上 下
614 / 1,519

素晴らしいな

しおりを挟む


 しかし一ナリ三千は高いだろ?何とか地球レベルに近付けるよう、値下げしようとしたのだが、砂糖一ナリ二万ヤンと言う馬鹿げた値段を聞かされて思わず安いと思ってしまった。

 シルケでは、砂糖は糖の実から作る。作れるのは俺達だけだが、氷砂糖にもなるので正確にはグラニュー糖だな。工程を変えて安価にした水飴も作られている。
で、木の実は年に一度しか実を成さないので、取れる数が少ない上に、果樹園の概念が薄く野生に頼っている。プランテーションでもしなけりゃ安くはならないだろうな。それはそれでコストが嵩むのだが。
 黒糖はアマグキ類から作られる。暖かい土地限定だが、年に三回は刈り取れると賢者ノーノは言っていた。リームは一日三回刈れるがそれは反則だからね。
プランテーションにしやすい草タイプだし、濾過や洗浄技術が発展すればグラニュー糖にも出来るが、まあ無理だろうな。

 報告が終わり、お前と貴様は木箱を大事に抱えて帰って行った。

「塩も砂糖も高いのう」

「高いとは思いますがリーム様達のお力あっての事ですから」

「そうだな」

「カケルさん、転移門を置いておきますね」

部屋の隅にドアが置かれ、これで移動し易くなった。転移門で輸送コスト、時間を止めたマジックボックスで在庫に掛かるコストを無くし、製造コストもほとんど掛からない。全く素晴らしいな我が軍は。

「私はこのまま帰って、セカンドハウスにもドアを置いてきます。早く帰って来てくださいね?」

「なるべく早く帰るよ」

ギュッてしてちゅ~ってして、リュネはドアを開けて帰って行った。

「カケル様、これからどうしますか?」

「商業ギルドに行きたい所だが、家政婦組合との話が終わってからにしたいな。それにそろそろ夕飯だろ?宿に戻ろうか」

外に出ると夕方だ。しっかり施錠し樵に向かう。今夜の食事の買い出しか、街往く女がチラチラ見てる。知った顔もチラホラ。敢えて声は掛けず、股間に《威圧》の玉を添えてプルプルさせたら買い物籠で隠した股間に指を押し付けていた。

「シャリーよ、夕飯を食べたら少し出掛ける。一人で留守番出来るか?」

「ネーヴェ様もですか?分かりました」

宿に着くが、フロントから見える食堂に人は疎らだ。女将曰く、旦那が狩りから帰ったは良いが、獲れ過ぎて疲れ果て、今日は作れないので他の飯屋に行ってもらうのだと。

「俺達も外に行った方が良いか?」

「カケル様達の分くらいなら私でも作れますよ。ネーヴェ様を連れて来てくださいな。もう一人のお客さんはどうしたんだい?」

「所用で帰宅したよ」

「そうかい、また来た時にでも食べてもらおうかね」

部屋に戻るとネーヴェとテッチー姉妹が人形で遊んでた。

「カケル、おかえり」

「カケルさまー」「お帰りなさい、お久しぶりです」

「ラッテ、テッチー、暫くぶりだね。この子はシャリーだ。仲良くしてやってくれ」

「え、シャリーと申します」

早速拉致られ服を剥ぎ取られると、人形遊びに混ぜられた。

「私ラッテ。シャリーちゃんって呼んで良い?」

「え?あ、はい…」

「ラッテの姉のテッチーです。シャリーちゃんはコレね」

「は、はい…」

ラッテはすっかり言葉を使いこなせるようになったな。俺泣きそ。

「あ、そうだネーヴェよ」

「ん?」

「ちょっと頼みたい事があるんだが良いかな?」

「ん。みんな、待ってて」

近寄って抱き着いて来るネーヴェを抱っこして、備え付けの椅子に座る。

「以前使ってた部屋をまた借りる事になった。また時間を遅らせられるようにしてもらえないか?」

「分かった。その代わり今夜は二人が泊まるから」

初めから泊まる予定だったろ?まあ良いや。ちょっと出ると言ってヤリ部屋に飛び、ササッと付与をして再び宿に戻った。

「あ、カケルさん、もう夕飯の時間だよ?」

「用事で出てたんだ。今皆を呼んで来るよ」

ネーヴェを食堂に送ったら、部屋に皆を呼びに向かい、食事を堪能した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

怠惰生活希望の第六王子~悪徳領主を目指してるのに、なぜか名君呼ばわりされているんですが~

服田 晃和
ファンタジー
 ブラック企業に勤めていた男──久岡達夫は、同僚の尻拭いによる三十連勤に体が耐え切れず、その短い人生を過労死という形で終えることとなった。  最悪な人生を送った彼に、神が与えてくれた二度目の人生。  今度は自由気ままな生活をしようと決意するも、彼が生まれ変わった先は一国の第六王子──アルス・ドステニアだった。当初は魔法と剣のファンタジー世界に転生した事に興奮し、何でも思い通りに出来る王子という立場も気に入っていた。 しかし年が経つにつれて、激化していく兄達の跡目争いに巻き込まれそうになる。 どうにか政戦から逃れようにも、王子という立場がそれを許さない。 また俺は辛い人生を送る羽目になるのかと頭を抱えた時、アルスの頭に一つの名案が思い浮かんだのだ。 『使えない存在になれば良いのだ。兄様達から邪魔者だと思われるようなそんな存在になろう!』 こうしてアルスは一つの存在を目指すことにした。兄達からだけではなく国民からも嫌われる存在。 『ちょい悪徳領主』になってやると。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...