を100ナリ分切ってみる。枝が重過ぎれば先の方が坂を転がって行くハズだ。収納して、7割くらい落っこちた。採れたのは長さ2ハーンくらいだが、それでも充分な長さは採れたな。枝を収納して、幹の番。天辺の幹は枝と変わらない太さなので同じように回収。そして下の枝に取り付く。太い幹は外周を先に切り離し、角材のようにしてから半分とか1/4の縦切りにして収納した。

「ふう。結構採れたな」

「お疲れ様です。上から引っ張りますのでしばしお待ちを」

 デカい木を切り株にするのに大体1オコン半はかかっただろうか。索敵には引っかかって無いみたいなのでその場で昼飯にして、食休みがてら面取り等の大まかな製材をした。そろそろ街に戻った方が良いだろう。つづら折りの坂を下って街道に戻り、街に帰って来た。

「お肉獲れなかったね~」

 そう言えば干し肉用の肉が欲しかったんだよな。野獣も魔物も警戒して隠れちゃってたせいで忘れてたよ。

「明日に期待だな。取り敢えず宿に戻ったら槍作りだ。みんなも頼むぜ」

「あ~い」「分かったわ」「「了解です」」

 部屋に戻り、鎧を脱いで着替えたら面取りした角材を出して10×10ドン程の太さの角材に加工してく。

「長いですね」

「森で振り回すには長いな」

 2ハーンの長さの角材は、ここにいる誰よりもノッポさんだ。森で振り回せば敵より先に木に当たる事だろう。だが射出するだけなら重さが乗るのでこっちが良い。夕飯の時間を少しだけオーバーしたが、みんなで一斉にやれたので製材を終える事が出来た。10×10×200ドンの角材が236本。13本で1枠使うので18枠と1本。凄く中途半端だ。

 飯食って、風呂に入って再び槍作り。まだただの角材だからな。

「手で投げるには大きいわね」

「射出用だからな。使わない時は柱になるし、ロープと板ももう少し欲しい所だ」

「ゲイン~、先っちょはどーすんの?尖らす?」

「石を使おうと思ってる」

 石大を取り出し、軽く面取りして四角くすると、1ドン厚くらいの薄切りにする。それを更に切って、20×10ドン程の短冊にした。これで20枚。みんなにも手伝ってもらい、更に10個で220枚の短冊が出来た。

「四角いね」

「尖らせる必要がありますね」

「まあ見てなされ」

 キレイに積み重ねたつもりの短冊は、少しずつ大きさがズレている。片側の長辺を角材で整え、反対側の辺を面取りすると同じ幅となる。そして対角線で切り取ると短辺が不揃いな三角形、440枚となった。

「へえ、これを角材に差し込む、と」

「もう少し待つのだよ」

 長辺二つの長さを揃えて短辺を切り、尖端がまっすぐ上を向くようにしてやっと穂先の形になった。まだ工程は残ってるけど、試しに一つ付けてみよう。角材の先端に1×2長さドンの切込みを入れて、そこに三角を差し込んだ。

「おお、それらしくなったね~」

「しかしながら、これでは穂先より深くは刺さりませんね」

「だな。その代わり数を打つ。正面三方からドバドバ打てば流石に平気じゃいられまい」

 カウモアの問に答える。深く刺さっては困るのだが、カウモアには分かるだろうか?

