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戦意喪失

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 島の皆に説明し、準備等して翌日。朝食食べてお茶しているとフル装備の女達がやって来た。

「カケルさーん、来たよー」

「此処に来るのも久しぶりだね」

「お、お邪魔します、です」

「皆さんお久しぶりです。今日から少しだけお借りしますね」

「ん、しっかり守って」

イゼッタ曰く、俺は守られる立場らしい。友恋フレンズの四人と共に転移門を潜り、小島の国へと移動した。

「うわ、あっつ~…。バルタリンドより暑いじゃん…」

「少し暖かいかも?」「そうね」

「あ、海ある。泳げる?」

「キキラにはちとキツいか。泳げるが、長居するとキキラがバテちまうし、とっととダンジョンに潜ってしまおう」

「あ~い」「助かるよぉ」

海に接岸しっ放しだったUFOに乗り込んで空に上がる。

「ねえ旦那。装備脱いで良い?」

「したくなったのか?」

「暑いのっ」

UFOを洗う序にキキラも冷やしてやろう。装備を外したキキラをUFOと共に《洗浄》すると、少しは冷えたようで吐息を漏らした。

「お前さん、お風呂取っちゃったんだね」

「人を乗せた時狭くなったんでな。それにあまり使わないし」

「そか」

「したくなったのか?」

「うん…」

「する暇も無いくらい直ぐに着くからまた後でな。けど俺もしたい。夜になったら一杯しような?」

「うん」

 皆との会話もそこそこに、ダンジョン都市にやって来た。UFOを横付けしても驚かれない貴重な街である。
ギルドで事務処理をしたら急いでダンジョンへと向かう。モコモコのキキラがしっとりしてしまうからだ。受付けして、ダンジョンに潜り直射日光から逃れたキキラが一息着いた。

「やっぱ地下が良いねぇ」

「暗いのが良いの?」

「オレとキー坊は地下都市の生まれだからね。それに寒い国だから暑いのは苦手なんだ」

「寒いのもヤだけどさ。地下は温度が一定なんだよ」

「へー」「鉱山都市なのよね?」

「そ。今度旦那に連れてってもらおうぜ」

お喋りしながら奥へと進み、雑魚を蹴散らし階段へ。十階のボスは彼女等だけでも余裕だな。腹が減る迄どんどん行こう。

 道程は一直線で行けたがちょこちょこと戦闘があって時間が嵩み、今夜の寝床は三十一階の階段部屋となった。

「うう、嫌なモノを見たわ…」

「カケルさ~ん、ボス前で飯にしたら良かったんじゃなう?」

「それさ、食べたの出ちゃうよ…。鼻もげそ…」

「姿がちゃんと見えてるだけまだ良いよ。真っ暗だともっとヤバいよ?」

肉のこびり付いたスケルトンの群れを普通に倒す事になったのだが、敵が湧き出して直ぐに女達が戦意喪失した。真面に動けてたのはキキラだけ。ワーリンは臭いに殺られ、友恋は容姿に殺られていた。

「アンデッドってそんなに見ないモノか?」

「見ない!見たくない!」

「実体の無い種類は魔法も効き難いですから、遭おうものなら即逃げですよ」

「オレは、臭いさえ無けりゃ殺れるけど…彼奴等は無理…くちゃい…」

「私はワンコよりは平気だったね。見た瞬間に息詰めてたし」

「長引いてたら危なかったのか」

食欲は湧かないだろうが食わねば回復しないから、野菜多めのスープと薄ソーサーを焼いてもらう。その間に俺は風呂を作ってやった。

「女心が分かってるからカケルさん好き!」

「毛に臭いが移ってそうだったから助かるよ」

「強くて優しいとか、発情しそ」

「ご飯の前にお風呂入ろ?ね?」

好感度が鰻登りだ。先に風呂に入らせると、焼けた薄ソーサーとスープを《収納》し、女達が脱いだ服を《洗浄》する。

「モテるよねー」「そうよねー」

「優しいよねー」「だね~」

「俺も入って良いか?」

「「「「早く早くー」」」」

イチャイチャヌプヌプ。夕飯の時間は大分過ぎてしまったが、回復して焼肉も食べられるようになったので良かった。
勿論食後も寝る迄致した。キキラのモコモコおっぱいを枕にしたら背中にワーリンが抱き着いて来て少し寝苦しかった。

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