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間引き
しおりを挟む二日後。俺はお供を伴ってセカンドハウスの対岸に来ている。
「俺達は狩りしてりゃいーのか?」「夕飯はゴーラか」「トカゲ食べたーい」
「俺等はこの辺りで石ころ拾ってるから、護衛と間引きをよろしくな」
お供の内の三人は少年隊だ。最近は飯の材料としてしかこの森で狩りをしてないらしく、島側から見ても多過ぎるくらいにブフリム共が増えているのだ。ちゃんと間引きしないと外に出ちゃうって事を説明すると、渋々ながら近い奴の首を撥ねて行った。話をしてる間に囲まれていたのだ。泳いで島に入って来たらどうするつもりだったんだ?
「カケル様、流石に多過ぎませんか?」
「少し減らす?」
イゼッタとシャリーは俺と一緒に石拾いすると言って付いて来たのだが、この密度での戦闘を見た事の無いシャリーはビビって俺の腰にしがみ付いている。イゼッタは範囲攻撃での殲滅を企んでいるが、少年隊が泣き言を言って来たら助けてやるって事で矛を収めた。家族内でも依頼は依頼。成功報酬にトカゲの素材を出すのだ。甘やかしてはいかん。それに死ななきゃ治せるしな。
「シトン、オレ達も行くぜ?」
「だな。カケル様、行って来るよ」
「私が居ないんだから無理しないでよね?」
お供の友恋ワーリンの内、アズは俺の護衛に専念、残る前衛二人は少年隊とは別行動で間引きする予定だ。湖畔を背にして首を刈る。
「カケル様、お茶の時間となりましたらお伝え致しますね」
「おっ、奥様、動くと揺れますっ」
最後のお供はリアとフラノノ。湖に浮かべた荷車に乗って優雅にクルーズを楽しんで居られる。久しぶりに水陸両用荷車が仕事してるな。フラーラは揺れるのが好みでは無いようで、ノーノの声は此処からだと聞こえないな。
湖畔に敷き詰められた砂利は大きくは無いが角があり、その殆どが地面の砂に埋もれてる。湖の水に浸食されて露出したのだろう。因みにだが、湖と言っては居るが水の流出入が無いので正確に言うと此処は大きな池だ。雨が降ると森と島からの流入があり、それで池の水嵩が保たれている模様。多分保水層となる地底の岩盤が厚いのだろうな。
「周りも落ち着いたみたいだし、石を拾うかね」
「うぇ~い」「良いのがあると良いですね」
イゼッタはオーバーオールなので、しゃがんで石を拾っては投げている。シャリーはメイド服の裾を捲り上げて、汚さぬように物色してる。俺はうんこ座りで石を拾ってく。
灰色な石の中に、青みがかったのや赤みがかったのが稀に落ちているのだが、その中のどれかがジェムやストーンとなる。光に翳して透けていて、切って透明感があればジェムだし、透明感が無くても切ってキレイならストーンなのだそうだ。
「カケルー、これー」
「私も見付けました。持ち上がりませんっ」
二人共見付けたようだ。走り寄って見せて来たイゼッタのは、十ドン程の青いストーンだ。グラインダーで削って確認したようで削り口からは濃い青が見えている。
「良いのが拾えたな」
「ん」
シャリーの方はと言うと、スカートを捲ってて片手しか使えないからか、砂の中から露出する石を足でゲシゲシ蹴っていた。
「出してやるから退いてみれ」
「はい。お願いします」
周りの砂毎浮かせて掘り出し《洗浄》すると、四十ドン程の長さの青いジェムが姿を現した。
「ジェムだな」
「やりました!」
光を翳すと罅が見えるので取り除くように《収納》で切ってやると、淡く青味のあるガラスのようだった。
小一オコン程の間に、イゼッタは小さくて色の濃い物を六つ厳選して採取し、シャリーは逆にデカいのを見付けては俺に掘らせていた。俺はと言うと、シャリーの手伝いをしながら探してたので赤いストーンが二つだけ。スキルを使わねばこんなモノである。だがスキル無しでデカいジェム四つも採れたシャリーは目敏いな。ハズレも沢山引いてたけど。
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*この小説は「小説家になろう」で投稿されている『二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す』とほぼ同じ物です。こちらは不定期投稿になりますが、基本的に「小説家になろう」で投稿された部分まで投稿する予定です。
また、現在カクヨム・ノベルアップ+でも活動しております。
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