「怯んだ隙に私やカウモア嬢がトドメを刺す、と」

 メロロアは少し先を見ているな。

「槍だけで殺れたらそれに越した事は無いけどね。俺は石を尖らせるから、みんなは溝を切ってくれ」

「あ~い」「了解です」

「私はゲイン様をお手伝いします」

「私も尖らすのをやるわ。こっちならズレても建付け悪くなったりしないでしょ?」

 タララとメロロアは角材の加工、アントルゼとカウモアは俺の手伝いに分かれて作業をこなす。角材に溝を作るのは直ぐに終わったので途中からは穂先作りに合流した。

「ゲインさん、これ、どうやって穂先と角材をくっ付けますか?」

 さっきのアントルゼは接続の事をちゃんと考えてるようだったが、メロロアは気付かなかったか。

「枯れ草でも噛ませとけば充分だと思うよ?どうせ穂先が刺さっても角材は取れちゃうからね」

「確かに。刺さった槍を振り回されるのは厄介かも知れませんねー」

「柄が取れても良いように作ってたのね?」

「その通りだ。先っちょが刺されば柄は邪魔だからな」

 角を切って鋭くなった穂先を、短く千切った干し草を角材に噛ませて取り付ける。引っこ抜けば取れるけどこれで充分だ。

「柄を回収出来ればまた差し込んで打てるしな」

「それで余る程作ってたんだね~」

 作業に没頭して少し夜更かしし過ぎたな。穂先を差し込んだ槍が13本×3枠をメロロアとカウモアに、4枠をタララとアントルゼ、4枠と1本を俺。予備の穂先は20枚ずつ4人に、俺は24枚預かった。

「みんな遅くまで付き合ってくれて助かるよ。明日は早いからもう寝ようか」

「ゲイン、今日は私と寝るのよね?」

「キスしてやるから早寝しような」

「明日はよろしくお願いします」

「明後日は私ですからね?」

「はよ寝ろ」

「おやすみ~」「お休みなさいませ」「おやすみです」

 ランタンの灯りを消して、アントルゼの寝てるベッドに入る。ちゃんと毛布が2枚に枕も2つある。良かった。

「ゲイン…」

「すっかりキスが好きになったみたいだな」

 小さな声で抱き着いて来るアントルゼの唇に、軽く唇を合わせる。唇を合わせながら喋るので唇同士が触れ合うのが少しこそばゆい。

「あンたは好きじゃないの?」

「子供作る時まではしないんだろうなーって、思ってた」

「私もよ……んっ…」

 目を閉じながら、静かに唇を重ねて寝た。


 遠くに聞こえる馬の嘶きで目が覚めると、アントルゼが舌を絡ませていた。

「ん…んぅ…。起きたのね。はむ…」

「んん、んーん…ぷふ。2の鐘で集合だろ?起きようか」

「そうね。トイレ行きましょ?」

 ベッドを降りて熊皮のマントを羽織ると中にアントルゼが入って来る。歩きにくいが抱き上げてしまえば何とか。

「おはようございますゲイン様、アントルゼも」

「おはよ」

「トイレ行って来るからみんなを起こしといてくれ」

 目覚めて顔だけこっちに向けるカウモアに指示を出し、俺はアントルゼを抱えてトイレに向かう。また一緒に入るのか?敵は居なそうだが昨日の今日だし、敵が手練だったりすると不安があるな。恥ずかしさより安全を取った。

「何で見るのか」

「減るもんなら見ないわよ?」

「俺がお前のを見ないのは、お前への気遣いのつもりなんだが」

「本当は見たいのね?」

「そう言う嗜好は無いよ?」

「私だって無いわ。そこにあるから見てるだけよ」

 出来れば目を瞑っていただきたい。手を洗って食堂へ向かうと、三人が円卓をキープしてくれていた。

「お待たせ。助かるよ」

「お二人の分はもう頼んでありますから」

 元ギルド職員は合理的だ。この食堂は朝食べるメニューが少ないので問題無いけど、気になるメニューがあったら朝でも前日でも話をしといた方が良いだろう。

 円卓に座って朝食を食べていると聞きなれぬ声に呼ばれた。

「おはようございます。昨日は大変でしたね」

 武器屋の娘のリッツだ。冒険者らしい金属鎧を着た少女は見た目の重さに反して軽快に歩き寄る。昨日はいろいろあって俺とメロロアは会えなかったんだよな。

「昨日はごめんな。変なのに絡まれて返り討ちにしてたんだ」

「はい。タララさん達に聞きました。今日は依頼なんですよね?」

「まだ内容聞いてないんだけどな。まあ、Bランク程度の実力が要るってんだから熊かオーガかトロルくらいだと思うけど、オーガはこの近辺には居ないみたいだし、残りのどっちかだろうね」

「付いて行こうって思ってましたが今日は帰ります」

「えー。来なよー?どうせいつかは殺らなきゃなんだしさ~」

「俺はどっちでも良いぞ?俺達の戦い方を見ておいて欲しいから援護だけで構わんし」

「うぅ…、そうですか…。援護射撃しか出来ませんが、それでも良ければ同行します」

「きっと驚くと思うわよ?」

「昨日から驚いてますよ」

 昨日ボコにした馬鹿共の事はリッツも知っていて、Bランクが同数の格下相手にボコられた事に驚いたそうだ。だがまあ考えてみて欲しい。BとCの差なんて護衛依頼したかどうかでしか無いんだぜ?




