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後程個別に対応させて頂きます
しおりを挟む小さい人種が居る事を知らないと面白さが分からないボケツッコミだが、しんみりした雰囲気が無くなって良かった。
「一瞬分からなかった」
「私だって分かりませんでしたよ!亡くなられたとばかり思ってましたしっ」
「家を襲われた後、少しだけエディアルタに居たのに」
「こっちは商業ギルドと寝床の往復で気付きませんでしたよ。カケル様とお近付きになれて一番の驚きです」
「あら?龍よりも驚いたのね」
「リュネ様、カケル様程のお方ですから騎竜とべろべろするくらいあり得ると思いました」
「シャリーよ、お前は勘違いしているぞ?」
「勘違い…、ですか?」
「カラクレナイはレッサードラゴンじゃない」
「え?」
「マジモンの龍だ」
「え?」
「伝説の厄災、なんて呼ばれてるな。カケルよ、面白がろうと説明しなかったな?」
「驚いてもらおうと思って。因みにリュネと、このミーネは大人の龍だ。怒らせると星が無くなるぞ」
「んもう、カケルさんったら。私だって星が無くなったら死んじゃいますよ」
「あわっあわわわっ、イー様申し訳ございません。驚き上書き致します。リュネ様、ミーネ様、カラクレナイ様、本当に申し訳ございませんでした!」
「うふふふふ、怒ってないから顔をあげて?」
「そうだぞ、全てカケルのせいだからな」
「カケリュ…。ギェッ」
「うっ…、シャリー、皆もごめんよ。後程個別に対応させて頂きますので平に御容赦を…」
「カケル様、ギルドの中間職みたいですよ?」
「シャリー、私は良い。カケルを許したげて」
「はい。カケル様、私、イーさ…奥様のメイドとして働きたいです」
「わかった」
「それなら我等の同僚だな。宜しく頼むぞ後輩」
「ならばシャリーさん後輩」
「辞めて下さい!」
すっかり姦しさに包まれた居間をそっと抜け出し、俺は寝室で寝る。夕方には誰か起こしに来るだろう。おやすみなさい…zzz
「カケー。カーケーリュー」
れろんれろんと優しく舐められ目が覚めると、カラクレナイが枕になってた。ひんやりして気持ち良いが飯の時間だな。カラクレナイをひもじくさせてはならないので起きて食堂に向かおう。背中から全身に絡み付いて密着してるのでとても歩き難い。
久しぶりの家飯はやはり美味いな…。リュネかミーネが取って来た謎肉の燻製の炙りに塩ダレの掛かった生野菜。そして野菜たっぷりのスープにソーサー。サラダと燻製をソーサーに挟めるだけ挟んで齧り付く美味さよ。
「生野菜なんて子供の時以来です」
「シャリーも野良仕事の手伝いをしてた口か」
「小人の中では群を抜いて大きかったので野良仕事や力仕事ばかりしていました。私が居るだけで集落の食材を使い過ぎていたので…」
中々に辛い生活してたんだな。いっぱい食べて大きくおなり。
鱈腹食べて湯に浸かり、今夜はゆっくり寝かせてもらう。リュネは倉庫へ、ミーネ母子はサミイを連れて自分の家へ戻って行った。
「カケル、明日どうする?」
「んー、ゲル版買って来たから新築の窓とドアを作ろうと思う。イゼッタ、テイカ、手伝ってくれるか?」
「ん」
「承知しました。棚等の小物は幾つか作ってありますが、ベッド等大物はカケル様が居ないと作れないので木材だけ用意してあります。足りないのはフェルトの材料です」
「なら、窓とドアは任せても良いか?俺はもじゃりを取って来るよ」
「任せて」
「任されました。今夜はおっぱいだけで我慢します」
皆のおっぱいを代わる代わるちゅぱちゅぱする俺を、不思議そうな目でシャリーは見ていた。
俺も明日の為に寝よう。
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