女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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女を抱きに行く

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 一般の参列が終わり、王選となる。一般参列の時はリュネとリームが交代で見てくれたので俺は仕事に邁進出来た。

 王選は前以て決めていたので形式だけとなり、正式にハーク王となった。地球の西洋貴族の場合、戴冠式なる他国に知らしめるお披露目会があるのだが、シルケには、少なくともノースバー大陸にはその風習が無い。カケラントにも無いな。

「ボクが「王様。ボクでは示しが付きませぬ」…分かった。私は、シュワイトリンゲン王国国王、ハークシュタインメッツ・メルユーチヒ・シュワイトリンゲンである」

エルシドの名乗りは正式な物だったのか。模様替えを終えた王の部屋で、ハーク王の名乗りを聞くのは俺とグランツヴァルツ兄弟、そしてアルアをたわわに挟んでご満悦のリュネだ。

「カケルさんは名乗らないのですかぁ?」

「えー?儂が、カケラント国国王、カケル・カリバ・カケラントでっあ~る…って、自分トコの国民にすら名乗った事無いよ」

「ボクだって無いよ」

「これから沢山名乗るのですよ。では王様、兄上、そろそろ立ちたいと思います。カケルよ、よろしく頼む」

王に願い出る台詞じゃ無いが、まあ良いや。

「私もアルアちゃんを頂いて行きますねぇ~」

龍への供物か?島に帰るだけだと思うが。

「カケル、リュネ様。アルアの事、頼むね?」

「任せとけ。その内姪か甥を見せに来るよ」

「もっと来てよー」

ハーク達に別れを告げ、ハーラデーを連れて《転移》する。何時ものバルコニーにメイドが集まり頭を垂れた。

「お帰りなさいませませ、カケル王様」

「「「お帰りなさいませ」」」

「うム。此奴が以前言った働き手だ。よろしくしてやれ」

「ハーラデー・グランツヴァルツだ。宜しく頼む」

「「「よろしくお願いします」」」

「カケル様、やっと来たのね。其方が前に言ってた子?」

「ハーラデーだ」

「宰相のエンメロイよ」

「なっ、宰相閣下でしたか。知らぬとは言え申し訳ございませんでした」

「これからは男女問わず、常に丁寧に接しなさい。この国はカケル様の国。カケル様を怒らせたら、怖いわよ?」

「き、肝に銘じます」

「七日に二日は休みをやれ。女を抱きに行くってからな」

「おい!カケル!」

「ハーラデー」

「う、カケル王。余計な事は言わんで良い」

エンメロイに睨まれたハーラデーは仕事仲間を紹介すると連行されてった。頑張って娼館代を稼いでくれ。


 島に帰ると、女達が姦しく、俺の居場所が無さそうなので、少し外に出る事にした。昼も近いし、飯の食える何処かでゆっくりするかな。

「んに~、カケルさまぁ~」

で、来たのはミネストパレスのバジャイの巣。あんまり構ってやれてないから好きなだけ舐められ擦られ、撫でてやる。

「バジャイのおっぱい、スベスベで気持ち良いな」

勿論おっぱいだけでは無い。お尻も太腿もスベスベだ。

「んちゅ、れろっれろ、むっちゅ」

ザラザラな舌で顔が涎塗れにされ、開いた口の中に捩じ込まれた舌が絡め合う。

「バジャイさーん、お昼ですよー」

「んぬ、ご飯。カケルさまぁ」

巣の下から聞こえるのは眼鏡メイドのトリントン。ご飯と聞いて切ない声を上げるバジャイを撫で付けた。

「お昼食べたら続きをしような?」

「あいっ、ご飯~~」

巣からスルスル降りてって、バス停迄駆けてった。

「あ、カケル様もいらしたのですね」

「最近構ってやれなかったからな。俺もお昼を頂くよ」

昼食を頂いて、お腹一杯で寝てしまったバジャイを浮かせて巣に戻る。仕事が終わって暇してる女児達も付いて来たが、巣の強度大丈夫か?ミシミシ言うなら補強するか。

「バジャイちゃんのお部屋、初めて来た」

「高いね~」

「人みたいに地面の上で寝ると魔物に襲われ易いからな。それに高い場所の方が風があって涼しい」

「風あるね~」「ねー」

バジャイがお眠さんなので、皆で昼寝の時間となる。落ちないように、真ん中辺りで横になると、腕やら腹が枕となって俺に伸し掛る。ちゅぱちゅぱしたかったけど、偶には良いだろう。





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