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羨まし気な目

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「皆、産婆達が来たよー」

 部屋に入って妊婦に告げる。皆寛げてるようで何よりだ。

「ん、知ってる匂い」「以前見ましたねぇ」

ネーヴェとリュネは覚えてるみたいだな。ラビアン達は初めて見るからペコりと頭を下げている。

「我等四人、子を産み落とすのは初めてだ。よろしくしてくれ」

「私は卵しか無いしな」

「…卵?まあ良いさね。破水があるまでゆっくりして居てくださいな。出産が始まったらあたしらの指示に従っとくれ?」

「主様よ、我等に何かさせるのか?」

「産み方を教えてくれるんだよ」

「そうさ。姫様達の時と一緒さ。一人目でも二人目でも、あたし等がしっかり手伝うから、安心しておくれよ?」

「はぁ~い。初めてでぇす」

妊婦を交えて打ち合わせをして、その日は帰って行った。明日の朝から泊まりで待機すると言う。

「ママ、怖くない?平気なの?」

「ママはちっとも怖くないですよぉ~」

「母は私だ。不安だが楽しみでもある。早く弟妹を見せてやりたいぞ?」

「カララも楽しみなの!」

産婆が帰り、カラクレナイや兎女子が集まって、食事が出来る迄の間妊婦達と語らう。今迄気にして無かったカラクレナイだが、いざ産まれるとなると心配になるのだろう。健気で可愛く、そして可愛い。

「お待たせしましたー」

「待ってないよ」

居住区と施設で時間の進みが違うから、語らいの時間は直ぐに終わってしまった。しかし子供達も一緒に食べるみたいで追加の料理を取りに行った。俺達は別室で食べる。

「皆離乳食がメインになったのな」

「ああ。お乳やってた時より時間が掛かる事もあるねえ」

「シンクはキレイに食べるのですけどね。乳離れも早かったですし、個人差でしょうか?」

「お腹の中に長く居ると、その手の成長も早いのかも知れないな。ご褒美に甘い飲み物をあげよう。皆にもだけどな」

「いえあ~」

「喜んでるな。言葉が解るのか」

「甘い、に反応してんじゃないか?」

幼児達の食事をしながら大人も食べる。スープは薄味で物足りないが、豆乳で煮たソーサーは普通に美味い。シンクレイア、羨まし気な目で焼肉を見るな。
食ったら出る。前後から、食べた分以上にもりもりと。零れないように風呂に連れてき、脱がせて洗って湯に浸ける。部屋に戻る頃には夢の世界へ旅立っていた。

『恥ずかしいから、今度こそおトイレで…』

旅立つシンクレイアの心の一句が《念話》で飛んで来た。お休み。

子供が終わると次は大人の番。交代で長湯を楽しみながら、湯冷ましにアイツを咥え込む。カロにタマリー、アルネスもだが、夜の部を切望する者は多いと言う。

「リュネ達の出産が終わったら、夜の部含めて営業再開しよう」

「期待、してるよっ」

「若い女冒険者が、噂を聞き付けあっ、集まって来てますっ」

「私はともかく、奥様には、お慈悲をっおおおっ!」

「もっと島に来いっ!リュネ達の次はシャリー達の番だから、アルネスにもっ、孕んでっもらうぞ!んっ!んっ!!」

三人の中にドクドクと流し込む。早く孕ませたいぜ…。


 翌日、食事を終える頃にエージャと産婆達がやって来た。道すがら合流したのだと。

「皆は施設の湯には来た事無かったろ?まだ時間には余裕もあるだろうし、入ってってくれ。洗濯の魔道具、洗濯機もあるからラビアンに使い方を聞いて使ってくれ」

産婆の婆ちゃんはともかくとして、連れの女達には婆ちゃんの孫で若い子からそこそこ若い者も居る。今迄施設に来なかったのは、これ以外の仕事を持ってて忙しかったからだそうだ。只飯に只風呂を楽しんでってくれ。

「カケル様…」

「エージャは泊まって行くんだろ?」

「はい…」

こっそりお股にプルプルを仕込むと可愛らしく微笑んだ。ギャップに萌えてしまう。

 休みとなると暇である。とは言え外に出て云々…とは出来無い。地球に行くにもまだ六日経っただけだし、後二日は進展無いだろうな。




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