1,154 / 1,519
中はダメっ
しおりを挟む「お帰りなさいませ。仕事は終わりですか?」
「只今テイカ。メルタールに着いたから一時帰宅だよ」
島に《転移》し新居に向かうとテイカが待ち受け匂いを嗅ぐ…今日は誰も抱いてないぞ?
「女の匂いはしますが…」
「今から付け…って、在らぬ疑いを掛けられそうだ。とにかく入ろう」
「残念です」
「「「カーーケルーー」」」
居間に上がるとイゼッタ、ネーヴェ、カラクレナイに飛び掛かられて肺から空気が抜ける。
「うげ…、た、只今。明日には戻るからお土産は明日な?」
「カケルが、お土産」
顔をグリグリ擦り付け、マーキングするイゼッタを撫で付ける。
「一緒に寝るのーっ!」
抱き着く圧に《強化》を掛ける。肋骨がヤバい。
「魔力で良い」
背後から、ちゅーーっと魔力を吸い取られ、回復しながら寝室へと移動して、皆と寝た。勿論寝られる筈も無く、何本も生やしたアイツが女達の性欲を満たし、溜まった子種を吐き出し続けた。
結果、寝たのは風呂場の二階。
女達の朝食を持ってメルタールへ向かうと、まだ早朝と言うのに小型UFOの下は見物人がチラホラ集まっている。衛兵も居るな。構わず空に上がり、《結界》を解いてハッチをノックする。
「カケルだ。皆起きろー、飯持って来たぞー」
「まっ、待って!今開けるからっ」
慌ただしい声が上がり、待つ事暫し。バタバタ感のある音が止むとハッチが開かれた。
「お、遅かったじゃない」
冷静を装うヘンプシャーは怪しさ満載だ。
「飯食ったらギルドに行くんだろ?中に入るぞ」
「中はダメっ」
「何でよ?」
中に入ろうとする俺を大の字になって遮るヘンプシャー。
「女の部屋に立ち入ろうなんて、そうは行か「《消臭》これで良かろ」だっ、ダメっ」
焦るヘンプシャーを浮かせ、推して参る。
「…野盗に襲われたのか?」
「いえっ、コレは…」「直ぐに片付けますからっ」
大した荷物を持ってなかったと思うのだが、何故か船内は脱ぎ散らした服やら食べ物のゴミ、畳む事無く丸められた雑木シーツが散らばっていた。
一先ず全部《収納》し、所有者のある物を端に追いやった。
「とにかく飯だ。配膳しろ」
「「「はいっ」」」
テーブル等を出してやり、飯を食わせて片付ける。俺はお前等の母ちゃんじゃ無いんだぞ?
女達を連れてギルドに着くと、受付嬢に下へ行くよう告げられて、地下へと続く階段を降りる。訓練場のような空間には、既に付き添い達が揃っており、お手頃価格達も大体揃っているようだった。
「カケルと、ヘンプシャーで最後か」
「翔、やったか!?」
「やったぜ」「やってないわよ!」
「どっちなんだい!?」
「お前等静まれ。剥ぎ取りの報酬を分けるぞー!」
各組の付き添いに渡された金はしっかり等分してあるようだ。
「翔、どれだけ稼げた?」
「んー、三万六千ヤンだから…、ごしち……一人七千二百ヤンだな」
「そんなモンか」
「三十人で割ればそうなるわな。一人で殺れればミスリル二枚程って感じだし、中々稼げたんじゃないか?」
それぞれの付き添いがお手頃価格達に金を分ける。皆の顔は一喜一憂と言った感じだ。
「安宿からは出られないっすね」
「あるだけ有難いさ。少しなら飲めるし」
「スリに遭う前に預けるなり、取られない場所に仕舞っておけよ」
「「「おう」」」
金の分配が終わると、皆適当に階段を上がって行く。昨日宿が取れなかった運の良い者達は早めのチェックインに向かい、運悪く安宿に泊まった者等は街や近辺を彷徨きに行くとガヤの中から聞こえて来た。
「翔、ちょっと良いか?」
「何ぞ?」
「一狩り行こうぜ」
「パパパ~?」
俺はお土産を買いたいんだが、弥一は一狩り行こうと誘う。
「スキルの使い勝手を知りたくてな」
冒険者は、基本他人に自分の能力を晒さない。弥一もそれを理解しているのだろう。
「依頼は受けられんぞ?」
「常設しか出来んし、ブフリムとゴーラくらいしか殺れんよ」
ならばと言う事で外に出る。俺達が入って来た門を東へ曲がり、森の中に進んでく。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる