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あたたたたーっ

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「え?今日はカケル様も料理するんですか?」

俺ってば、この島に住み出してから殆ど料理させて貰えなかったから、食べる人と思われているようだ。まあ、自分で作るより異性に作って貰った方が嬉しいのだけどな。

「皆も食べられる、カラクレナイ用の料理を作るのさ。覚えておくと良いよ」

洗った板を俎にして、受け取った包丁で魚の柵を細かく切り刻む。柵と言っても五十ドン×三辺程もあるので結構大変だ。隣で香りのある野菜を微塵切りしてもらった。。魚と野菜を合わせたら、塩とマタル粉を適量入れて、包丁二本であたたたた!練り混ぜ叩いてあたたたたーっとミンチにしてやった。

「今日は魚だが肉でも出来るぞ。今回はスープに入れる」

ラビアンが干しトカゲと野菜のスープを仕込んでいたので仲間に入れてもらおう。握り出してピンポン球サイズに丸めたら、トポトポとスープに落としてく。灰汁を取ると言う概念が無いようで不思議がっていたが、何故取ねばならんのかは俺にも分からん。灰汁取りの続きと味付けはラビアンにお任せして俺の仕事は終わりだ。料理に使った調理器具も《洗浄》したし、好きなだけぺろぺろするが良い。

料理の合間にぺろぺろされて、夕飯はつみれ入りスープと焼き魚にソーサーとなった。米食べたい。

「この丸いの、カケルの?」

「つみれ、と言う団子だ。さっきの魚で作ったんだ」

「ラビアン達とイチャコラしてたのでは無かったのですね」

「はふ!あふ…、やーらかくて美味しいです!」

美味いと聞いて皆挙って口にする。そんなに不安だったか?マタル粉がちょっと少なかったせいか少し柔らかいが美味いな。

「奥歯もあるし、そんなに気遣う事は無いぞ?」

「龍の食事は基本丸呑みですからね、ふふっ」

「城でも見た事の無い料理法ですな」

「お菓子しか作った事が御座いませんが、もしかして焼いても頂けるのでしょうか?」

「よく気付いたなリア。焼いても美味いぞ」

  「流石です姫様」
その内ハンバーグでも作ってやるか。カラクレナイも気に入ってくれたようで、丸い子が益々丸くなってしまった。

俺が料理したりぺろぺろされてる間に、巨大魚は全て解体されて干し魚と燻製に加工され、生ゴミは海に還元されたと聞いた。大変だったと念を押して来る辺り、労って欲しいのだろう。浴場で欲情した女達としっぽりしてぐっすり。


 翌日は既に作成を終えていた属性魔石を持ってエディアルタに向かう。帰りにバルタリンドでミズゲルの核を調達するのでテイカとイゼッタが同行する。サミイは帰りたくないと、カラクレナイは行かないでとごねたが流石に人化出来無い龍を連れて行く訳には行かない。抱き締めてスリスリしてべろべろされて、後ろ髪を引っ張られて島を出発した。
エディアルタに着いたのは夕方の閉門ギリギリだった。休憩無しでぶっ飛ばし、トイレも荷車から垂れ流してこの時間だ。空荷の荷車を何時もの駐車場に預けたらイゼッタとテイカには宿の手配をしてもらう。空いてると良いんだがな。俺は真っ直ぐギルドへ向かった。
ギルマスの部屋に通されて、喉を潤し荷物を出す。

「お前、遊びに来ただけかと思ったら《収納》持ちだったのか!」

「後付けだよ。此処には遊ぶ場所無いだろが」

「娼館があるだろうが」

「行ける訳無いだろうが!」

ニヤニヤと愛妻家呼ばわりするギルマスに、女性秘書のジト目が突き刺さり、注意から説教へと変わる。段々小さくなり行くギルマスを横目に《阻害》を掛けて、そっと部屋を後にした。金は振り込みにしてもらうよう職員に連絡してギルドを出た。

「何処かへお出掛けですか?」

「冗談じゃねぇ待ってたんだ」

後ろからテイカに呼び止められた。
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