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水下痢

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 害意を持つ者は一人。後は命令されて動く唯の案山子である。多分此奴が此処の頭なのだろう。《洗脳》して話を聞いてやる。
聞くと、此奴は警備隊の隊長の一人で、俺が暗殺者ギルドの連中から何かを奪ったとの事で総長から討伐命令を受けたそうな。何かって何だよ?とは思うが、此奴もそこまで信用されて無いって事か。
《感知》を使い、更に此奴に居場所を聞いて総長を探し出すと、人の多い部屋で発見した。会議室だと言うので下腹部を集中的に《威圧》する。勿論服を着たままの脱糞放尿である。これ一回では終わらせない。水の棒から出した水を《収納》し、取り出す先は総長の大腸。出し切った腸内に突然入り込んだ水分が、《威圧》を受けて宿便と混ざり合い、ガスと共に噴出する。水下痢である。会議室が大変な事になっているのは動きを見たら明らかだ。
さて、次は此奴等だ。隊長以外の案山子共には暗示レベルの弱い《洗脳》を掛けてやり全員に指示を出して全裸のまま解放した。
お次は暗殺者ギルドだが、これは皆殺しで良いよな、何の役にも立たないし。昨夜見付けた小山に向かうと木こりに扮した見張りが彷徨いてる。木こりの癖に木を切らないとかマヌケにも程がある。外に居る全員の脳を《散開》させると、声も無く死んだので回収しておく。外が安全になった所で、中に居る奴等も同様に殺す。
皆が死んだのを見計らい、入口の横の山肌に穴を開けて侵入した。罠とかありそうだしな。通路に出ようとして立ち止まり、ここからはクリープで浮いて行く。死体を回収しながら移動して、金目の物を頂戴したら用済みなのでひん剥いた死体と共に通路を埋めておいた。モンスターの巣になったら困るからなー。
夕方迄帰れないし、樹冠に床を張って昼寝しよう。屋根と壁も作ってカプセルホテルのモジュール程の箱を組んで寝た。たまには一人寝も良いものだ…。


 熟睡して街に戻って来ると、門兵が凄く不機嫌になっていた。裸の男達が門前で輪になって奇声を発しながら抜き差ししていたらしい。街を出るゴロツキもドン引きのトコロテンショーを片付ける羽目に遭ったのが門兵達で、口々にアイツラコロスと呟いていた。通りで臭い訳だ、浮いてて良かった。
ママ上殿にフレッシュなゴーラをお裾分けしてカロ邸へ。風呂飯したら夜勤最終日に向かおう。

 ギルドの地下が妙に混んでる…。新しい鑑札を受け取り待ち合わせ場所に向かうと彼方此方から目で挨拶される。されてるのは俺では無くリュネなのだが。
昨夜のゴロツキが何人も警備依頼を受けたようで、普段の噴水広場並の混み具合になってしまった。その割に警備隊員の数は少なく、待ち合わせ場所には一人だけだった。

「お前らがアマルディ達が言っていた冒険者か?」

ウェーブパツキンの美人さん。鋭い目付きでプライド高そう。

「何を言ったか分からんがアマルディと組んでいた冒険者だ」

「私はメリア、随分と勝手をしてくれたそうじゃないか。アマルディが報告書と睨めっこしていたぞ?」

「カケルだ。皆で協力して治安維持に努めただけさ」

「シトンだ。あたいは役立たずさ」

「アズだ。私はナンパもされませんでしたさ」

「リュネだ…って、私もするんですか?」

「アマルディから其方には様を付けろと聞いている。身分ある方のする仕事では無いのだがな」

「物見遊山です。うふふ」

「気を付ける事だな。今夜から明日に掛けて来る兵は戦闘奴隷だ」

「昼間は監視されて移動するんだろう?」

「勿論だ。抜け出されたら厄介な事になる」

「あらこわい。カケルさん、守って下さいね」

どの口が言うのか。可愛い顔で小首を傾げるその口ですね、後でキスしてやる!
ジト目のメリアを先頭に、イチャイチャしながら移動した。
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