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悔しい
しおりを挟む「王を助けたかったらやってみろ。ダメだと思がね。食べ物だけは置いてあるから生きる気があるなら長生き出来るだろ」
「くっ、宰相を探せ!エギッラルトは何処だ!?」
俺の言葉に義兄が動く。助ける気があるのだろうか。だが俺はそれを止める。
「ロデュローン、お前も罰を受ける側だぞ?」
「な、王を助けてからではダメなのかっ!?」
「お前が国を動かす事を、俺は良しとしない。王の暴挙を止められなかったのだからな」
「ならば私も、罰を受ける」
「「姉様っ」」
「テディリオーヌ、お前が国を動かせ。ロデュローンは一人で生きてもらう」
「私が…だと?」
「お前なら力づくで止めれば止められただろう。これからは国の為に頭を使え。リュネ、リーム、島に戻っていてくれ。ロデュローン、行くぞ」
「なっ、どっ……こに、連れて来たっ」
瞬きして、景色が変わる。匂いが変わり、音が変わった事にロデュローンはしきりに辺りを見渡して、自分の記憶と一致させようとしている。
「此処は違う大陸だよ。サライプラマと言うダンジョン都市だ」
「聞いた事が、無い…」
無いのか。立ってるだけでは生きられないのでロデュローンを連れてギルドへ向かう。
「冒険者ギルド、だな…」
こっちは知っていたか。知ってはいても利用した事は無いだろう。受付に行ってギルド証を作らせた。身形が良いから対応が良い。悔しい。
「カケル王、お前は俺に何をさせようと言うのだ」
「一人で生きて行けと言った筈だ。聞いて無かったか?」
「俺を冒険者にするつもりか」
「働き口があって、お前が働けるならそれでも良いが、お前何出来るよ?違う大陸の王族が仕官に来たとか、雇えると思うか?大事に軟禁されるとは思うがな」
「ん…、大陸内であれば国に迷惑が掛かったであろうな」
「お前を殺して、無かった事にされるのがオチだ。冒険者で生き残れ」
「何方にしても死ぬ可能性はあるのだな」
「丸腰で生きられる程、魔物も人も優しくは無いからな。特別に餞別を進呈しよう」
ロデュローンに少しの金と武器をくれてやる。
「何だ?随分と反った…片刃の剣だな」
ギルドの中で刃物を抜くな。身形が良いから何も言われないでやがる。悔しい。
「売るなよ?龍が打った人の世界では国宝だ」
「売れば一生生きられるが…人にはこの価値に気付く者は居らんだろうな。見た目が実用品過ぎる」
冒険者の生き方を簡単に説明し、ロデュローンを追放した。
「お帰りなさいませ、カケル様」
「テイカ、只今」
ゆるっとしたワンピースのテイカが一番で迎えに来る。それに続けとラビアンに妻達が食堂に集まって来た。
「貴方様、父、いえ、アフマクシア王は…」
「謁見の間に閉じ込めた。ロデュローンは国外追放。ティディリオーヌには国を担ってもらう。以上だ」
「寛大なご配慮、痛み入ります」
一族を排除すると直ぐに隣国が盗りに来るからな。それを考えると寛大な配慮であると、俺は思う。
「それで、ロデュローン王子は何処へ?」
「サライプラマに送ったよ。頑張ればダンジョンで食って行ける。火に光が使えて魔力も多い。ランクが上がれば引っ張りだこだろうよ」
「壮健である事を祈りましょう」
王族の血と教育がされた男だ。馬鹿に騙されたりしなければ生きるに困るまい。受付嬢にも笑顔貰ってたしな。
翌日に通知を出し、三日後。カロ邸の客間にはカケラント、ミネストパレス、ハイネルマールの代表が集まった。家主のカロをセンターに、向かい合わせで席に着く。
話し合いはハイネルマールの提案に対し、ミネストパレスとカケラントはこれを拒否。ミネストパレスとは大き過ぎる遺恨、カケラントからは王へ対する侮辱的な態度を引き合いに出した。
「パパ、ちゅまんない」
「戦後処理なんてそんなもんだよ」
国からの命令が国王代理より撤回され、支援の差し止めと返還の命が下ったハイネルマールは目が死んでいる。交渉を任された多少学のある職員も、方や宰相の姪孫に、方や長生き魔族相手には口喧嘩にもならなかった。
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【???????????????】
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*この小説は「小説家になろう」で投稿されている『二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す』とほぼ同じ物です。こちらは不定期投稿になりますが、基本的に「小説家になろう」で投稿された部分まで投稿する予定です。
また、現在カクヨム・ノベルアップ+でも活動しております。
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