1,360 / 1,519
生きてて良かった
しおりを挟む施設で作業中のラビアンを楽しませて島に戻ると、カラクレナイが元の大きさに戻っていた。カラクレナイもルドエに遊びに行くようだ。とは言え大きい姿で飛んで行くのは危ないと言う事で人化したんだと。
「行って来るの」
「怪我したりさせたりしないようにな」
「私もいく。だからへーき」
ネーヴェも遊びに行くと言う。後ろに兎女子も居る。おやつの煎餅入れてた箱を、大事そうに抱えてる。
「夕飯迄には戻っといで」
「「「「はーーい」」」なのーっ」
姦しく出掛けて行く女子達を見送り、俺は暇になる。子供達に構ってもらおうとも考えたけど、折角だし、草食トカゲの皮を服にしてもらおうかな。
「カケル、おでかけ?」「女の所ですね?」「女は此処にも居りますよ?」
イゼッタの言葉にテイカとリアが煽って乗っかる。
「エメラルダスにトカゲの皮で服を作ってもらおうと思ってな。皆も行くか?」
「行くっ」「お供致します」
「あたしは行けませんが、サミイ様を呼んで来ますね」
テイカは身重な事もあり、あまり転移や時短を使わせたくない。絶対ダメとは言わないが、それでもテイカは留守番する事を選択した。暫くしてサミイがやって来たので、ママ上殿へ渡すお土産を持って、バルタリンドへ移動した。
「ママー、ただいまー」
「あら、サミイ。カケル様達もいらっしゃい。エージャは今使いに出してるの。ごめんなさいね」
「今日は服を作ろうと思ってね。防具屋に行くんだ。コレ、スープの素。お湯に溶くとスープになるし、焼肉に塗っても良いよ」
ママ上殿は落ち着いたのか、前より顔が明るい。テーブルの上で大の字になって寝てるメッツくんをそっと撫で、お土産を渡すと俺は一人寝具店を出た。
お使いに出ていると言うエージャだが、探さなくても縁があれば会えるだろう。特に用も無いのだし。散歩がてらに街並みを見ながら移動して、露店街で絡まれてるエージャを見付けてしまった。こう言うのをフラグ乙と言うのだろうな。
「あ~れ~~、カーケルー様~た~すけて~~~」
あざとく撓りながら、ゴロツキをすり抜け抱き着いて来た。
「何してんだ?」
「悪漢に絡まれて、犯されて捨てられる所でしたぁ~」
「はあ、それは災難だったな」
帯剣してて言う台詞では無いだろうに。エージャに絡んでいたと言うゴロツキは、街の人に囲まれて逃げるに逃げられない感じだ。バルタリンドはかなり治安が良くなっただけに、ゴロツキが居る事も珍しい。娯楽に飢えた民衆の餌にされてしまっている。
「お前達、他所から来たのか?」
「何だよ!?何見てやがるっ!」「テメェその女の何だってんだ!?」
「余所者なら知らんと思うが、此奴は元戦闘奴隷だ。お前等、生きてて良かったな」
「せ、戦闘奴隷…」「ヤバいぜ兄貴…」
「此奴は俺が抑えてやる。早く逃げるんだな」
「強くギューッと抑えてくださいっすーーーはーー」
抱き着かれて動けん。ゴロツキ共は、人集りが割れた隙間に駆け込んでった。人集りを割ったのは、施設によく来る常連さんだった。どもです。エージャにくっ付かれたまま、串焼き等を買って防具屋へと向かった。
「よう。客として来たぞ」
「あ!カケルさん…と、エージャ?何してんのよ」
「カケリウムを満たしているの」
「取り敢えず此奴の事は置いといて、皮を持って来たから服を作って欲しいんだ。《洗浄》すれば直ぐ着られるけど、近所を行くのに此処迄ゴツく無くても良いかなーって」
「普段使いの皮鎧って事ね?良いわ。皮見せてよ。それと、ソレは必要よね?」
「ペニスケ頼むよ。それと、ペニスケ外して萎えさせた時の前掛けみたいなのもセットにしてくれ」
「はいはーい。うわ、何これめっずらしー」
草食トカゲは珍しいのか。緑の生皮をカウンターに乗せると、巻かれたのを開いて触ってみたり匂いを嗅いだり、硬さや厚みなんかも確かめてるようだった。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
目覚めた世界は異世界化? ~目が覚めたら十年後でした~
白い彗星
ファンタジー
十年という年月が、彼の中から奪われた。
目覚めた少年、達志が目にしたのは、自分が今までに見たことのない世界。見知らぬ景色、人ならざる者……まるで、ファンタジーの中の異世界のような世界が、あった。
今流行りの『異世界召喚』!? そう予想するが、衝撃の真実が明かされる!
なんと達志は十年もの間眠り続け、その間に世界は魔法ありきのファンタジー世界になっていた!?
非日常が日常となった世界で、現実を生きていくことに。
大人になった幼なじみ、新しい仲間、そして……
十年もの時間が流れた世界で、世界に取り残された達志。しかし彼は、それでも動き出した時間を手に、己の足を進めていく。
エブリスタで投稿していたものを、中身を手直しして投稿しなおしていきます!
エブリスタ、小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも、投稿してます!
元銀行員の俺が異世界で経営コンサルタントに転職しました
きゅちゃん
ファンタジー
元エリート (?)銀行員の高山左近が異世界に転生し、コンサルタントとしてがんばるお話です。武器屋の経営を改善したり、王国軍の人事制度を改定していったりして、異世界でビジネススキルを磨きつつ、まったり立身出世していく予定です。
元エリートではないものの銀行員、現小売で働く意識高い系の筆者が実体験や付け焼き刃の知識を元に書いていますので、ツッコミどころが多々あるかもしれません。
もしかしたらひょっとすると仕事で役に立つかもしれない…そんな気軽な気持ちで読んで頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる