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煎り豆

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 はい。四日経ちました。食堂の在庫が尽きました。リュネとテイカをこれでもかと愛して終了です。
子兎、メイド、嫁とテイカ、バジャイ以外の人種は全て孕ませたと思う。龍種については神のみぞ知る。皆で風呂に入り、汚れた部屋を《洗浄》したらネーヴェに付与を解除してもらった。兎達は急いで朝の仕事に向かう。皆空腹で動きにキレが無いが、昼まで頑張ってくれ。
リームも外へ収穫に、ミーネはトカゲを獲りにカラクレナイと空に上がった。ネーヴェは子兎と遊ぶのだと。

「カケルさぁん、ドアを置いてきますね」

「ああ、どこからでも行き来できるドアか」

「転移門ですよ。もう片方は私の部屋に置いておきますので、触らないでくださいね?」

「分かった。ネーヴェが島に結界張ってあるから」

「はぁい。では、行ってきま…」

シュッと消えた。俺達も居間に戻ろう。嫁とメイドとテイカとバジャイで居間に向かい、テイカはそのまま寝室へ。ゆっくりお休み。

「ただいま戻りましたー」

「お帰り。あっちで何かあった?」

「強制労働者?罪人達の洗脳を掛け直しておきました。百年は解けなくなりますよ」

それ一生解けないね。俺達が居間に着く頃には既に帰って来てると思ってたので何かしてたのかと聞いてみたら、そんな事してくれてたか。龍魔法、規格外過ぎだぜ。
リュネの部屋から持って来たと言うドアを居間の隅に起き、これで何時でも家と街を行き来できるそうだ。

「セカンドハウスにも置きたいな。テイカが起きたら頼んでみるか」

「一箇所に付き二枚のドアが要りますよ?」

「ゆっくりで良いさ。飛べるしな」

「主様、皆、昼食の支度を始めるぞ?」

収穫をしていたリームが窓の外から声を掛ける。食事と聞いて動きが活発化する腹ぺ娘達に混ざり、俺も食堂へと向かった。

 グーグー鳴っているのはカラクレナイのお腹の音だ。女児も切ない顔してる。早くしなければねらない。
ミーネが獲れたてトカゲで焼肉を、ネーヴェは種を煮てる。兎達はスープにソーサーを作ってて、俺達は皿やカトラリーを用意した…種とアマグキって売る程余ってたよな?

「リームさんや」

「なんだろうか?」

「種とアマグキって、余ってたよね?」

「ああ、此処でも採れるしまだまだ減る事は無いだろう」

「甘納豆くらいは作れたな…」

「うむ。しかしそれだけでは食事足りえんだろう」

「それもそうかー。煎り豆…煎り種はどうだ?」

「イリ?いりとは何だ?」

「油を使わず焼くんだ。水分を飛ばしてカリカリにする事で生の種を食べられるようにする調理法の一つだな」

「ほう、試してみるか」

素焼きの鍋と蓋を作り出し、リームに渡すと種をザラザラ流し込み、熱波で焼き始めようとするのを止める。

「お湯に漬けて膨らませてから焼くんだ」

「そうなのか」

種を持って厨房へと入って行った。そして間も無く返って来た。

「多分だが、二オコン程浸けたと思う」

ネーヴェに頼んだそうだ。種も膨らんでるし大丈夫だろう。

「かき混ぜながら焼いてくれ」

「うむ」

シャカシャカシャンシャカ…。
折角作り始めてもらったが、完成前に料理が揃ってしまった。リームは意外とタイミングが悪い。俺のせいでもあるんだが。
食事をしながら香ばしい香りの鍋を揺らし、食後のお茶となる。

「リーム、そろそろ良いかもな」

「そのようだ。焼けた種の匂いがする」

「いー匂い」「お茶の香りにも似ておりますね」

  「焼き茶のようです」
「ノーノは焙じ茶を知っているのか」

「ホージ茶?は知らんが私も知っているぞ?湿気た茶葉を焼き鍋で焼いて、乾かしてから淹れるのだ」

湿気た茶葉が下賜された時に飲むそうだ。サミイも生活の知恵として知っていた。

「焦げるまで焼けばこれもお茶になるが、今回は食べるのでこの状態にしとこう」

湯気立つアツアツでは食べにくいので、魔力を流して冷ましてからお椀に空けた。皆食べ慣れた種なので自然と手が伸びた。

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