上 下
248 / 1,519

中々の慧眼

しおりを挟む


 目を閉じて、開くと見知った天井だった。内臓と生殖機能を再構築したと言うが、実感は無い。股間のカチカチはこれで通常状態になったと言うが、変わりなくカチカチなので分からない。

「カケル様、また何かしましたか?」

頭の上からテイカが膝枕してくれる。

「おはよう。また神に会っちゃったよ。よく分かったな」

「光ってましたから」

そりゃ分かるわな。左右で寝てる子等は俺が光ってても気にせず寝てると言う事か。さて、何人が違和感に気付くのだろうか。起きるまで太腿を堪能していよう。すりすりぺろぺろくんかくんか…。

バタン!ドカドカドカドカッ!

「ん?何だカケルか」

誰か入って来たと思ったら敏感ママのミーネだ。おかげで寝てる子皆起きてしまった。

「どしたの?ミーネ様…、カケル…、魔力の質が変わ…すぅ」

目が開いてないけど分かるのか?おやすみイゼッタ。

「お早う御座います。確かに変わったように思います。色等変わりは無いのですが…」

  「魔力の放出が抑えられていますね。抑えて尚それだけ出てるのは凄いですが」
「雰囲気が変わったくらいしか私には分からんな。また神にでも会って来たのか?」

皆中々の慧眼の持ち主だ。お腹空いたしイゼッタを浮かせて飯に行こう。食堂に着くと兎達が俺を見る…怖いよ。暫く見て、挨拶して、仕事に戻った。テイカが何もしなければ安全な俺、確かそんな事言ってた気がする。怖くないよー?食べないよー?
水を飲み飲み飯を待っていると、ミーネに抱かれたカラクレナイとリュネが起きて来た。

「……グェ」

「おはようございます。またですか?カケルさん」

「おはよう。食事の後にでも皆に説明しようかと思う。カラクレナイも気付いてるようだね、凄いぞー」

カラクレナイは兎達同様じーっと此方を見ている。ミーネの腕から降り、俺の周りをウロウロしながら大きな瞳で凝視する。睫毛長いなー。

かぷ。

食われた。目の前真っ暗。そしてべろべろべろべろ。どうにか警戒を解いてくれたようだ。味見してるだけかも知れないが、飯が来るまで膝に乗せて味わってもらった。


「皆、ちょっと聞いてくれ」

メイド達が食後のお茶を持って来た所で話を切り出す。魔力臓器が出来た事、今度こそ妊娠させられる事を話すと皆驚いていた。

「魔力臓器、初めて聞いた」

魔法を使えるイゼッタ達ですら初耳の臓器らしい。シルケには解剖学とか無いのかな?怪我も病気も魔法で治すとなると、科学依存の医学は発展しないのだろう。

「魔力臓器の活性化が出来ればあたしにも使えるようになるのですね?」

期待してる目だが活性化の方法までは聞いて無かったんだよな、気長に探すしか無い。

「カケル、早速魔法使ってみる?」

部屋の中では危ないので表に出た。ミーネの家を背に受けて、正面は下り坂。…何したら良いのか?

「得意属性が分からないんだが、どの魔法を使えば良いのだろうか?」

「先ずは水が良ろしいかと。下は川ですから一杯出しても問題ありません」

一杯出すと多分大変な事になる。そんな予感しかしない。賢者ノーノの真似をして、掌に魔力を溜めておしっこくらいの水量をイメージする…。

「出ろ」

ジョバジョバジョバジョバジョバジョバ!

掌全体からおしっこが出るとこんな感じか。もっと細く、指先から出るように念じると指の先から五本のおしっこが出るようになった。水芸かよ。

  「初めての魔法で無詠唱なんて信じられませんね」
「ご主人、ノーノも褒めてるぞー」

指一本で出せるようになるまで少し時間が掛かったが、これで!遂に!俺も!魔法使いだ!!

「カケル様が魔法を使えたら、あたしは役立たずですね…」

「テイカは必要!」

ちょっと宥め賺して来るので暫くお待ち下さい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

追放シーフの成り上がり

白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。 前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。 これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。 ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。 ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに…… 「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。 ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。 新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。 理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。 そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。 ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。 それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。 自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。 そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」? 戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...