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情報の対価

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 「で、主様はそのルーエンターク君とやらと兄弟になって来たと」

「はい…」

ルーエンターク君とは、ママ龍の息子の名前である。因みに俺が兄、ルーエンタークが弟だ。

「で、旦那様は母の匂いをたっぷり付けて帰って来たと」

「はい…」

ママ龍の《洗浄》は俺のより強い筈なので消臭効果は高いと思う。これは匂いや魔力の残滓では無く、《感知》で見ていたのだろう。

「で、母さんとたぁっぷり、交合って来たのですよね、カケルさぁん」

「はい…」

 俺は今、横並びに仁王立ちする三姉妹の目の前で正座しているのだが、蛇に睨まれた蛙とはこのような気分なのだろうか。

「種付けは、したのか?」

「スキルは使って無いです」

「それならば我は別に気にせん。姉者もそうだろう?」

「そうだな。変な契約をした形跡も無いし、私も気にしない」

姉二人の目が何時もの色に戻る。実際に色が変わってる訳では無くて、魔力を纏った感じで姉二人は赤っぽくなっていたのだ。リュネは紫っぽくなっている。

「もう…、何でまた母さんとエッチしたんですかぁ?」

「情報の対価です」

「情報?」「ふむ」「聞きましょう?」

ママ龍から聞いた、人の子が龍の雌を孕ませた時の情報を三人に説明した。
人の子の雄は過去に幾度も龍の雌と交合った話があるそうで、それ自体は受胎率の低さを含めリュネ達も知っていた。知らなかったのは受胎したケースだ。
龍の雌が人化して致すのは当然として、人の子の雄が龍化のスキルを覚える事、そこから更に人化を使い、致す事で受胎に繋がると言う事だった。

「…見た事あるかも」

「姉さん、それ本当?」

「実際、その者なのかは分からんが、やけに魔力の無い雄が居たのを見た気がする」

ミーネはそのケースの一つを見た可能性があると言う。弱々しい雄の隣に雌がベッタリしていたそうで、今思うとソレなのかも?と言う程度の認識だったそうだ。その雄の相手の子供を見た事無いので信憑性は定かでは無いと言うのだが、そもそもドラゴンハーフなんて他の龍に見せないし、興味も無かったのなら仕方無いな。

「子供にしてはデカいと思った。まあ、子を生して思う事ではあるのだが」

「カケルさん、ちょっと龍になってみませんか?」

「先ずはスキルがあるのかと、元の姿に戻れるのかを確認してみます」

「カケルさぁん、もう怒ってませんからぁ。何時ものカケルさんに戻ってください~」

「リュネ、おっぱい」

「はぁ~い」

正座の俺に抱き着いて、顔を挟むたわわの圧が強い。ああ、ママ龍の子だわ。しわわせ。


 許しを得た翌日。俺は一人島の上空でスキルを探す。《龍化》自体は割と直ぐに発見出来た。だが直ぐには取得せず、《龍化》の文字をじっと見ると新たな文字列が浮かんで来る。

《自身の体を龍の体へと再構成します。再構成には時間が掛かり、自身と龍の大きさの比率に因り時間が増し、二倍で二オコン、十倍で十オコン掛かります。熟練度に因る短縮はありません。元の姿に戻るにも同じ時間が掛かります。再構成中は食事や排泄等、一切の身動きが取れなくなります。安全と空間を確保出来る状態での使用をお勧めします。》

戻れる事が分かってホッとする。が、時間か…。飯食って、糞をひり出してから挑まないと偉く苦しむ事になりそうだ。
次に、《人化》を探す。これも見付ける事は出来た。

《自身の体を人種の姿に再構成する事が出来ます。自身と対象の大きさの比率、性差に因り時間が増し、二倍で二オコン、性転換では更に二倍の時間が掛かります。熟練度に因る短縮はありません。元の姿に戻るにも同じ時間が掛かります。再構成中は食事や排泄等、一切の身動きが取れなくなります。安全と空間を確保出来る状態での使用をお勧めします。》

こちらも戻れるようだが、とにかく時間が掛かるみたい。今の俺の体重なんて測った事無いが、仮に六十キロとして、カラクレナイは何ナリあるのだろ?これも仮に六十トンとしたら約百倍。百オコンで変身出来ると考えると、丸四日飲まず食わずって事になる。トータル四百オコンは半月掛りの工程だ。
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