846 / 1,519
鍵の無い扉
しおりを挟むその日はネーヴェが連れて来たテッチー達と遊び、帰るのを送って行った序にジョンの元へ。
「貴族街?何しに行くんだよ」
「ハークに用があってな」
貴族街への通行証やハーク家へのアポを取って貰いたかったが、まだハーク達は学園で勉学に勤しんでいると言う。
「つー事はシューンシューンズデーゲンでアポを取らにゃならんのか」
「だな。婆ちゃんに言えば許可証くらい書いてくれんだろ」
「それは有難いな」
「その代わりに根掘り葉掘り聞かれそうだがなー」
「だなー」
「カケル様、疚しい事をするのでは無いのでしょう?聞かせたら良いではありませんか」
美人なサブマスが、お茶を淹れながら問うて来る。今回も初めて見る顔だ。
「ん~。ギルマス程度に不用意に話せる内容でも無いしなぁ」
「…聞き捨てなりませんね」
「トリキアよ、まあ待てや。此奴がこう言うって事はだ。俺達が首を突っ込める話じゃあ無ぇって事だ。だよな?」
「だな。言うにしても結界張って、聞いたとしても他言無用で、更に契約してもらわんとな」
「そりゃあ穏やかじゃ無ぇな」
「政治的な話だしな」
「口は鍵の無い扉ですからね。私達は聞かない方が良いのでしょう」
「だな。んじゃ紙持って来てくれ」
取り敢えずハーク邸へのアポは取ってくれるようで、通行証を書いて先触れを出してもらえた。
トカゲの魔石があるので先触れが戻る迄の間に商談等をしていると、ノックと共に職員と、見知ったメイドが現れた。
「カケル様、お久しぶりに御座います」
「久しぶりだなネイファン」
「お話は屋敷にて伺います。外に客車を待たせておりますので、早速」
通行証は必要無くなってしまったが、ジョン達に礼を述べてギルドを出てゾーイ車に乗る。家紋が無く黒くて少し大きい客車だ。
「屋敷迄の間、どうぞお寛ぎ下さいませ」
そう言ってペニスケを外してペロりだすネイファン。そんな事をしたらカチカチのアイツが緊張してビクビクしてしまうじゃないか。力を抜き、目を瞑り、ネイファンの奉仕を堪能した。
「残念です…。到着してしまいました」
「後でな」
ギルドからハーク邸迄、そんなに離れてる訳で無し。ピュッピュ出来ずに終わってしまうのは仕方の無い事だろう。ペニスケを装着して玄関に向かうとメイド達が出迎えてくれた。
「「「いらっしゃいませ、カケル様」」」
「急な来訪で申し訳無い」
ささどうぞっと誘われて、連れられたのは浴室だ。ハークんちの風呂は浅いんだよなぁ。裸にひん剥かれてお湯を掛けられた俺が浅い浴槽に仰向けになると、後頭部には柔らかい何かが当たり、まるで枕のようだ。そしてアイツに群がるメイド達がしゃぶしゃぶレロレロ饗してくれた。
「…して、カケル様。此度は当家にどのようなご要件で?」
耳元で話し掛けられてゾクリとした。枕になってたおっぱいはネイファンだったか。
「ん?ああ。お前達の味が忘れられなくなってな。序にこの国の貨幣を俺の国でも使えるようにしよう…って話をしに来たんだ」
「転移門の先の、ですか?」
「そうだ。黒糖や干し野菜が行商に来てるだろ?今は俺達がその売上で品物を買って現物支給にしてるんだが、生活に余裕が出て来たみたいでな。信用のある貨幣で蓄財したいんだと」
「カケル様のお国は貨幣に信用が無いと?」
「貨幣自体が無い。ウラシュ島は国が亡くなってるからな。それに、貨幣は少しばかり残っているが、地金代にしかならんのだよ」
「成程…。メイドには余る話です。急ぎブルラン様にお繋ぎ致しましょう」
「急がなくて良いぞ。ハークが継いでからの話だしな」
メイド達とイチャコラし、たっぷり以て成し饗され、夕方になって帰宅した。
「お帰りなさいませ。暗部ですか?メイドですか?」
「両方だな」
職業まで分かるようになったのかテイカよ…。しっかり口封じして食堂へ移動した。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
異世界ハーレム漫遊記
けんもも
ファンタジー
ある日、突然異世界に紛れ込んだ主人公。
異世界の知識が何もないまま、最初に出会った、兎族の美少女と旅をし、成長しながら、異世界転移物のお約束、主人公のチート能力によって、これまたお約束の、ハーレム状態になりながら、転生した異世界の謎を解明していきます。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
第三王子に転生したけど、その国は滅亡直後だった
秋空碧
ファンタジー
人格の九割は、脳によって形作られているという。だが、裏を返せば、残りの一割は肉体とは別に存在することになる
この世界に輪廻転生があるとして、人が前世の記憶を持っていないのは――
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる