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龍の性

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「身に降り掛かる害意の全てを反射する。リアならこの意味解るな?」

ミーネの簡潔な説明に、リアは苦笑いを返す。

「王が着ける物で御座いますね。ですがこの様な魔装、当家にもありはしませんよ」

トンデモアクセだった。だがあげちゃった物はしょうが無い。

「一つしか無かったからこれはママ上殿用だ。沢山取れるようなモンでも無いしな。カラクレナイにはトカゲの魔石をあげよう」

「わ~い」

ミーネとリュネには海竜の魔石をプレゼント。龍は歳関係無く魔石が好きだ。小腹が減ったら魔力を吸って、溢れて暴れたくなったら魔力を貯める。そんな使い方をするそうな。なので空になった魔石カスも、あればあるだけ取っとくらしい。龍が光り物好きと言う噂はその辺りから広まったのだろうか。

「ちょっかいを掛けられなきゃ、人なんて食べませんもの、ふふふっ」

だってさ。人を食って、ペッペと出したゴミが溜まって財宝の山になるって事か。魔石を抱き締めよしよしあやしてる。何が産まれるんだ?

「卵程の大きさの玉を見ると大事にしたくなるのは龍の性だ」

だってさ。中華街でよくクネクネしてるタイプの龍が玉を持ってるが、あれ大事にしてるんだな。

「私の役目が無くなりますね」

着替えから戻ったエージャが態とらしく萎れて床に尻を付けた。

「甥っ子か姪っ子が産まれたら護ってもらうから御役御免とはならんよ。良かったな」

「島には行けない人生なのですね…」

「分かったよ。その内遊びに来させてやる。今はママ上殿が身重だからダメだぞ?」

「楽しみにしています!」

「その時は私と子供もご一緒させて頂きますね。サミイに自慢されて気になっていたのですよ」

「え、ああ。まあ、良いけど。親父殿が寂しがるでしょうに」

「寂しくなる前に帰りますよ、ね?」

ね?とか言われても…、ねぇ?メイドが持って来たお茶を頂き、フラーラがカロ邸に行くと言うので箱に食料品を詰めて渡した。お昼はあっちで食べて来るって。俺達はこっちで昼食だ。女達が揃ってキッチンに行ってしまったのでぼっちなう。だが暫くしてママ上殿が戻って来た。

「今日は皆さんだけで腕を奮うそうで、追い出されちゃいました」

ペロリと舌を出す奥さん可愛い。ソファーに座る俺に寄って来て、ペニスケをポロリさせられてパクリと始めてしまった。

「奥さん…、旦那さんが居るでしょう?」

「れろ…、はむ。大丈夫あぷ、あむ…ヂュル…。それはそれ、これはこれ…ジュプッ」

人妻とのいけない情事を楽しんでいる内に料理が揃い始める。ママ上殿のお口に少しだけ注いだら、裏庭にテーブルを並べに行った。身重でなければ…。

 カラクレナイの焼いたソーサーは暫く見ない内にママ上殿の味に近付いていた。子供の成長は早いな。焼肉も柔らかく焼けてるし、スープも野菜がたっぷりで美味い。自分のスープには殆ど野菜を入れてない辺り、まだまだ子供だ。
昼食を頂いたら、食休みを挟んでカロ邸へ向かう。荷車に七人乗ると狭い。道も混んでるのでゆっくり移動した。


 貴族の挨拶は、長い。
要約すると「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」なのだが一人ずつ言うので五リット程掛けた挨拶をアルネスから賜り、客間へ通された。カラクレナイは挨拶も聞かずサミイを引っ張って庭に行っちゃった。身重なんだから気を使ってあげてね?
ソファーに座り、魔石を抱くリュネとミーネはすっかりママの顔だ。リュネはまだ産んでないのに。カラクレナイとサミイはおんもで遊んどる。リアは静かにお茶を嗜み、メイドは揃って家事等勤しんでる。俺は手持無沙汰だ。

「少し買い物して来るよ」

「土産は買ったのだろう?足りなかったのか?」

「ミズゲルの核は此処でしか買えないからね」

「もしかして、お暇でしたか?」

「暇だけど、核も欲しかったし、丁度良いかなって」

「夕飯前には帰って来て下さいね~」

おんもで遊んでた二人に一声掛けようと、窓から外を覗くと、カラクレナイが日陰でお昼寝してたので浮かせて客間へ連れて来た。

「くしやき…」

良い夢見ろよ?



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