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虐待

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「で、何か収穫はあったの?まさか野獣と浮気するだけの理由で無理矢理イかせた訳じゃ無いのよね?」

洗ったアイツを再びキュルケスに納めて鹿っぽいのの角を見せてやる。

「んふぁ、二本で、六万んっ!」

「これが十八本取れた」

「許す!許しゅから中にちょうだい!」

キュルケスはシャバシャバなのを勢い良く出されるのが好きみたい。ブシャッ!ブシャッっと小分けに出す度にイっている。おかげで浴槽内までビシャビシャだ。

「食べるのに二本取れたから六十万かい、お前さんに付いて来て良かったよ」

「腹一杯食えただろ?」

「こっちも一杯になったしね」

ワーリンは逆に、濃ゆくて垂れないのを好む。腹の中をパンパンにして、一滴足りとも中から出したくないそうだ。
お湯を沸かしたら橇風呂毎《洗浄》して、三人震えてお湯を飲む。

「ねねねねえ、し知ってる。洗濯物ってお湯で洗うと汚れがよく落ちるるのよ?」

「ははは初耳だぜ」

「お湯に、したいけど、ねね熱湯になったら、怖いからな…。火のま魔法も、使えないし」

「とにかく布団ちょうだい!」「オレも!」

雑木紙で包まれてほっと一息。二人が寝息を立て出し少しして、森の先に壁が見えて来た。来た時同様、一キロ程手前で街道に入り、街に向かって滑ってく。先日やっつけたばかりだからか、今回は野盗も居ないようだ。すんなり街に着いて良かった。

「二人共起きろ、街に着いたぞー」

「くっあーっ!寝ちゃってたか、お前さんごめんよ?」

「んんー!」

橇風呂を仕舞ったら門を潜ってギルドへ直行した。
二人共、布団を巻いて歩いてると丸太が歩いてるように見えるぞ?
自分で作っといて何だが、見た目不審なので引っがした。

「いやん寒い~」

「虐待反対!」

「ギルドから出たらまた出してやるから我慢せい」

受付嬢にキュルケスの事務処理と、依頼達成の報告をしてケブの耳を提出した。

「これ、多過ぎません?」

「巣があったのよ」

「貴女は?」

「ケブに捕まってたの。後は察して?」

「ご無事で何よりです…。百二十八匹ですね、十匹単位ですので余った八つはおまけにして…、十三回分の討伐でこの額になります」

安いけど、ケブならこんな物だろう。温かい食事が十回程食べられる金額だ。俺とワーリンで半分こしてギルド証へ振り込んだら、次は持込みカウンターへ向かう。こっちは依頼じゃ無いからな。序に鑑定師の男にも挨拶しておこう。

「なあ鑑定師、これは鑑定した方が儲かるかな?」

角を振り翳して見せてやると、近寄って来た。

「遠くまで遠征してたようですね。ドウドウの角は鑑定の必要はありませんよ。あと、名前はツルトガです」

「ツルちゃん!私にょ仕事取らにゃいで!」

にゃ?あ、耳がある。尻尾の細い猫型だ。シャーっとされて追い払われてしまった。

「お客さん、ドウドウ狩ったにゃらもう一本あるんでしょ?売るにゃら全部出しちゃいにゃよ」

フランクな猫ちゃんにあるだけ出してやると驚かれてしまった。机に出来た角のバリケード越しにわたわたしてる。

「重さを計るにょでちょっと待っててにぇ」

隣の買取嬢と二人掛かりで奥に持ってった。解体場に行くのかな?待ってる間、ケブの巣で拾って来たお宝を鑑定師に持って行く。

「冒険者の持ち物と、…これは略奪品ですかね」

「ケブの巣で掻き集めて来たんだ。受付には報告してあるよ」

「さっきのを見てましたが、これ、一部ですよね?」

「わかるか」

「あの討伐履歴を見たらこれだけじゃ済まないと予想出来ますよ。解体場に行きましょう。此処で出すと注目されますし」

角のバリケードで既に見られているのだが、気遣いに甘えて解体場に向かった。
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