914 / 1,519
肯定の意思
しおりを挟むまだ部屋に入っても無いのに、光魔法を放たれた訳か…。そして両サイドから刺し込まれる二本の刃。人程度の力では《結界》を壊す事なぞ出来んよ。
「そうか、そうか、つまりお前等はそんな奴等なんだな」
初心者殺し。此奴等はそう言う事もする冒険者だったのだろう。今では時間の止まった暗い空間に、全裸で漂っているに違い無い。リュネの《洗脳》を受けていても指示次第では他人に危害を及ぼすのは奴隷とは違う点だな。勉強になった。
光が収まり、やけに暗く見える室内に入って行くと直ぐに、鳥籠みたいな籠に入った小さな光が震えていた。何となくだが、直感でファンタジー生物だろうと思った。
『閉じ込められてるの?』
《念話》で話し掛けてみる。
(肯定)
思念に近い感覚だ。会話は成り立たなそうだが、意思は感じ取る事が出来るようだ。
『外に出そうか?』
(肯定)
出たいらしい。籠の天井を出られる分だけ《収納》すると、パキッと何かが弾けるような音がした。これは知ってる。結界だ。光の粒は、瞬く間に外に出て、ビュンビュン室内を飛び回ってる。嬉しいのか、出口を探してるのかは分からない。分かるのは光速では無いって事だけだ。
部屋の中は、籠とコイツしか居ない。となると、あのパーティーが部屋を掃除し、籠を置いて外で待ちながら一稼ぎし、運の無い冒険者から副収入を得ると言うシステムだったのだろうか。
『外に行くよ。付いておいで』
(肯定)
もっと深く迄行きたかったが迷子を連れて潜る事は出来無いので来た道を戻る。光の粒は俺の周りをクルクルと飛び回り、光源が安定しないので目に悪い。目を瞑り、《感知》を使って飛んでった。
外に出て、シャバの空気が美味い。時間は昼頃だろうか、陽が真上の方にある。ずっとクルクル回ってた光の粒は、外に出ると同時に見えなくなった。外の方が明るいから見え難くなってるみたい。《感知》にはちゃんとクルクル回ってるのが見えている。律儀な奴め。
『外に着いたよ。自分の住処にお帰り』
(肯定)
ゆっくりと、空の彼方に消えて行く光の粒は、結局肯定の意思しか示さなかった。俺が否定させるような事を言わなかったからではあるが、素直な良い子なのだろう。
再びダンジョンに潜るかを考えて、昼飯を食ってからにしようと思った。暗くて時間感覚の狂うダンジョンだ。律儀に朝から行く事は無いのだ。何なら夜から入っても問題無いだろう。
とは言え飯屋はやって無いので貴族の家で食べ物を分けてもらう事にした。
軽い食事を摂って、主寝室のベッドで仮眠する。メイドや貴族の女達が周りでぺろぺろしているが、好きにやらせておこう。
寝て起きて、女が全裸で跨って居る。揺れるおっぱいが絶景である。
「お、お目覚めっ、ですか!?ぁあっ止まらないいいっ!」
「止まらないなら、仕方無いな。気持ち良くしてくれ」
「あはっ、はああああいいっ!」
喘ぎ混じりの返事をし、女は腰を揺らす。周りを見やるとメイドが居るし、この女は貴族のようだな。
貴族の女を悦ばせ、メイドもたっぷり中出しし、結局夕飯も食べる事になった。食べてる物は外の炊き出しと変わらない。変わっているのは女達がアイツを咥えたまま離してくれず、ベッドの上で腰を振りながら食事していると言う事だけだ。
夜になると男共は男の巣で眠る。そして男女の性交を禁じている。だからなのか、女達の性欲が凄く高まっているのが分かる。夜更かしして全員を悦ばせ、ダンジョンに行くのは翌朝となった。
ダンジョンに朝入るのは理に適っていたのだな。
急いでる訳では無いのだが、あまり遅くなると皆が心配するので地下二十階迄急いで向かう。昨日みたいな奴等も居らず、一番乗りでボス部屋に入ると、魔法陣から敵が出て来る。出て来る前から脳味噌スカスカにして煙にし、ドロップを回収して階段を降りた。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
怠惰生活希望の第六王子~悪徳領主を目指してるのに、なぜか名君呼ばわりされているんですが~
服田 晃和
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた男──久岡達夫は、同僚の尻拭いによる三十連勤に体が耐え切れず、その短い人生を過労死という形で終えることとなった。
最悪な人生を送った彼に、神が与えてくれた二度目の人生。
今度は自由気ままな生活をしようと決意するも、彼が生まれ変わった先は一国の第六王子──アルス・ドステニアだった。当初は魔法と剣のファンタジー世界に転生した事に興奮し、何でも思い通りに出来る王子という立場も気に入っていた。
しかし年が経つにつれて、激化していく兄達の跡目争いに巻き込まれそうになる。
どうにか政戦から逃れようにも、王子という立場がそれを許さない。
また俺は辛い人生を送る羽目になるのかと頭を抱えた時、アルスの頭に一つの名案が思い浮かんだのだ。
『使えない存在になれば良いのだ。兄様達から邪魔者だと思われるようなそんな存在になろう!』
こうしてアルスは一つの存在を目指すことにした。兄達からだけではなく国民からも嫌われる存在。
『ちょい悪徳領主』になってやると。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる