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わろとるで。
しおりを挟む午後はシャッキリ眠気も消えて、しっかり働きます。イゼッタと共に太い丸太を切って来て、皮を剥いだら二十ドンくらいの輪切りにし、割って割って棒にする。割った角棒はイゼッタが魔法で削り、テイカが先っちょを加工して水の属性魔石をめり込ませて行く。水と光で総数四千本以上。これは大変だ。
「カケル様、私達もお手伝い致しますよ」
お昼寝係のリアとリュネもやって来た。リアはイゼッタが削る予定の角棒を風魔法で一列に浮かせて回転させる。これならイゼッタは削る事だけに集中出来るな。リュネは十本ずつ蔦で纏めて箱詰めだ。地味に助かる。そして気付くと大木が横に転がってる。とても助かる。
更に、一仕事終えて休憩してた畑組の兎達もテイカのサポートに入り、効率化が進んだ。
午後からの数時間で水属性の棒が二百程完成し、棒パーツは数えられない程出来た。兎達の器用さなら石の取り付けも出来るだろうし、取り敢えずは各五百本ずつ作ってエディアルタとナーバーグ跡地に持って行こう。
この日の夜からトントンと石をめり込ませる内職の音が兎達の居住区から聞こえるようになった。夜なべ仕事は好きなのだそうだ。その頑張りもあって、各五百本の棒は二日で完成した。俺達が出掛けている間、更に数を作ってくれる事だろう。
そんな皆への労いを兼ねて、今森にて狩りしてます。干し肉や燻製肉は売る程残ってるけど、生肉は星にしたトカゲだけなんだよね。偶には他の肉も食べたいのだ。
スキルでゴーラを集めて首スパー。木に吊るして血と臟を抜いたら一纏めに蔦で縛って島に帰ります。
「カケル様、お帰りなさい。早速焼きましょう」
「タレに漬けて夜食べよ?」
「カケルさまおかえりー…ってゴーラじゃーん」「ドラゴンはー?」「角のやつはー?」
舌の肥えたお子様め。山羊っぽいのは遠いしドラゴンは勝てないんだよ。それにトカゲ肉なら冷凍されてるからな!
「おかえりなさい、カケルさん。早速焼きましょう」
肉食獣は同じ事しか言わないのか?油に塩と香辛料等を混ぜたタレに漬け込むと葱塩みたいで美味いんだよ?
「リュネさまー、カケルさまがドラゴン取ってきてくーんーなーいー」「赤いのがいるってこの間聞いたしー」「角ほしー」
「龍はとても強いのですよ?見付かったら食べられちゃいますよ?」
「カケルさまがやんないならオレがやってやんよ!」「ふくろだたきのボッコボコだぜ!」「ツノ!ツノ!」
「カケル様、もしかしたら龍が来てしまうかもしれませんねー、うっふふふ」
ああ…、龍の逆鱗に吐息を吹き掛けてしまったか。
「雌だったら可哀想だろ、止めて差し上げろ」
「おっぱい吸ってやんよー」「俺もー」「ツノペロペロー」
今のリュネは角も尻尾も立派に生え揃っているのだが、何故このガキンチョ共は気付かないのだろうか?角なんて 三十ドン程まで伸びて五又くらいに別れてんだぞ?羽が生えてたら気付くのか?
「じゃあ、龍を呼んでみますね。カケルさんも頑張って下さいねっ」
「何を頑張れば良いのか…。おっぱい吸ったら良いのか?」
つか、龍のおっぱい、何処よ!?
聞く間も無く消えたリュネ。そして空に閃光!光の中から現れたのは光を受けて白く輝く、薄ピンクの龍だった。
「グギャギャギャギャーー!!」
わろとるで。大音量の笑い声、皆に聞こえぬ筈も無く、皆が玄関前に集まった。
「わわっ!ドラゴ…ん?」
イゼッタは気付いたか。リアやメイドと共に部屋に戻って行った。
「ちょっと待てノーノ!龍のおっぱいって何処だ!?」
尤もな意見である。
「ご主人…、ドラゴンは卵で増えるんだぞ?騎龍の雛だって生肉を食わせて育てるらしいし、乳など吸うと思うか?」
…尤もな、意見である。
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