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舐め過ぎ

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「奴等、女達を苗床にしてたんだよな?」

「苗床!?モンスター共とやってる事一緒じゃないすか」

 苗床と聞いて、皆が怒りを顕にする。

「孕ませるかどうかは置いといて、性欲の捌け口にしてたんだろうな」

「俺達だって我慢してんのに…」「ああっ!」

「俺達、殺して良かったんだなっ」「ああっ!」

「そうだ。俺達は金の為、食う為に魔物や賊を殺す。だがその金は誰かが被害を受けたからこそ発生する物なんだ」

「そっすよね…」「もう、躊躇してられませんね」

「で、翔。その女達にナニしたんだ?孕んだのを堕ろすって、言ってたよな」

「スキルで卵を溶かした」

「で、今何処に?」

「俺の施設に預けてあるよ。女しか居ないから休ませるのに丁度良いしな」

「ふ~ん…。で、ヤったのか?」

「そこが核心か」

「ヤ、ヤったんすか?」「何人と?」「おっ、胸はあったのでしょうか…」「はぁ、はぁ…」

「……ヤったぜ?」

「「「おおお…」」」

男が恐怖の対象にならないよう、心のケアをする目的で快楽を思い出させたと説明したが、男共は前屈みや体育座りになって目を血走らせていた。

「メルタールで回収した戦利品を分けるから、娼館行って来い」

「「「ぅおうっ!」」」

「金、足りなかったら、奢れよ?」

「「「お願いしますっ!!」」」

嫌だ。

 メルタールに着いたのは夕方で、先ずは各々宿の手配をしに行った。俺とダミヤンは寝る宛があるのでギルドへ向かう。野盗の塒で回収した色々を換金し、討伐の報告をする為だ。

「…で、女は其方で匿っている、と?」

メルタールのギルマスは青い髪と髭の男。服を着ているのでマッチョかどうかは分からんが、女達を匿っていると聞いて訝しげな視線をくれる。

「怪我や病に、男にも犯されてもいたからな。洗って癒して飯やったりしているよ」

「何処に?どうやって?」

「冒険者の秘密だ。お前冒険者上がりじゃ無いのか?」

「カケル、止めておけ。マスターも遠慮しろ」

「んん、捜索願いが出てるかを確認する。連れて来てくれ」

「なら先に回収品を見積もってもらおうか」

「女達が先だ」

「品物の検品の方が時間掛かるし俺が持ってんだよ。品出ししてる間に捜索願いの資料持って来させろ」

「舐めた口聞くと「殺すぞ?」うぐっ「止めろ!」」

舐めた口を聞くギルマスに《威圧》を込めると、ダミヤンが慌てて間に割って入った。

「マスターは冒険者を舐め過ぎだっ!カケルもホイホイ喧嘩を買うなっ!」

「ぐふっ…ダミヤンが居て良かったな」

「そっくりそのまま返すぜ?」

「カケルっ!」

「ちっ、反省してまーす。んで、どっちを先に処理すんだ?」

「品物で良い。場所を変えるぞっ」

ギルマスが折れて部屋を変える。部屋を出て、階段を降りて、着いたのは解体場だ。

「そこに全部出せ」

「資料持って来い」

「ちっ、そこのお前っ!」

ギルマスが職員に当たり散らすのを無視して回収品を全部出す。テーブルに乗り切らない分は床に起き、山になる。

「そんなに入るのか!?お前のマジックボックスは!」

流石に舐め過ぎだろうと思う。Aランクで無くても持ってる奴は居る。今回の付き添いは収納量は知らんが全員持っている。何で手ぶらの俺が持ってないと思うのか。付き添い全員が分担して持つとして、何故二人だけで此処に来たのか。俺一人だけBランク、力を宛にして無いならば、そっちの力があると予想出来無いのか。

「全部出したぞ。女達を連れて来るからお前の部屋で待っとれ」

「なっ」

返事を待たずに《転移》した。

 女達を着替えさせ、メルタールのギルマス室に《転移》すると、社長机に掛けていたギルマスが腰を抜かした。

「戻ったぞ。何してんだ?」

「お前が突然消えたり出たりするからだっ」

「戻るのが早いと思ってな。部屋に来て直ぐだったから驚いただけだ。で、其奴等が捕まってた女達か」

女達は固まって、俺の後ろに隠れていた。
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