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エロテロリスト

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 朝のルーチンワークを済ませ、今は眼下に広がる草原で草を食むもじゃり達を見下ろしています。

「カケ、クー?」

「食う?中身はガリガリだから食べない方が良いんじゃないかな?」

飛べるので着いて来ちゃった。仕方無いね。

「確かに見た事無い野獣ですねー、あのモコモコならフェルトでも毛糸でも良い物になりそうです」

背中にくっ付いてたので連れて来られちゃった。…仕方無いね。

「成程、アレの毛を毟って我等の寝具を作っていたのか」

「次からは好きなだけ取ってあげますよ、うふふ」

保護者だから同行するのは良いとして、保護者面して付き纏うのは如何な物か。

「カケルさぁん、龍は群で雛を育てる生き物なのですよ?」

多分嘘だ。けど怒らせると困るのでスルーするー。

「わかったよう、もじゃりが逃げちゃうからオーラ出すなし」

上空三百ハーンでは流石に気付かれはしなかったが、捕食者代表を連れて来たく無かった理由がこれだ。

「くれぐれもだが、もじゃりの匂いは嗅ぐなよ?龍に効くか判らんが、少なくとも人は発情しちまうからな」

「それであんなに猛っていたのですね」

「楽しみです!」

「繁殖能力が高まるなら良い事じゃないか」

「普通の人なら死んでしまうと思うよ?」

「旦那さまが普通じゃ無くて良かったです!」

…なんて話をしている隙に、ミーネが何匹も《収納》しているので十匹程度で止めてもらった。危うく絶滅たらしめる所だったぜ…。

「ありがとミーネ。出す時は水の中に出すか、息するの止めといてくれ」

「もっと褒めるが良い」

「よしよしよしよし、偉いぞミーネよーしよしよし」

抱き締めて撫で回し、全身全霊で褒め称えた。

「私も取ります!」

羨むな!乱獲するな!張り合うな!褒めて欲しげな顔で睨むな!翔、心の短歌。

結果、全滅は免れたものの、減らし過ぎてしまったのでもう此処で取る訳にはいかなくなっちゃったよ。暫くは取らなくても良いと思えば、まあ、何とか。

「褒めてくれなきゃ夜にこっそり嗅がせます」

褒めざるを得ない。悪い意味でのエロテロリストに屈した俺は、褒めて撫でて揉んで吸った。
その後は空の上に薄く広げた煉瓦を浮かべて昼食休憩。以前リュネが言ってた天空の城。城は俺のセンス的に無理だが、天空の家くらいなら出来そうかも知れないな。

「私が作った城を浮かせれば良いのですよ」

多分それが一番早くて現実的だろう。

「リュネは浮かせるスキルとか持ってないの?」

「魔法で出来ますが消費が多くて。カケルさんのスキルは実は凄いんですよ?」

「すごいんですねー」「カケリュクケー」

「神と相談して貰ったスキルだからなー」

「成程、使いこなせていないのはその為か」

「出来るだけ使うようにはしてるんだけどね、存在すら知らないスキルとかあるし」

「ん?何だそれは。幾つ貰ったんだ?」

「一個だよ。それを使うと色々出来るんだ」

「この間雰囲気が変わった時の、あれか?」

「否、その前。女神が処分されて、そいつから貰っていたギフトが消える可能性があるからって、ギフトを消してスキルとして補填されたら、ギフトより凄いスキルになっちゃった」

「女神ですかー。で、致したのですか?」

「しないよ。最初のは美人だったけど寝起きに罵倒を浴びせてくるクソだったし、新たに赴任して来た女神は同じ顔と名前でな。前のイメージがあるから好感度が上がらないのさ」

「そっちがこの間のか」

「そ。神様関係は秘密にしといてね。イゼッタ達は知ってるけど言い触らす事でも無いし」

「カケルにスキルの使い方を教えて練習させれば何でも使いこなせるようになるのだな?…クク、面白い」

「俺はお前達に愛される男であれば、それで良いんだ」

「異議なしです!」

「クェー」

「カケルさんは既に愛されていますよ」

「そうだな。旦那様」

ゆっくり食休みした所で島に帰ろう。
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