現在のステータス
名前 ゲイン 15歳
ランク C/D
HP 100% MP 100%
体力 D
腕力 E
知力 E
早さ D-
命中 E-
運 D

所持スキル
走る☆☆ 走る☆☆ 走る 走る 走る
刺突☆☆ 刺突
硬化☆☆ 硬化 硬化
投擲☆☆ 投擲
急所外物理抵抗☆☆
飛躍☆ 飛躍
木登り☆
噛み付き☆☆ 噛み付き 噛み付き
肉体強化 肉体強化☆ 肉体強化☆
腕力強化☆ 腕力強化 腕力強化
脚力強化☆ 脚力強化☆ 脚力強化
知力強化☆
体力強化☆ 体力強化 体力強化
ナイフ格闘術☆ ナイフ格闘術
棒格闘術☆
短剣剣術☆ 短剣剣術☆
避ける☆
魅力☆
鎧防御術
察知
探知
マジックバッグ
マジックボックス

鑑定☆ 鑑定
魅了
威圧
壁歩き

水魔法☆ 水魔法
|├ウォーター
|├ウォッシュ
|└デリートウォーター
├ウォーターバレット
├ウォーターウォール
└ボーグ

土魔法☆
├ソイル
├サンド
└ストーン

火魔法
├エンバー
├ディマー
└デリートファイヤー

所持品
革製ヘルメット
革製肩鎧
革製胴鎧
皮手袋
皮の手甲
混合皮のズボン
皮の脚絆
水のリングE
水のネックレスE
水のブレスレットE

革製リュックE
├草編みカバン
├草編みカバン2号
├紐10ハーン×9 8ハーン
└布カバン
 ├冊子
 ├筆記用具と獣皮紙
 ├奴隷取り扱い用冊子
 └木のナイフ

革製ベルトE
├ナイフ
├剣鉈
├剣鉈[硬化(大)]
├解体ナイフ
└ダガー

小石中472
小石大☆450
石大8
石片71
槍☆13×4
槍1
石製穂先24

冒険者ギルド証 2,000,000ヤン

財布 ミスリル貨231 金貨30 銀貨10 銅貨86
首掛け皮袋 鉄貨374
箱中 482,959→1,016,678ヤン 
ミスリル貨 金貨69 銀貨283 銅貨436 鉄貨78 砂金1250粒


マジックボックス
├猪燻203枚
├戦利品
├箱
|└シルクワームの反物×30
├未購入チップ各種箱
├医薬品いろいろ箱
├食料箱×2
├調理器具箱
├ランタン箱
|└油瓶×10 8.6/10ナリ
├竈、五徳
├蓋付きバケツ大
├テントセット
├マット×4
├中古マット×5
├毛布×9
└洗濯籠
 ├耐水ブーツ
 └耐水ポンチョ


鉄兜E
肩当E
胸当E
腰当E
上腕当E
ゲル手甲E
ゲル股当E
帆布のズボンE
脛当E
鉄靴E
熊皮のマントE

籠入り石炭0
石炭77ナリ

ランタン
油瓶0/0.8ナリ
着火セット
輪止め×2
飼葉たっぷり
服箱
├中古タオル
├中古タオル
├未使用タオル×2
├中古パンツ
├パンツE
├未使用パンツ×2
├ヨレヨレ村の子服セット
├サンダル
├革靴
├街の子服Aセット
└街の子服Bセット

スキルチップ
ハシリウサギ 0/4521
ウサギS 0/1
ウサギG 0/1
ハシリトカゲ 0/3166
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