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ロマン武器

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 皆が起きて活動再開。食事を摂って下へと進む。此処からはトカゲ系の敵が出る。フレンズの二人では戦力が足りなくなったので友恋も参戦した。

「こりゃ、中々っ」

「オレこんくらいの強さがっ、殺ってる感あるっ」

「肌がっ、硬いっ、うぎっ!」

「…よ…押し流せ、ストームッ!面で押して!囲ませちゃダメ」

「頑張れ姐ちゃーん」「疲れたら交代すっぞー」「暇だぞ~」

少年隊は応援だ。正しくは後方警戒なのだが、背中は俺が守っているので足りている。戦況は五分で少し此方が強い感じだが、戦力を投入出来る程の通路に余裕が無い。

「シトン交代っダートっ」

「あいよっ」「うぇーい」

アズの指示でダートが跳んで、シトンの頭上からトカゲ頭に攻撃を仕掛ける。トカゲ頭が押し込まれると、シトンは後退した。

「「おつ~」」

「くっそ、武器が弱いっ」

「ほれほれ、回復すっから近う寄れ。武器は拾ってくしか無いな。人の作った物の限界ゾーンに入ってるし」

「カケルさんは、此処どう殺ったの?ふぅ~」

「武器がミーネ作だった」

「なる、ほど。ふひー」

 五十階のボスはトカゲ。全員でボッコボコにする。ボス部屋から最後の煙が吐き出され、皆息を吐いて脱力する。

「カケルさぁーん、折ーれたー。武器貸してー」

予想はしてたがシトンの武器が折れた。

「愛用バットと拾った斧くらいしか使えないんじゃないか?」

「バットって、棍棒じゃん。斧は前三人だと振れないよ」

「俺の手作りだから折れないぞ?」

「シト姐~、武器出たけど、いる~?」

「え!?どれどれ?…って、鈍器かー」

「かっこいいじゃんトゲ鉄球」「トゲトゲ~」

柄の先から鎖が伸び、その先には棘の付いた球がある。所謂モーニングスターだ。振り下ろすだけなら簡単な取り回しの武器ではあるがその分手数は減り、振り上げや回転等手数を増やすと取り回しが難しくなるマニア向けな武器である。
シトンは渋い顔でモーニングスターを振り下ろし、振り上げる。振り上げや回転は事故るのでそれを確認してるみたい。

「シトン、ちょっとこっち来て振ってみろ」

「え?あーい」

形見の二振りを取り出して、前で構えるシトンに対峙する。

「う、すげー圧…」

「それ魔剣だし、頭に何か浮かんで来ないか?」

「剣じゃないよね」

「だな。とにかく振ってみろ。死ななきゃリュネが飛んで来てくれっから」

「それが一番怖いって。んっりゃ!」

その瞬間、間合いを無視して鉄球が飛んで来た。すっぽ抜けた?違う。球だけ飛んで来てる。初代MSのロマン武器かよ!形見の二振りから大量の糸が吐き出され、糸玉になった鉄球がズシッと受け止めた体に響く。

「あばばば、ま、まひった」

「カッ、カケルさんっ」「休憩ね。階段際迄行きましょ」「「「うぇ~い」」」

ご迷惑お掛けします…。フレンズの二人に牽引されて休憩した。

「この下五十一階と、六十階のボスは戦う事が出来無い」

 麻痺が解け、此処からの事を説明する。

「あ、もしかして女?」「美人?」「可愛い?」

流れの分かってしまった少年隊が口を挟む。

「正解だ。可愛い蜘蛛女と牛女が待ってる」

「ダンジョンモンスターが懐くなんてありえないんだけどね」

「なっちゃってるからねぇ」「だねぇ」

アズの指摘は正しい。けどなっちゃってるモンはなっちゃってるのだ。フレンズの二人もハーピーの件があり諦めている。俺がハーピーのボスとヤっていた頃、部屋の外では一狩りしようって事になったらしいのだが、俺が居ない状況でもハーピー達は逃げるだけだったのだとか。

「で、抱くの?」「また一日掛かりかぁ」「旦那も好きねー」

「否、下には降りず、五十二階に《転移》する。ズルはしたくないけど一日じゃ足りないし。その代わり、六十階のボスには挨拶に行くよ。世話になってるからね」

世話?と皆が首を傾げる。皆が大好きクリームは、此処から採れるモノなんだぜ?真相は絶対に言わないが。





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