上 下
434 / 1,519

攻撃は最大の防御

しおりを挟む


 今朝は早起き。飯も食わずにUFOに飛び乗り、セカンドハウスへと猛スピードで直行する。彼奴等が出勤する前に着きたいのだ。

「あれーカケル様じゃん」「おはよー」「はよー」

大部屋の屋上から一階まで降りて行くと、少年隊と友恋が飯食ってた。

「お前等肉だけかよ」

「ちゃんとソーサーも焼いてますよー。シトーン、焼けたの持ってってー」

「肉とソーサーしか食わないお前等に世話役を連れて来たのだ」

「おあよ、あむ…」

「「「ネーヴェさま!?」」」

「違う、あっち」

勝手に座って肉を食みだすネーヴェだが、朝飯まだだし仕方無し。

「なんだ、ブチ姉妹か」

「なんだとか言うな。掃除洗濯してもらえる有難味を知れ。飯を作ってくれる事に感謝せよ」

「わかったよー。これからよろしくー」「「よろしくー」」

「ネルト、タウト。こっちの二人はシトンとアズだ。よろしく頼む。こっちのはワーリン、冒険者として働く事になる。シトン、アズ、よろしくしてくれ」

「「よろしく」」

「ワーリンだ。拳闘士やってる」

「シトンだ。主に前衛」

「アズだ…。主に後衛…よろしく」

「なあカケルさま、おっきいねーちゃんが入ったら友恋じゃなくなっちまうんじゃね?」

「うちに入るとダーニーガーワー」「だにがわー」

「オレは普通にワーリンでいーよー」

ダーニーガーと友恋とワーリン。ほぼ前衛と言うかほぼ遊撃のパーティーだな。

「お前等、盾居ないのか?」

「「「攻撃は最大の防御!」」」

シトン、ワーリン、ダートがハモった。行き詰まるようなら盾を教えてやれば良いか。ネルトとタウトが追加で作った飯を皆で頂き、冒険者達は出勤して行った。その後はワーリンの部屋とネルトとタウトの部屋に雑木マットとランタンを設置、名札を付けて整備完了。俺とネーヴェも移動しよう。UFOを《収納》し、荷車を出して空を往く。二人ならこのくらいが丁度良い。数キロ手前で街道に降りて、ちょっと浮かせて街へと向かった。


 キャスーンのギルドに入り、受付嬢にギルマスとのアポを取ろうとしたが、何時にも増して不快な物だった。魔法使いがその場で吐き出す程の魔力を垂れ流してやっと降りて来たギルマスは口から色々な物を垂れ流していた。

「き…、お前、カケルにキルヒネーヴェ…」

「どうする?どこで話そうか?」

「それを、やめろ…」

「それってどれだ?それより人を舐め腐る態度の職員を見直すべきだと思わんかね?見てみろアレ、魔法使えないからきょとーんってしてるぞ?ギルマスがゲロってんのに介抱もせん」

「私関係ありませんし。会えたなら良いじゃないですか。それより掃除して下さい。臭いので」

「だとさ。上に行こうぜ」

「早く、止めてくれぇ」

「仕方ないなー」

魔力を抑えて、《威圧》に変える。今まで吐き散らしていた者は苦しみから解放され、それを傍観していた者が苦しみに悶えだす。介抱してた冒険者は許したよ。

「糞を漏らすなとは言わん。臭いから掃除しとけ」

ギルマスを押して階段を上がって行った。部屋に入ってもゼェゼェしてるギルマスをソファーに座らせてやった。

「お前…、なんてこと、するんだ…」

「逆に聞きたいね。お前訪問者に会う気あるのか?」

連絡を受ければ会うと言う。連絡する職員に、お前なんぞと会うものかと言われたのだが。それを聞いてギルマスは閉口した。

「でさ、ダンジョン無料の件、どうなった?書面なり割符なり用意したんだろ?」

「……ない」

「え?何だって?」

「用意等していない…。今回のオーバーフローは、小型のみの出現で、終わった」

「よし、ダンジョン潰そう」

「お前達に、ダンジョン入場の権利…は、与えない」

「入れなくても潰せるもんねー。さらばダンジョン都市!なんてな。行こうネーヴェ」

「カケルは優しい。更地にしない」

冒険者は舐められちゃいけない。舐めた奴も容赦しない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!

武蔵野純平
ファンタジー
大手企業に勤める平凡なアラフォー会社員の米櫃亮二は、セクハラ上司に諫言し左遷されてしまう。左遷先の仕事は、移動販売スーパーの運転手だった。ある日、事故が起きてしまい米櫃亮二は、移動販売車ごと異世界に転生してしまう。転生すると亮二と移動販売車に不思議な力が与えられていた。亮二は転生先で出会った孤児たちを救おうと、貧乏孤児院を宿屋に改装し旅館経営を始める。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

処理中です...