317 / 1,519
また始まった
しおりを挟むやって来ました新居です。さっきまで三階で寝てたけど、装飾はほぼノータッチなので見ておきたい。
外見はテイカをメインに頑張って削ったようで煉瓦模様に梨地、石柱に出窓風と様々な装飾が彫り込まれている。
「ほう、この外壁の装飾は…、これは草花を模しているようですね。此方の柱も素晴らしい。古代ローマ建築を伺わせる中程が膨らんで行く柱が壁の装飾と見事な調和を奏でています。今から中に入るのが楽しみです」
「…また始まった」
「こだいろーま?古代ローマ?聞いた事の無い地名?地名ですよね?」
「褒めている事は伝わって来ます」
イゼッタ&シャリーにテイカも加わり俺の呟きを解説している。
「それでは先ずは玄関から、拝見させて頂きます。中に入ると…ほぅ、これは奥に続く廊下が真っ直ぐ通っていて奥行きを感じる事が出来ます」
「奥様、エントランスが無いのは貴族を捨てた意思表示ですか?」
「作り忘れた」
「妾以外の客は来ないので問題ありません」
「左側には大きな窓がずらりと並び、干物を作る干場が良く見えます。干場は西側ですので、この廊下は熱を遮断する効果もありそうですね。干場に窓が沢山あって日当たりがある為、この廊下もとても明るく、創意工夫が見て取れます。では干場に向かって見ましょう」
「移動するようです」
「あたしはお茶を淹れて来ます」
「いってら」
玄関左側のドアを開けて中に入ると、既に干し肉の加工がされていて、肉の香りと暖かさが全身を包み込む。
「ほう、これは暖かいですねぇ。干し肉が幾重にも掲げられておりますが乾燥も早そうです。部屋の中心には、これは階段でしょうか?面白い作りになっております」
「自画自賛?」
「干し肉のシャンデリアに彩られたエントランス、とでも言えば良いのでしょうか」
「上手い事を言いますな、シャリー殿」
掃除でも終わったのだろうか、居間の方からメイド二人が合流して来た。因みにフラーラは殿、ノーノはさん付けでシャリーを呼ぶ事にしたらしい。
「ご主人、テイカ殿がお茶を淹れてくれたぞ?飲まないか?」
「施行主の優しさに感謝して、頂きましょう」
「問題無い。変なスイッチ入ってるだけ」
嫁達の扱いが酷い。新居の居間に集まってお茶にした。幅広のローテーブルを、女の子なら五人は座れるローソファーが二つ更に二人掛けくらいの二つが囲んでる。皆頑張って作ったんだな。これ以上嫁なり妾を増やすな、とも取れるが増やす気は無いんだよ、本当に。
窓際には観葉植物の代わりに蔓草が植わってる。これ、ワタウリか?その内部屋中蔦だらけになりそうだ。床から直接生えてるのがとても気になる。
「あの蔓草ってワタウリ?」
「私がエディアルタから持って来た…と言うより、恥ずかしながらポケットに入れっ放しだった物です。若い実のふわふわは甘くて美味しいんですよ?」
「シルケに来たての頃に食ったなぁ」
「甘いと聞いて、植えてみた」
外に植えろよ。まあ、その内外にも生えるだろ。タオルくらいは自家生産出来るようになれば良いな。
そう言えば、最近は木の実を取って来てないな。狩りの序に摘んで来るようにしよう。肉はリュネ達が取って来れるし、俺は木の実メインでも良いかも知れない。
「そう言えばリュネにミーネよ、お前達が何時の間にか取って来た肉って、骨や皮はどうしてるんだ?後、内臓もか」
「骨は煮てスープにすると言うのでくれてやっている。内臓は料理出来んと言うので泣く泣く捨てているがな」
「皮や牙、角なんかは全て残してありますよ?外貨獲得、でしたよね?ふふっ」
龍を相手に不義理は出来無いと確信した。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
第三王子に転生したけど、その国は滅亡直後だった
秋空碧
ファンタジー
人格の九割は、脳によって形作られているという。だが、裏を返せば、残りの一割は肉体とは別に存在することになる
この世界に輪廻転生があるとして、人が前世の記憶を持っていないのは――
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
後宮の侍女、休職中に仇の家を焼く ~泣き虫れおなの絶叫昂国日誌~ 第二部
西川 旭
ファンタジー
埼玉生まれ、ガリ勉育ちの北原麗央那。
ひょんなことから見慣れぬ中華風の土地に放り出された彼女は、身を寄せていた邑を騎馬部族の暴徒に焼き尽くされ、復讐を決意する。
お金を貯め、知恵をつけるために後宮での仕事に就くも、その後宮も騎馬部族の襲撃を受けた。
なけなしの勇気を振り絞って賊徒の襲撃を跳ね返した麗央那だが、憎き首謀者の覇聖鳳には逃げられてしまう。
同じく邑の生き残りである軽螢、翔霏と三人で、今度こそは邑の仇を討ち果たすために、覇聖鳳たちが住んでいる草原へと旅立つのだが……?
中華風異世界転移ファンタジー、未だ終わらず。
広大な世界と深遠な精神の、果てしない旅の物語。
第一部↓
バイト先は後宮、胸に抱える目的は復讐 ~泣き虫れおなの絶叫昂国日誌・第一部~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/195285185/437803662
の続きになります。
【登場人物】
北原麗央那(きたはら・れおな) 16歳女子。ガリ勉。
紺翔霏(こん・しょうひ) 武術が達者な女の子。
応軽螢(おう・けいけい) 楽天家の少年。
司午玄霧(しご・げんむ) 偉そうな軍人。
司午翠蝶(しご・すいちょう) お転婆な貴妃。
環玉楊(かん・ぎょくよう) 国一番の美女と誉れ高い貴妃。琵琶と陶芸の名手。豪商の娘。
環椿珠(かん・ちんじゅ) 玉楊の腹違いの兄弟。
星荷(せいか) 天パ頭の小柄な僧侶。
巌力(がんりき) 筋肉な宦官。
銀月(ぎんげつ) 麻耶や巌力たちの上司の宦官。
除葛姜(じょかつ・きょう) 若白髪の軍師。
百憩(ひゃっけい) 都で学ぶ僧侶。
覇聖鳳(はせお) 騎馬部族の頭領。
邸瑠魅(てるみ) 覇聖鳳の妻。
緋瑠魅(ひるみ) 邸瑠魅の姉。
阿突羅(あつら) 戌族白髪部の首領。
突骨無(とごん) 阿突羅の末息子で星荷の甥。
斗羅畏(とらい) 阿突羅の孫。
☆女性主人公が奮闘する作品ですが、特に男性向け女性向けということではありません。
若い読者のみなさんを元気付けたいと思って作り込んでいます。
感想、ご意見などあればお気軽にお寄せ下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる