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やらして
しおりを挟む「イゼッタ、リア、リュネ、これを見てくれ」
居間で夕食後のお茶を飲みながら魔法が使える三人に小枝を見てもらった。
「小枝…魔力が高い小枝」
「先端に何か小さな…砂粒?ここから水っぽい魔力を感じますね」
「カケル様、まさかと思いますが属性魔石ではありませんか?」
「魔力を込めると水が出る。ノーノに水魔法を付与してもらって、フラーラに試してもらったんだ」
「やってみて良い?」
部屋の中では止めた方が良いな。玄関開けて、さあどうぞ。水魔法が使えるイゼッタではどの様な反応があるのか楽しみである。皆が見守る中、イゼッタが小枝を手にして魔力を込めるとペットボトル程の太さの水が飛び出した。
「水が出た!」
水が出るって言っただろ。
「私も試してみとう御座います」
リアもほぼ変わらずの太さの水が出た。魔力量はイゼッタの方が遥かに多いので、太さの差は魔力量では無く、魔法を使い慣れてるかどうかだと思われる。ノーノにもやらせてみたらチョロチョロだった。が、これは属性魔石を作る時と同様に、送る量を調節したとの事。調節無しだとドバドバ出た。何か凄い。
「カケル様、あたしもやります」
テイカは普通にジャーだった。何だか悔しそうなので撫でてやる。よしよし。
「私も試すべきでしょうね」
わくわく顔のリュネを止める事など出来無い。調節しないと壊れる、もしくは魔力を使い切るだろうな。耐久性のテストも兼ねているので壊れて良いので全力でやってもらった。
案の定、属性魔石が砕け散った…と思う。どっか行っちゃった。
皆が気まずい雰囲気になってるのでポケットからミズゲルの核を取り出し《集結》で固め、魔力を注いでノーノに水滴を垂らしてもらった。
「属性魔石を作るの、初めて見た」
「魔法ギルドの秘匿とされていますから…」
「《集結》で固めるのは俺のオリジナルだから平気だろ?」
「ご自身で発見されたのですか!?凄いですね…」
小枝にグリグリ押し込んで、魔法の杖が復活した。
「結局、耐久性も持続力も分からなかったな。まあ、明日子兎達に使わせてみて、使えるなら量産してみるか」
「カケルさん、他の属性は試してみたのですか?」
「まだ全然。付与出来るのがノーノしか居なかったしな。光魔法とかあると便利そうだ」
「カケル、やらして」
ミズゲルの核を取り出して、固めて魔力を注いだらイゼッタにくれてやる。光の魔法だとどう付与するのだろうか?
「取り敢えず、光るようにしてみる」
既に光ってるんだがな。光を当てて、光が消えて、魔力を込めて光れば成功か?ほんの少しで多分大丈夫だろうと一言告げると、イゼッタの指先がほんのり光り、むぎゅっと砂粒に当てられた。
「どうかな?」
「光は消えたから上手く行ってるかも知れん。テイカ、魔力を込めてくれ」
「…暫くお待ちを」
外に出て行ったので暫く待つ…と、木っ端を円錐に加工した物を作って来た。円錐の先っちょを砂粒にグリグリして固定したら魔道照明の完成だ。ちゃんと光ればだがな。
「お待たせしました」
そう言って円錐に魔力を込めると、イゼッタの光魔法には及ばないものの充分な明かりを得る事が出来た。トンネルの明かりに使うのなら問題無さそうだ。持続力を調べたいので今夜は付けっぱなしにしよう。
とは言え寝るには明る過ぎるので、上からコップを被せたら何か間接照明みたいになった。
照明器具は朝になっても消えなかったので更に放置。子供等には六つ作って一本ずつ持たせ畑チームの手伝いをしてもらった。子供でも扱えたので量産しても良さそうだ。
途中から水掛け祭に発展して大人兎に叱られていたそうだ。
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*この小説は「小説家になろう」で投稿されている『二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す』とほぼ同じ物です。こちらは不定期投稿になりますが、基本的に「小説家になろう」で投稿された部分まで投稿する予定です。
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