227 / 1,519
やはり俺はダンジョンに呼ばれて無いようだ
しおりを挟むテイカに連れて来られたのはちょっと高めのダブルルームだった。狭いけど荷物も無いし、重なって寝れば問題無い。
「只今戻りました」「ただいまー」
「おかえり。ご飯食べにこ」
切なさを堪えて居たのだな、抱き抱えて一階の食堂に連れて行き、それなりの料理をそれなりに食べた。ラビアン達の料理は美味いのだと実感する。
夕飯後はベッドで川の字になり、明日の予定等を話し合う。属性魔石のエディアルタと元ナーバーグへの出荷は一先ず終わったが、もっと寄越せと追加分、そしてバルタリンドの分を新造する予定が入ってる。
「ゲル版も欲しいです」
バルタリンドでゲル版も買わなきゃね。
「大きさを気にしなきゃダンジョンが楽、らしい」
ずっと気になってるダンジョンだが、時間が掛かる関係上中々足が向かないでいる。帰りが遅いとカラクレナイがきっと寂しがるからな。とは言え先っちょだけでも経験したい。
「近くじゃ無いけどダンジョン都市がある。サライプラマ」
そんな街があるのか。明日ギルドでサライプラマの場所を聞いてみよう。Fランクで行けるなら行ってみたいし。
「はあ?死にたければ行けば良いんじゃないっすかね?」
またハズレ職員を引いたようだ。空いてる所だからむさいハゲのおっさんかと思いきや、ガサツそうだが磨けば光りそうな女子だったので少し期待したが、しっかりガサツでした。元ナーバーグギルドから来た子だな。
「カケルさん、此方へどうぞー」
声を掛けて来たのは鑑定士のマニア、数少ない男の知り合いだ。
「すみません、カケルさんの事を知らない子なので」
「もう諦めたよ。それでダンジョンにはFラン底辺の俺でも入れるのか?」
「サライプラマのギルドで入場料と鑑札を交換すればランク関係無く入る事は出来ますよ。但し、普通のFランクが入って稼ぐには割に合わない値段ですが」
「日帰り観光は損なのかー」
やはり俺はダンジョンに呼ばれて無いようだ。
「払った分元を取らないと生活出来ませんからね。それで亡くなったら馬鹿馬鹿しいですが。あ、そうだ、振り込み来てるので確認お願いします」
振込み確認したら暫くこっちの大陸には用が無い。大人しくエディアルタに移動しよう。
今から出ても着くのは閉門後。昼、夕、朝食の材料を買い込んでゆっくり移動する事にした。
とは言え海の上は見る物も無く暇である。昼飯の串焼きを食べ終えて仮眠するしか無い。女子は二人ともたっぷりされてくったりだ。少し速度を上げてヒズラー大陸に入ってしまおう。
「カケル様、カケル様、大陸に入りました」
俺もすっかり寝ていたようで、見下ろすと森だった。空は日が落ちて暗くなり始めている。荷車を降ろしてキャンプするか。
イゼッタに周囲三十ハーンの木をおが屑にしてもらったら、《集結》で丸く固めて空に浮かせとく。剥き出しになった地面には《伸縮》で五ハーンの堀と二十ハーンの壁を作り平地は平らにした。壁の上から先程丸めたおが屑の塊を傘状に伸ばし壁に乗せ、壁に小さな穴を幾つか開けたら直径二十ハーン程のテントの完成だ。荷車を置いたら料理を始めてもらい、その間にトイレの個室を作り、光の属性魔石を各所にセットした。
「キャンプの概念が変わる」
「雨風魔物に悩まされずに済みますね」
「やっぱり土魔法は欲しいよ。石の塊をドドーンって並べたい」
「ご飯食べたら魔法の練習する?」
夕飯は、塩と香辛料を振って保存性を高めた肉を焼いたのと、干し肉と野菜のスープでシンプルに。夕食後は皆で《洗浄》して魔法の練習をして寝た。集中してるのにしゃぶしゃぶして来るのは何故なのか?
水は出なかったが白いのは出ました。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
目覚めた世界は異世界化? ~目が覚めたら十年後でした~
白い彗星
ファンタジー
十年という年月が、彼の中から奪われた。
目覚めた少年、達志が目にしたのは、自分が今までに見たことのない世界。見知らぬ景色、人ならざる者……まるで、ファンタジーの中の異世界のような世界が、あった。
今流行りの『異世界召喚』!? そう予想するが、衝撃の真実が明かされる!
なんと達志は十年もの間眠り続け、その間に世界は魔法ありきのファンタジー世界になっていた!?
非日常が日常となった世界で、現実を生きていくことに。
大人になった幼なじみ、新しい仲間、そして……
十年もの時間が流れた世界で、世界に取り残された達志。しかし彼は、それでも動き出した時間を手に、己の足を進めていく。
エブリスタで投稿していたものを、中身を手直しして投稿しなおしていきます!
エブリスタ、小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも、投稿してます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる