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カケルは急に止まれない

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 大きい魔石は売り難い。何故なら沢山買ってくれないし、買い手が中々付かないのだ。なので手持ちの魔石は専らカラクレナイのおやつ等、龍へのお土産になるのだが、小さい魔石じゃ金にならん。そんな訳で今日はジョンの街のギルドに売り捌きに来た。

「トカゲ以外の魔石かー。珍しいモンだが…、買えるか?」

「一つだけなら。買い手が居れば良いのですが」

ギルマスの部屋でゴロッと出すと、ジョンもサブマスらしき女も渋い顔をする。

「やっぱ買い手次第なのな」

「戦争でもしていれば、巨大兵器だ何だと需要もあるのでしょうが、長く平時が続いておりますからね。魔法ギルドにも掛け合って見ましょうか?」

「そうだなぁ。取り敢えず一つ買ってくれ。それを何処かへ見せに行って、需要があればもっと出すって感じでどうかな?」

「それで良いぜ。所で此奴の持ち主は強いのか?」

ジョンは魔石よりも持ち主に興味がある様子。相変わらずの脳筋だ。

「身長三十ハーンの一つ目の人型だ。まだ白兵戦で殺り合った事は無いよ」

「トカゲとナイフで渡り合うお前がか?」

「初めて遭ったのが此奴でなぁ。命からがら、それこそゲロ吐きながら逃げたんだ。そんなおかげで近寄りたくないんだ。勝てるとは思うけどな」

「普通、初めての魔物と言やぁゲルやケブだろ?」

「初めて戦ったのはちゃんとゲルだし、その次に殺ったのはブフリム…こっちで言うケブだぞ」

「カケル、普通の冒険者みたいな事してたんだな」

「失礼な。初めての会敵がアレだっただけだ」

「なあカケルよぉ」

思案顔のジョン。悪巧みしてるようにしか見えない。

「なんぞ?」

「今度、まあ近い内で良いんだが、外のトカゲ、殺りに行かねぇか?」

「何だ?肉でも食いたくなったのか?」

「お前言ってたろ?外の奴の方が知恵が回るって。俺も外のと殺り合ってみてえんだよ」

「ん~、ジョンなら跳べるし、避けられるから何とかなる…か」

「マスター?不在前後の仕事はしっかりやって下さいよ?」

「わーってらい」

「それと、死んだ時の後継者も決めて下さい」

「じゃあカケ「連れてかないぞ?」…ちぃっ」

大きな声で舌打ちし、来週また来る事になってしまった。狩りに行くのは良いが、この大陸でやるのなら、話を通しておかないとならん相手が居たんだよな。

 街を出て、チラホラと雑草が生え出す更地を眺めて空に上がる。街道も森も殆ど雪が残って無い。森の樹々が濃い緑の葉を晒していた。
あの二人の場所は何となく判る。千ハーンも上がれば緑と白で別れてるから、その先に居るに違いない。唯、これだけ離れていればお伺いを立てなくても…と思うが、相手は何処からでも《収納》や《転移》が出来るからな。話はしておくべきだろう。
お土産の魔石と魔物の固めたのはある。《感知》を頼りに二人を探して、雪深い方へと飛んで行った。

 飛んでいて、突然目の前が氷の壁になる。カケルは急に止まれない…事は無いが、今回は流石に無理だった。頭から氷の壁に激突し、気絶間際に回復を掛けるので精一杯であった。回復と気絶は別物のようだ…。

「う……」

「起きたかえ」

後頭部には柔らかいモノが、そして目を開けた先にはきっと柔らかいであろうモノが二つ山を形成していた。俺を起こす声は優しく、少しだけリュネを連想させた。

「気絶は治せなかったよ…」

「《状態抵抗》よの。そろそろ起きよ、人の子」

「済まない。頭、重かったな。今日は話があって来たんだ」

「そうだろうの。では言ってみよ」

「エッチな事、しても良い?」

「ふっ、馬鹿め」

体を曲げて、顔に押し付けるたわわは当然ながら、柔らかかった。俺は大きく息をスーハー。

「娘共に睨まれるわ」

「まぁえ、ほえはびょーあんあえろは」

服越しにおっぱいを舐めてみる。未使用の先っちょを舌でコネコネすると、高まる圧力と共に固くなって行くのを感じられた。

「え?なんだって?」

難聴系主人公みたいな事を言って、押し付け続ける母龍であった。
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