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中は生
しおりを挟む焼けた肉塊を削ぎ切りにして《収納》へとストックするのを全員に凝視される事暫し、入口側が騒がしくなる。どうやら魔動車のご帰還のようだ。魔動車が止まると続々出て来る兎達。
「お、兄貴。帰って来たんだ?」「お帰りー」「おかー」
「お前等もお帰り。二日程厄介になるよ」
「「「い~~にお~い」」」
「お前等は家で食べろよ?あっちも作ってくれてんだろうからな」
「「「はーーい」」」
「カケル様、只今」「「ただいま~」」「旦那
~、美味そう~」
美味そうなのは俺か?肉食獣の目がヤバい。コレの作り方は近い内に教えると言う事で納得してもらい、友恋フレンズ少年隊は船に乗って対岸へと帰って行った。
「カケル、そろそろ皆の分切れたのでは無いか?」
「まだ切り切って無いでしょ」
何時も半歩引いてるタイプのグリオーソも腹が減っているらしい。皿を持って待機し急かす。
「俺はソッチでも良いんだぜ?」
「中は生だよ」
ダミヤンは生肉も行けるようだがお腹壊しても困るので止めておく。
「私は美味しい所をたっぷり、ね?」
「口に合えば良いがな」
ヘンプシャーが可愛らしい顔してやがる。そこ迄して食いたいか。食わすけどさ。
「そこ、もう焼けてますよ。早く切らないと私が切りますよ?」
「刃物洗ってないだろ?」
得物を光らせディワダが竈を覗き込む。お腹壊しちゃうからダメだってば。落ち着け。ステイ。
「カケル、俺は後で良い。だから彼らには、沢山食べさせてやってくれ」
「貧乏な家の親かっ、皆ちゃんと食わすからっ」
ムームードは良い貴族だな。だが裏の意味は、早く食いたい、だ。
薄ソーサーが焼き終わり、スープの配膳が整って、ケバブが細くなると、皆の皿に削いだ肉を盛ってやる。山盛りに盛られた薄肉に、皆が感嘆の声を漏らした。
「翔、手から肉を出す魔法みてぇだな」
「それは攻撃魔法なのか?まだまだあるから後は各自食ってくれ」
「「「おおおっ」」」
空鍋に残った削ぎ切りを流し込み、後は好きに食ってくれ。俺も席に着いて頂きます。
先ずはそのまま、薄切りにされた肉を頬張ると、塩味と、香辛料の効いた肉の味。ミンチの柔らかさの中に肉の歯応えがあって歯応え好きにも納得されそうだ。薄ソーサーに乗せて丸めて齧り付く。生野菜が欲しくなるが、美味いな。スープの具と一緒に食べる。
皆、無言で肉を口に運び、皿を開けるとお代わりに立つ。素潜りに体力を使った女子達も負けずに席を立つ。皆の口に合って良かったぜ。棒に残った細いのにも自分達の得物を使って食っている。ダメだって言ったのに、腹壊しても知らんぞ?
食事の片付けを終えて女達が風呂に向かう。風呂に入らん男共は畔の近くで体を拭く。入るのは弥一とムームードだけのようだ。
「翔っ、兎耳が居る。後光が差してる」
「後ろで明かり照らしてるだけだろ。ちょっと行って来る」
ぶち姉妹が対岸の畔で手を振っている。何かの儀式で無ければ俺に用があるのだろう。ぶち達の所へ飛んで行く。
「知らない食べ物と聞いて」
「美味しい物食べたと聞いて」
「「教えるべきです」」
街に帰ってからでも良くないか?だが兎達の誘いを断る事も出来ん。二人にペニスケを握られて、セカンドハウスに連れて行かれた。
「お風呂にします?」
「お風呂でします?」
「「何処でも良いです」」
「じゃあ、風呂で」
料理の件は建前か。階段を降りて、装備を仕舞うとぶち姉妹も服を脱ぐ。仕事モードで抑えられていた性欲がムクムクと、ガチガチのアイツに滾ってく。
「お前さん、ビクビクしてる」「久しぶりに見たけど、凄いわね」
その場でしたいのを堪えて浴槽へ向かうと友恋フレンズの四人が揃って湯に浸かってた。
「カケルさん、早く早くー」「旦那ぁ~」
「落ち着くのです」「静まれ野獣共」
アイツを握々ぶち達が言う。
「俺も久々だからな。けどあまり時間無くて悪いな」
「「施設へ行くです」」
そうでした。
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