上 下
639 / 1,519

借りて来た猫

しおりを挟む


 《収納》の中で解体し、血抜きした肉を取り出すとリュネの《収納》に入れ直す。骨はスープの出汁にするそうなので此方もリュネに渡した。血と内臓を《集結》でスイカ大に纏めて取り出すと、カラクレナイが噛み付いた。

「生だけど、良いのか?」

「殆どの龍は生で食べてますよ?」

「それもそうだが、味付けとか要らなかったのかなーって」

「やみやみ」

美味いって事か?ガジガジしてるので気に入ってはいるみたいだ。
残った牙、角、皮に翼は彼奴等にくれてやるとして、魔石は財産として残しておこう。財産と言っても金にする訳じゃ無い。リュネ達にお強請りする時の対価なので、金より価値が高いのだ。
トカゲ一匹分のモツを食って、カラクレナイはお腹一杯になってしまったらしい。《集結》が解けて腹の中で膨れてるのだろう。丸くなって寝てしまった。

「今まではどう食べさせようかと難儀していましたが、《集結》で小さくすれば良かったのですねぇ」

「出来れば一緒の物を食べて魔力を増やしてもらいたかったが、他の子を見たら…なぁ」

「他所は他所、とはいきませんね」

「娘用に焼いた肉が余るのだが」

肉満載の大皿を持って来たミーネが愚痴を零すが、トカゲのモツを食べさせたと言うと納得はしてくれた。だが此処に居る者だけでは食べ切れ無いので街に持って行く事となった。

 肉を受け取り、転移門から海を渡って広場に向かうと女達が飯の支度で慌ただしく働いていた。焼肉を出すと皆喜んでたよ。真新しい服や髪留めを着けてる者もチラホラ。貨幣経済への道程が少し近付いたかな?シャリーが居たので合流し、バジャイを捕まえ島へと帰る。
 島に連れて来られたバジャイは借りて来た猫みたいに静かなものだが、街に居てもあまり皆と馴染んでないようで、俺が居ないと何時も一人離れて飯を食うと聞かされたのだ。

「いつも、一人で食べてた。みんなと一緒、慣れてない」

だそうだ。俺の隣でバクバク食ってるのにな。

「カケルさまは、群れ」

「此処に居る者みーんな家族だよ」

「そか」

もりもり食べて寝てしまったバジャイを母屋のベッドに寝かせ、午後の仕事に行くとするか。

「カケル…さまぁ…」

…昼寝の時間くらいはあるよな。バジャイのベルベットおっぱいを揉みながら仮眠した。
一オコン程して目を覚まし、陥没乳首に吸い付いていたらバジャイを起こしてしまった。

「うに…。する?」

「少し出掛けて来る。夕飯には戻るよ」

「んにゅ…」

再び瞼を閉じるバジャイを撫でて、部屋を出た。夕飯までに戻らなきゃ。

 ノーズコーンに収まって、超高速でナマコの居る島に向かう。そしてカルデラと木の塊のある島に辿り着く。

「久しぶりだな」

ピョンピョンと跳ね回るナマコだが、俺が着地しても何処吹く風な状態で跳ねている。あんな恐ろしい口してんのに肉食では無いなら何食ってんだ?捕まえると逃げようとするので腹を割いて海鼠腸を出し《収納》する。食べる訳でも無いので五匹だけ回収して帰路に着いた。

「カケルさまっ!カケルさまーっ!」

バビューンと飛んで島に着くとバジャイが走って出迎えてくれる。テイカがセカンドハウスに居るので一番乗りがコロコロ変わるぜ。抱き着き撫で付けキスしたら、抱えて食堂へと向かう。厨房では夕飯の支度が始まっていて、俺が調理する隙間は無い。

「カケル、おはよなの」

「おはよう、カラクレナイ。あれからずっと寝てたの?」

「眠かったの」

生モツを食べたからかな?カラクレナイのお腹を背凭れにして座り、バジャイを膝に乗せる。

「あぅ、カケルさまぁ…」

バジャイの股間をプルプルさせて、両手でおっぱいを揉み揉みすると、バジャイのスイッチが入ったようだ。ラビアン達に見られてもお構い無しでお尻をモジモジ擦り付ける。
パンツを履いてないバジャイのアソコはしっとりとしてペニスケを濡らしてる。俺はアイツを剥き出しにしてバジャイに突き入れた。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。 どんなスキルかというと…? 本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。 パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。 だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。 テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。 勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。 そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。 ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。 テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を… 8月5日0:30… HOTランキング3位に浮上しました。 8月5日5:00… HOTランキング2位になりました! 8月5日13:00… HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ ) 皆様の応援のおかげです(つД`)ノ

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第六部完結】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

処理中です...