894 / 1,519
早く帰って来た
しおりを挟む変わって、大移動の原因についてだが、暗部ではどうやら人に拠る物らしいと結論付けた。これについては鋭意調査中との事だが、隣国が自然災害に扮して国力を落としに来ていると言う線が有力らしい。確たる証拠が揃ったら賠償だ何だと悶着するようだが取り敢えず冒険者は手出しすべきでは無い問題だ。
問題なのはアルア拉致の主犯。これも隣国であると言う。ママ様のおかげで見事失敗し、主犯グループは隣国側が処分、末端は暗部が仕事したそうだ。
標的にはハークも含まれており、これも国力を落とす策略の一環であったようだ。王は老害だし、新しい子が産まれなければ分家筋…御家騒動待った無しだな。それなのに国は無言を貫く。まだ孕ませられるとでも思って居るのだろうか?トカゲのちんぽ、食うのかな?
気になって聞いてみた俺から奪ったトカゲの処遇だが、肉は王が食うのと貴族への下賜に使い、その他の部位は加工して保管されていると言う。勿論ちんぽも保管され、いざと言う日の為大事に取ってあるのだと。
報告が終わり、腹が減る。多分だが、外はまだ朝だ。島の食堂はご飯終わっちゃったし、お前と貴様も顔には出さぬが腹減りだろう。外に出て飯を食いに行く事にした。
「そっちは貴族街だろ?」
お前と貴様に付いて行くと、ギルドとは反対側に進んで行った。
「はい。ハーク様の屋敷にて食べようかと」
「屋敷の場所は分かると思いますが、《隠密》を使いますので目を離さず付いて来てください」
気兼ね無く食べられるとは思うが、帰りが遅くなりそうだよなぁ。
「お前等のは《隠密》スキルだったのか」
「カケル様のは違いましたか」
「俺のは《阻害》だな」
「《認識阻害》ですか…。隠れるのと、見え辛くするとの違いですね」
「そろそろ隠れます」
二人が木の影に隠れると、スッと壁に飛び上がる。これは目視では見付け難い。俺は《阻害》を掛けて空に上がった。
上から見ても、二人の動向は目視では見辛い。魔力視や《感知》でなら分かるんだがな。ゆっくりと付いて行き、ハーク邸の裏手に回ると裏口の木戸をリズミカルにノックする。そして上から侵入した。俺も着地しよう。
「カケル様、不用意に動かぬようお願いします」
「罠がありますから」
ハークやブルランさんが居ない時は罠を張って戦力不足を補うんだって。確かに対人用の罠があるな。浮いてるので足元の罠には引っ掛からんが、用心して進んで勝手口から侵入を果たした。
メイド達と挨拶を交わし、食事を頂きヤリ部屋に帰る。早く帰って来たのには訳があり…、
「カケル様、先発が到着しました」
「此処がカケル様の…」「失礼ですよ?」「よろしくお願いします」
こっちでヤった方が長く楽しめるからだ。腹が減るが其方も抜かり無く、メイドに食料を持って来てもらった。
先発達とのお楽しみが終わり、食事作りが始まると、示し合わせたかのように次発組がやって来る。俺は《洗浄》したベッドで横になり、三人のメイドから奉仕を受けた。
後発組の三人に、たっぷりと子種を注いで三度目の朝食を摂っていると、一度目の朝食を終えたネーヴェ達が部屋に来た。
「カケル様、ご飯だったの?」
「此処に居ると腹が減るからな」
抱き着いて来るラッテの手は仕舞い忘れたアイツを撫でている。
「皆で遊ぶんだろ?」
「そうだけど、カケル様も来てよ。ね?」
ティータも俺ににじり寄り、お強請り目線を投げ掛ける。
「ネーヴェ、良いのか?」
「ん」
良いらしい。暇ではあるので付いて行く事にした。
メイド達に別れを告げ、全員ヤリ部屋を出る。メイド達は貴族街へ、俺達は大通りへ。そして暗部は姿を消した。
「テッチーの家に行くのか?」
「んーん、今日はお外なの」
体の良い護衛って事か。まあネーヴェが居るのでそれも無いがな。
門を出て、街道を行く。橋までは半家畜のゾーイと小物しか居ない。平和な散歩である。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
実の妹が前世の嫁だったらしいのだが(困惑)
七三 一二十
ファンタジー
ある朝、俺は突然、前世で異世界の勇者だったことを思い出した。
勇者には聖女の恋人がいた。たおやかで美しい彼女の面影を思い浮かべるほど、現世でもみかけた気がしてくる俺。
頭を抱えているとドタドタ足音をたてて、妹が部屋に駆け込んできた。
「にいちゃんっ!」
翡翠色の瞳に輝くような金髪、これまで意識しなかったけど超整った顔立ち…俺の懸念は的中した。妹は前世の恋人、”光の聖女”の転生体だったのだ。しかも俺と同時に、前世の記憶を取り戻していた。
気まずさに懊悩する俺をよそに、アホアホな妹は躊躇なく俺にキスを迫ってくる!
「せっかく記憶が戻ったんだから、ちいさいこと気にするのはなしにしよーよ。ギブミーキース、ギブミーキース…」
「戦後か!」
前世の恋人兼聖女の妹から、元勇者な俺は貞節とモラルと世間体を守れるのだろうか…というか記憶が戻った途端、妹が可愛くみえてしょうがねーな、ちくしょー!(血涙)
※不定期更新となります。どうかご了承のほどを。
※本作は小説家になろう様にも掲載しております。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第二章シャーカ王国編
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?
アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。
どんなスキルかというと…?
本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。
パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。
だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。
テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。
勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。
そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。
ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。
テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を…
8月5日0:30…
HOTランキング3位に浮上しました。
8月5日5:00…
HOTランキング2位になりました!
8月5日13:00…
HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ )
皆様の応援のおかげです(つД`)ノ
無属性魔法って地味ですか? 「派手さがない」と見捨てられた少年は最果ての領地で自由に暮らす
鈴木竜一
ファンタジー
《本作のコミカライズ企画が進行中! 詳細はもうしばらくお待ちください!》
社畜リーマンの俺は、歩道橋から転げ落ちて意識を失い、気がつくとアインレット家の末っ子でロイスという少年に転生していた。アルヴァロ王国魔法兵団の幹部を務めてきた名門アインレット家――だが、それも過去の栄光。今は爵位剥奪寸前まで落ちぶれてしまっていた。そんなアインレット家だが、兄が炎属性の、姉が水属性の優れた魔法使いになれる資質を持っていることが発覚し、両親は大喜び。これで再興できると喜ぶのだが、末っ子の俺は無属性魔法という地味で見栄えのしない属性であると診断されてしまい、その結果、父は政略結婚を画策し、俺の人生を自身の野望のために利用しようと目論む。
このまま利用され続けてたまるか、と思う俺は父のあてがった婚約者と信頼関係を築き、さらにそれまで見向きもしなかった自分の持つ無属性魔法を極め、父を言いくるめて辺境の地を領主として任命してもらうことに。そして、大陸の片隅にある辺境領地で、俺は万能な無属性魔法の力を駆使し、気ままな領地運営に挑む。――意気投合した、可愛い婚約者と一緒に。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる