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唯の嗜好

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「ですが、お好きなのでしょう?」

 好きかどうか聞かれたら好きだ。迫られたらそりゃぁなあって気持ちもある。

「正直今は娘を見る感覚だな。天才だし可愛いけどちんぽは勃たんよ」

「可愛いですよねぇ~ぺろぺろしたいです」

「あ、そうだリュネ」

気になったので聞いてみる。

「何でしょう?」

「この姿になってな、ハークやアルアから美味そうな匂いを感じるんだ。ぺろぺろしたいとも思う。カラクレナイも俺をぺろぺろしてたし、龍は好きな者をぺろぺろしたがる習性でもあるのか?」

「唯の嗜好では?」「カケル好きー」

母を乗り越え抱き着いて来るカラクレナイを撫でてやる。ぺろぺろされてぺろぺろ返すぺろぺろ。

「んちゅ~。カラクレナイはどうしてぺろぺろするんだ?」

「カケル、魔力の味がしゅる。はむはむ」

漏れ出る魔力を舐め取ってるようだ。そして魔力は美味かったり不味かったりするらしい。魔石をちゅぱる感覚で俺をぺろってると言うのなら、ハーク達が美味そうに感じるのも魔力が美味そうだからと言う事になる。
試しにトカゲの魔石を取り出して、カラクレナイと一緒に舐めてみたぺろぺろ。

「……美味いかこれ?」

石の味…、と言うか、魔力を吸収出来無い。

「カケルの方がおいひい」

なんて言いつつ魔石をぺろり続けるカラクレナイに魔石をあげた。

「旦那様は魔石から魔力を取り出せ無いのだな」

「詰めるのは出来るのにな~」

「魔石が無いからでは?」

「ああそうか」

リュネの言葉にミーネは納得した。龍は体内に魔石を持ってるのでそこに魔力を溜め込む事が出来る。人は魔力臓器しか無いので体外の魔素を魔力に変換出来るだけ…と、そう言う事らしい。
ハーク達がいくら美味しそうでも、ぺろった所で肌の味しかしないって事が分かった。カラクレナイぺろっててもカラクレナイのお肌の味しかしなかったしな。

「魔力を奪うような事にならなくて良かったよ」

「それで、妻に迎えるので御座いますか?」

「アルアが大人になって、それでも俺と…ってなったらな。その時はよろしくしてやってくれ」

「はい。その時は、事前に面通しをお願い致します」

「私も、アルア見たい」

リアとイゼッタが面通しを希望すると他の皆もそれに同意した。アルアを見た事があるのはリュネとワーリンだけだったな。

「勇者と魔王の話を聞いて、ママ様の子と面通しした後でな。その間、赤ちゃんの世話は島の皆に任せる事になるけど、それで良いか?」

「う…」

「我慢致します」

「旦那さま、おっぱい張ったら飲んでくれますか?」「飲む飲む」

即答で返す。が、今夜は赤ちゃんのご飯なのでダメだって。大人しく寝ます。


 翌日。朝の仕事に行くリームと共にウラシュ島へ向かう。今日の朝食はこっちで食べようと思う。リームが門の外で色々してる間に、俺はボーデンフェルトを捕まえる。

「む?カケル殿、姿を変えたか。何用かな?」

「少し教えて貰いたい事があってな」

「我に?龍についてか?」

「察しが良いな。空に上がろう」

二人揃って空にあがり、取り敢えず人払い出来た所で話を切り出す。

「ぶはっ!交接器の仕舞い方だと?ぐふふっ、我を笑わせるとは、くくくっ」

「《龍化》なんて初めてだからな。ちんぽを出す事は出来たが仕舞えなくてすげー困ったんだ。リュネ達に聞いても知らんみたいだしな。結局そのまま《人化》したけど、仕舞えないと外にも出られん」

「ふっくく…。まあ何だ。子龍の頃は出っ放しになる者も居ると言う。なので全く無い状態では無いのだが、ふっ、ふぅ~。押し込んで力を込めて見よ。交接器が戻る感覚が判れば仕舞う事も出来よう」

「《龍化》する機会なんてそう無いだろうが、試してみるよ」

「その時は見てみたい物だな。勿論仕舞った状態でな」

「街がパニックになりそうだよ。俺の姿、結構尖ってるらしいからな」

「何だ、尻尾が無いとか言わぬよな?」

尻尾が無い龍は死に近い辱め、だったよな。リュネが居たら体に穴が開いちゃうぞ?
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