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卵を割る

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 ママ様の言葉は続く。迷い人や偶々来てしまった者では無く、組織的にその場所を見付ける為に集まった徒党である事。龍であれば気付けていた筈なのを気付けなかった事。そして問題解決に消極的だった事を挙げて、自身と、集落の意見は間違ってはいなかったと纏めた。

「その結果、我等は郷を一つ、捨てざるを得なくなった」

「……」

人の集落を焼け野原にし、そこに住まう人々を皆殺しにしたのだ。国やギルドから調査が来るだろうし、その結果自分達の集落を探し当てられてしまっては本末転倒。それ故に、自分達の集落をも潰す結果になったのだろうと予想した。

「…だからって…、尾切りに角切りなんて、あんまりよ…」

「本来ならば、その場で解体であったよ」

「え?」

「我の、出来うる限りの譲歩を以て尾と角で済ませたのだ」

「何よそれ!だったら一思いに解体して欲しかったわよ!」

「…自分の卵を割る親が、居てたまるか…」

「リュネ。それは困るぞ。俺がリュネと会えなくなっちまうだろう?」

リュネの背中を抱き締めて、耳元で優しく囁いた。

「カケルさぁん…」

「カケルには、本当に感謝している。娘を、助けてくれた事にな」

ママ様が俺に頭を下げる。

「それに、もう龍と交合うのは嫌なのだ…」

龍の輪姦。ママ様がリュネの減刑の為に取った譲歩がそれである。リュネの処遇を決める場に居た雄、全てと同時に交合う事が減刑の条件になったと言うのだ。父親を特定出来ぬままに産み落とされ、孵化した子は青い龍であった。そう、坊やだ。
血を大事にする龍の中で、血統不明は低魔力以上にモテなくなるそうで、少なくとも輪姦に参加した龍の血族とは一代二代の間では結ばれる事は無い。

「親子で罪を償ったんだな」

「母よ、我は聞いておらんぞ!?」

「言えるか馬鹿者」

「私は、何となくだが察していた…。発情が同じになるなんて珍しいと思ったが、時間を弄ったのか」

龍の長い長い発情迄の時間、どれ程籠り続けて居たのかなんて想像も付かん。

「母さんまで…そんな事になってたなんて…、私、知らなくて…」

リュネとママ様は互いに謝罪し、一先ず解散となった。今はリュネの部屋で抱き合いながら横になってる。

「仲直り、出来て良かったな」

「良くなんて、ありません…」

結局、俺とママ様が子を成す事が決定したのだ。ヤキモチ焼きのリュネは面白くないだろう。

「リュネ達の赤ちゃんが産まれてからな?」

「そうしてくださいっ。さ、おっぱい吸って!」

命令のままにおっぱいへ吸い付くのだった。


 翌日になり、昼食後のお茶を啜っていると、ネーヴェが客を連れて来た。テッチー姉妹にティータ、それにお前と貴様だ。

「カケル、おきゃく」

「お帰り。昼は食べたのか?」

「まだ。みんなも食べてって」

「「「はーーーい」」」

お客はお前と貴様のようだ。ネーヴェは女児達を引き連れて厨房に食べ物を強請りに行ってしまった。

「お前等飯は?」

「問題ありません」「ご報告があります」

「取り敢えず場所を変えよう」

「「御意に」」

 ヤリ部屋に着いて、先ずはセックスだ。片方の報告を聞きながらもう一方を犯すのを繰り返し、報告の後は二人同時に楽しませた。
旧王都の兵隊が壊滅した事で、国のダンジョン探索は延期となった。規模を縮小し、練度を上げて再挑戦するのだとか。その代わり、少数の兵で冒険者の真似事をすると言う。冒険者ギルドはこれに対し協力はしない方針で、各ギルドもそれに倣って技術や物品の提供は行わない方針だそうな。
そりゃそうだ。ドロップ取りっ放しで民に流さない癖に協力しろもクソもない。商業ギルドなんて俺が均した更地の一部を無償貸与させられて、ギルド撤退のカードを切った程に怒っているらしい。

 王妃と、貴族の婦人を主とするその派閥は、少しずつハークを擁する準備を始めていると言う。元よりハーク派も多く、王妃が其方に寄り添った形だが、表向きは何も見せてはいないそうだ。急に意志を変えれば何かあると勘繰る者も居るだろうし、暗殺される危険だってある。美人には死んでもらいたくない。



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