773 / 1,519
帰れない
しおりを挟む「ここで終わり?」
一面に広がる海を見てイゼッタが聞いて来る。
「エージャと来た時は此処で終わりにしたんだ。さっきのボス、トカゲだったろ?あれ以上のボスなんて打ち止めだと思ったし、この下が海だと息出来無いかも知れんしな」
「なる~」
「取り敢えず、このエリアの敵は乱獲してやろう」
イゼッタを背負い、魚に食われない程度に降りてって、前回同様海水を《収縮》すると魚や海竜を追い出しながら水が一点に集まり出す。暫くすると集まった水が小さな玉になり、ビタンビタンと尾鰭を叩く魚と海竜が残った。
「結構いるね」
「此奴等も集めるから狩ってみてくれ」
「分かった」
ビチビチ跳ねてる敵共を纏めて浮かせて《収縮》を掛けると、此方に向けて飛んで来る。それをイゼッタの八つ裂き風輪が切り刻み、煙とドロップに変えて行った。水平に設置された丸鋸に当たるように獲物を集めて行くと言う簡単な作業である。敵が来なくなるまで煉瓦の床を作って昼飯を食った。
食後の水を飲み、まったりしてるとヂュイーンとした音が静かになり、煙も消えた。
「どうやら終わったようだな。魔法を消してくれ」
「あ~い」
魔法の消えた跡にはキラキラとした魔石やら魔剣魔装がドーナツ状に小山になっていた。
「魔石でっかい」
「海竜のヤツだな。此奴は金にしようとすると嫌がられるからカラクレナイ達のオヤツにしかならん」
「坊やにも持ってく?」
「それも良いな…あ、ジョンの所で買ってくれるんだった。まあ買い切れないだろうから問題無いな」
魔剣魔装は本当に売れないので《回収》したら二度と出て来る事は無いだろう。
水が消え、敵が消えたフロアはだだっ広い床が広がり、一ヶ所だけある出っ張りは下へと続く階段となっている。
「行かないの?」
「んー、八十階のボスを殺ったら戻るぞ」
「分かった」
「取り敢えず息出来なくなる可能性を考えて行こう」
湿った階段を降りて行くと、次第に水気が減って行き、下に着くと普通にダンジョンだった。気構えしてたのが拍子抜けである。
だが、待ち受けていた敵は俺史上最大の脅威とも言えた。
「イゼッタ、俺、帰れないかも知れない」
「ばか」
ダンジョンに、全裸の女が群れていた。
もう一度言う。ダンジョンに全裸の女が群れていた。蜘蛛の体も羽も無い、それでいて肌もお肉もちゃんとある女達が勝手気ままに通路の上を歩いているのだ。皆が皆長く白い髪を尻まで垂らし、逆におっぱいは大きくても張りがあり、垂れる事無く立っている。お尻も同様にぷりぷりだ。
上の階の様子を見るに、日を跨ぐと海水も魚達も湧き直すだろう。息をつめて浮上するにしても絶対食われるだろうし、水面まで上がれるかどうかも分からない。即ち此処でセックス三昧すると俺は餓死するか魚に食われて死ぬ事になる。
まあ、冗談だがな。
「敵意は無さそうだが、反応も無いな」
「カケルは反応しっ放し」
「イゼッタ、一人だけ、な?」
「ん。一人でココ来ちゃダメ。それで良いなら致して良し」
一人で来たら死ぬ迄居そうだもんな。しかしダンジョンでハニートラップに掛かるとは思いもよらなんだ。
近くを通り過ぎようとした女の前に立ち、両手でおっぱいを揉み上げる。女は歩みを止め、たわわを揉む俺の手と俺を交互に見ているが、敵意も持たず無表情、且つ無言で揉まれ続けていた。
「イゼッタの方が良い」
「やらないの?」
「やるけどさ」
ペニスケをパージして解放されたアイツを女の股に挟む。股間とおっぱいで支えられる事になった女は少しだけ足をフラつかせるが、それでも無表情で俺の体に密着していた。
「今からコイツをお前の中に挿れる」
返事が無い。屍では無い筈なのだが。少し浮かせて腿を持ち上げ、滑りを纏ったアイツの先端を女の股に擦り付ける。そしてゆっくりと沈めて行った。
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。
社則でモブ専ですが、束縛魔教主手懐けました〜悪役武侠女傑繚乱奇譚〜
はーこ
恋愛
あらすじ
【モブな幽霊が異世界転移で悪役令嬢に!?】
ある日突然、見知らぬ異世界へ飛ばされてしまった幽霊・ハヤメ。 そこは日本人にとってはまだなじみのない、武侠小説の中。
思いがけず迷い込んだ異世界から現代へ戻るためには、小説の物語を終わらせなければならない。
が、ハヤメが憑依したのは梅雪(メイシェ)という作中屈指の悪役令嬢。
さらに転移早々襲いかかってきた狼の正体が、狼(ラン)族と呼ばれる獣人の長にして、のちの黒幕となる憂炎(ユーエン)で。
絶対に死んではいけないのに、このままでは死んでしまう運命。
どうしようもないので、ラスボス言いくるめて新規エンドを開拓しよう。
と思ったら、束縛癖持ちのトンデモ魔教主だった!
『闘う女性』による電脳SF×中華ロマンスファンタジー!
**********
◆『第16回恋愛小説大賞』にエントリー中です。投票・エールお願いします!
※2022/02/21
『登場人物』にキャラクターイラストを追加しました。
※2023/01/20
『登場人物』に人物相関図を追加しました。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる