上 下
495 / 1,519

奢ってやる

しおりを挟む


「騒がしい店だったんだな、と思ってな」

「ハハハ、女連れで気取ってるよ此奴」

絡んで来た女を軽くあしらおうと思って言葉を返すと、隣に座ってる女に煽られた。黄色い髪を短く切って、装備を見なけりゃ男と間違えてしまうかも知れない。ビキニアーマーの前衛だ。見ないようにしてたのに、声掛けられたらからじっくり見てしまったよ。

「そりゃあ良い女に声掛けられたら気取るだろ」

お世辞とでも思ったのだろうか、凄く睨まれてしまった。《威圧》でも掛けてるつもりなのだろうか?

「カケル様、犯すのですか?犯すのですね?私もして下さい」

見てるのを気付かれたか、鋭い奴め。行きにぬぽぬぽ、さっきイチャイチャしたろうが!

「明日はダンジョン行くから早く寝るつもりだぞ?」

「日和ったね」

「二人共やーめーなよー、あははっ」

これが俺のトリガーになるとは誰も予想出来まい。《威圧》の空間を女に纏わせ動きを封じると、抑えていた魔力を女に向けて放出した。あははな女は装備からして魔法系後衛、多分アタッカーだ。魔力が見える相手にはこれが一番効く。動けるのに動けない。三人の内、自分だけに判る恐怖に、涙を流して許しを乞うた。

「ご、ごべんなざい…」

「スールズ!…あンた、何したの!?」

「スールズと言うのか。ちゃんと謝れる子は許してやろう」

「カリータ、サスーン…ダメ…。その人、とんでも無く、強い…」

「はっ!どんなに強くたって魔法系にこの距離で負ける気はしないね!」

「立ちなよ。スールズを可愛がってくれた礼、させてもらうよ」

「構って来たのはお前達だが?」

「ねえダメだって。魔法とかそんなレベルじゃ無いんだってば!」

「安心しろスールズ。手加減はしてやる。店の物壊すと無駄金だしな。…その代わり」

《威圧》による前後の便意が赤と黄色の女を襲う。

「「うぐっ!」」

「逃げたら犯す」

トイレに向かおうとする足に《威圧》を纏わせ足止めし、食事の続きを楽しもう。ステゴロでは届かないので椅子を持ち上げ投げ付けて来るが、俺に当たる前に《威圧》の空間に阻まれてしまっていた。

「何だそれ!」

「卑怯だ!」

「手加減してやってんだがな?早く詫び入れて垂れて来いよ」

「糞野郎…」

「カケル様に失礼な言葉を吐かないで頂きたい」

殺気の篭もるエージャを手で制し、食事の続きをしてもらう。

「エージャ、エール二つ頼んでくれ。お前等良かったな。奢ってやるよ」

「飲ませて…、近くする算段かいっ!」

「飲むもんかよ!!」

店員が嫌そうに持って来たエールを一杯、床に流す。木で出来たジョッキから流れ出たエールは床を汚す事無く空中に留まり続ける。それを見た二人は大きく息を吸って鼻と口を塞いだ。
普通ならそれで良い。普通ならな。宙を浮いていたエールが突然その場から消え失せた。

「なっ!?そっ、そっち!?」

「カリータ、どうした!?」

赤い方がカリータ、黄色い方はサスーンのようだ。サスーンには、顔を青ざめ震え出すカリータに何が起きたか理解していないようだ。同じ事を味わせてやろう。テーブルに置いてあったジョッキからエールが消えた。

「あっ!何で…、そんな事っ出来るんだよぉ…」

「修練の賜物だな」

一杯三百ヤン。一ナリ程もあるエールは、今は二人の尻の中。シュワシュワ泡を吐き出して、通り道をパンパンにして行く事だろう。そして吸収されて膀胱へ向かう。口から飲んで、一杯でべろべろになってる奴も居るのだ。粘膜から直で飲んだら悪酔い待った無しだぜ?
案の定、みるみる顔色が悪くなってく。

「漏らしても知らんぞ?」

「ダメ…」

「……」

「俺の勝ちで良いな?」

「良い!良いから二人を許してあげて!お願いしますっ」

尻の穴に《威圧》の栓をして、二人を浮かせてやる。

「ひっ!」「んくっ…」

「付いて来い」

スールズを誘い、浮いてる二人を操作して、ザワ付く酒場を後にした。上手い事ヤリやがった…って、ヤるつもりは無かったんだがな?エージャはこっそりエール一杯飲んでたよ。此奴め…。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

処理中です...