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子供のおもちゃ
しおりを挟む詳しくないが、気になったので聞いてみる。
「首がすわるの早いな」
「筋肉の付きが早いのだと思う。普通は三月は掛かるそうだがな」
「やっぱりそのくらい掛かるのか」
「そんな事より、カロは良いのか?」
「ああ。イゼッタ達もそろそろでな。カロ邸で世話になってるよ」
「それで家にも来た訳か」
「お、お水どうぞ。あの、お二人はどう言った関係で?」
立ちっぱなしで蚊帳の外だった女の子が割って入る。
「似てるだろ?」
「え…?まさか」
「言う程似てはいないねぇ。暗い髪色は何となく似てなくもないが…、何処かで混ざったかな?」
「そんな…」
「混ざっても俺の方が強いと思うぞ?逆に聞きたいんだが、君は家政婦組合の子?」
「え!?いえ、違います。私は冒険者ギルドで事務をしてるペリュテと言います」
道理で俺を様付けする訳か。丁寧なお辞儀をするペリュテは、非番の子が交代でお世話に来てるのだと言う。
「で、あたし等の顔を見に来ただけかい?それとも、またシたくなったのかい?」
「カケル様!タマリーさんはまだ半月ですよ!?」
「体が落ち着いたらまたしような。今日は体の調子を見に来たんだ」
「調子?至って普通だね。この子の世話が無けりゃ仕事に出てる所さ」
「その割に、結構零れてるじゃないか」
「ああ…。こればっかりはね。飲んでくかい?」
緩めの服の膨らみからは染みが二つ垂れている。衛生的に問題無ければ容器に貯めておきたい所だな。
「ガンダーの分が無くなっちまうだろ?味見だけにしとくよ。それより、体の歪みを治してやるよ」
「歪み?何だいそれは」
骨盤や背骨の歪みについて説明する。解体をしてるだけあって、骨や椎間板の話は理解が早く、自身の腰を捻ったりして感覚を確かめたりしてた。
「本当はもっと早くしたかったんだがな」
「…怖かったのさ。あンたに囲われて、弱くなるあたしが」
「子供が出来ると強くなるみたいだぞ?良かったな」
「あの、カケル様。良いでしょうか?」
ペリュテが挙手して声を出す。何ぞや?
「こんな事言うのは失礼かと思うのですが、養育費等はどうしてるんですか?」
「欲しいか?」
「要らないね」
「遠慮すんなって。俺はそこそこ金持ち冒険者だぜ?」
「カケル様もそう言ってますし、頂きましょうよ」
「そうだぞー?しっかり育てて良い男にしてくれよな」
テーブルに、トカゲの魔石を置いてやると、じっとしてたガンダー君の手が伸びて、ぺたぺたやり出した。
「子供のおもちゃにしてはちとデカいけど、誤飲しないからまあ良いか」
「なっ、すご…。何の魔石ですかそれ」
「レッサードラゴンだね…。はは、どんだけ狩るのさ」
「家の主食、大体これなんだ。魔石は色々使うから売りたくないんだが、皮とか他の素材は値崩れするからって売らせてくれんのよ」
子供のおもちゃを取り上げるのは忍びないので、海竜の魔石をゴロンと床に置いてやる。二人共に驚きを超えて引いていた。
「持てるかな…」「無理ですよ…」
「売るなら荷車用意しなきゃな。それより体の歪みを治させてくれよ」
「え、あ、ああ。分かったよ。部屋に来な。ペリュテは其奴を見てておくれ」
「はい…。赤ちゃんが居るんですから、如何わしい事はしないで下さいね?」
授乳は如何わしくは無いよな。タマリーに連れられて二階に上がり、寝室へ。そこそこキレイにしているようだが、窓から射す光に埃がキラキラ舞っている。
「少し埃っぽいな。これを進呈しよう」
「魔石?属性魔石か?珍しい形だな」
「魔石の周りをゲルで固めた加工品だよ。浄化を付与してある」
キラキラの埃の前に魔石を翳し、ほんの少しの魔力を込めると、たちまち埃が消えて行く。
「部屋の汚れが消えるから産室にも置いてるんだ。ガンダーの為にも使ってくれ」
「そう言われると断れないね。で、あたしはどうすれば良いのさ?」
「先ずは、おっぱい吸わせて」
「ふはっ、来なよ赤ん坊」
タマリーの真ん丸おっぱいにしゃぶり付いた。
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