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地獄の苦しみ
しおりを挟むサスーンにも《抵抗》と《解毒》を掛けて、雑木を練ったロープで斬れた腕を縛り、取り敢えずの止血をして飛んで帰る。スールズは回復魔法が効いて絶賛気絶中。《感知》で診ても問題無さそうだ。風呂で体を清めて温め、甘い汁でも飲ませておいてもらおう。
問題はサスーンだ。
「サスーンよ、今から腕を生やしてやる。初めてだけど多分痛いぞ」
「お、お手柔らかに、な…」
《感知》で診ながら、血の気が引いたサスーンに《治癒》を掛ける。
「うっ、うう…」
「痛かろう」
「痛ぇよ…。それより、さ。指先が痒い…」
「気のせいだ。まだ生えてないからな」
「怖くて見れねぇよ…」
「そう言えばお前、前にやった装備はどうした?」
「あ…、アレは、後で着る…予定だった」
「カケル様、街中でアレは着られないですよ。魔装ですし」
残った手を握るカリータが答える。まあ確かにな。
一オコン程掛けただろうか。失った腕がキレイに元に戻った。血の気は戻らないので途中から気絶してしまっていたが、そっちの方が良いだろう。風呂に運んで体を洗わせる。
「カケル様、本当に助かったよ。私じゃそんな事出来ないから…」
湯に浸かり、気絶した二人の様子を見ていると、ヤーンが頭を下げる。他のメンツも口々に礼を述べていた。
「お礼ならコイツにしてくれ」
お湯の中からにょっきり出した潜望鏡に、ヤーンは直ぐに舌を這わせる。
「んちゅ、そぇは、ごほうりらよ…ん、んぷ」
「セックスする時は楽しい気持ちでしたいからな」
「カケル様、本当にありがとうございました…んちゅ」
俺の答えを待たずに唇を重ねて来たカリータ。何時にも増して積極的な舌遣いに感謝の念を感じた。お返しにお尻を揉んでやる。
「カケル様って、ホント何でも出来るんだね、感動したわ」
カリータの反対側からおっぱいを擦り付けて来るのはサンティだ。
「ん…、んちゅ。魔道具の調子はどうだ?」
「間に合わなかったよ。おかげでこのザマさ。壊すの覚悟で使えば良かったよ…」
「そうか。まぁ、数を作って試すしか無いもんな」
「じゅるっ、サンティのせいじゃ無いさ」
「そうよ。私が間に合えば守れたのだし」
「まあまあ。何にせよ今回は生き残れたんだ。次回の糧にしようぜ。ヤーン、そろそろ挿れてくれ」
「ん…。そうだね。先ずは生き残れたのを喜ぼうじゃないか。でもってたぁっぷり悦ばせて貰おうかね」
雑木マットに横になり皆を跨らせた。
サスーンとスールズは翌日?に目を覚ました。飯の時間だから多分朝、きっと翌日だろう。
「すげぇ…。手が動く…」
目覚めたサスーンは生えた手をグパグパして感触を確かめている。スールズは樹液をちびちび。大事を取って今日は水分しか摂れないそうだ。
「次からは十階のボス部屋で着替えた方が良いな」
「だな。もうやらかさないぜ」
「お肉なんて言わないから、ソーサーちょうだいよ…ねぇ?」
「だーめ。回復魔法は掛けたけど、無理すると傷が開くよ?」
怪我した二人は留守番になるそうだ。調子を確認するにしても本番でやる必要は無いからな。朝食を食べ終えると準備をし、出口迄送ってく。前衛と魔法火力が居なくなっても潜れるのはメンバーが多いパーティーの長所だな。
「旦那ぁ、暇だよぉ」「お腹に溜まるもの食べた~い」
「スールズは普通の回復魔法で治したんだからヤーンの言葉に従っとけ。地獄の苦しみらしいからな」
「ジゴクが何か分かんないけど、苦しいのは嫌ね」
「だ~んな~ぁ」
「サスーンはちんぽでも咥えてなさい」
「お、独り占め?やーりー」
「カケル様、まさかエッチもお預けなの!?」
「腹にダメージ受けてるからな。挿れるのは無しだ」
「うぐぅ…」
「その代わり甘やかしてやるからこっち来い」
対面に座るスールズを隣に座らせ肩を抱き、優しいキスを繰り返す。
「我慢出来なくなっちゃ、んん…」
スールズとイチャイチャしながら、サスーンとヌチャヌチャして過ごした。
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