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此処が何処か分からない
しおりを挟む玄関先迄降りて来たテッチーとラッテがネーヴェ達の手を取って家に上げようとするのを止める事が出来無かった俺は、女子達に軽く挨拶をしてその場を後にする。あんなに俺に付いて来るって言ってたカラクレナイも二人を見て遊ぶって言い出したし…、あ、俺泣きそう…、上を向いて歩こう。
ギルドにも寄らず、門を潜って外に出て、直ぐに空へと飛び上がる。
「うぉぉおおおおーっ!!ゴーレムは何処じゃあぁあああっ!!」
重ね掛けした《感知》を使い、ゴーレムをピンポイントでサーチする。広範囲を条件を絞る事で探し易くしたつもりだが、どうやらこの辺りには居なそうだ。かなりの広範囲だが人の住む近くには居ないようだな。ノーズコーンに乗り込んで、西へ西へと移動しながら索敵した。
一オコンかそこら経っただろうか。いつの間にか海を越えていて、対岸が《感知》の範囲に入って来た。一周して大陸の反対側に着いたのかと思ったが、どうやらデカい島のようだ。俺達が住んでる島よりもかなり切り立った断崖で、人の侵入を阻んでいる。《感知》で見ても人の姿は無く、居るのは鳥と虫程度の物だ。龍が居たら困るので念入りに見たので間違い無い。
そしてそこにはダンジョンで見たのと同じようなゴーレムの反応があった。女型とかじゃ無い方だぞ?
「人は居ないのにゴーレムが居る…?」
元々文明でもあったのだろうか?リュネは遺跡とかに居るって言ってたし、遺跡があるのかも知れない。島に降りて行くと、木々の間から浸食か何かで出来た穴があり、海と繋がっているのが見えた。何か映画で見たような感じだな。こっちは寒いけど。
細かいゴロタ場になってる海岸に降り立つ。これはこれで隠れ家みたいで良いかも?海岸は浅く、俺を食う程の魚は入って来られないみたいだし、《結界》張れば寒さも気にならなくなる。問題は俺が此処が何処か分からないってだけだな。
辺りを見渡しゴーレムや生き物を探してみるが、此処には小魚と虫しか居ないようだ。流石のゴーレムも断崖から落ちたら壊れるだろうしな。ノーズコーンを仕舞って再び飛び上がり、森の中へと入ってく。十五ハーン程度の中木と、丈の長い草。そして苔に小さな花。独自の進化ってヤツか?あまり生態系を弄らないようにしないとな。草木を踏むのも躊躇われるので浮いて参る。
ゴーレムの反応を頼りに移動すると、木と苔に侵蝕された石柱がチラホラと見られるようになった。そして動かなくなったゴーレムも。《感知》には反応しないので活動を終えているのだろう。石のような物で出来たソレを《収納》し、素材レベルに分解すると、魔力の抜けた魔石を見付けた。これがあの有名なゴーレムの核か。価値のありそうな素材は関節同士を繋ぎ止める皮みたいなの。腐ってないから皮じゃ無いのかも知れないが、取り出して見てみても皮にしか見えない。放置されっ放しも勿体無いので活用出来れば活用しよう。って事でこの二つはお持ち帰りする。
反応の無いゴーレムの残骸を探して回収、選別して戻す。そんな事を繰り返していると石造りの神殿?みたいなのが現れた。これが遺跡だな。今迄見て来たのも遺跡なのか?殆ど木や苔に覆われてて中に居るゴーレムに気付かなければ小さな山としか認識出来無かっただろう。此処からは《罠感知》も使って行こう。木と木の間にぽっかりと空いた暗い入口に向かって進んで行くと中はやっぱり真っ暗だった。《暗視》も使おう。
遺跡の中は木の根が這って居るものの、意外にキレイな印象を受ける。そして微動だにしないゴーレムが二体、奥に続く扉を護るようにして立っていた。
(門番かな…)
物質を《収納》するのは簡単だ。此処では分解だけに留めておいて、扉を調べる。…罠は無いようだ。扉を《収納》して穴を開けると、沢山のゴーレムが微動だにせず整列していた。動かれても困るのでとっとと《収納》だ。
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