上 下
179 / 1,519

ヤラせて

しおりを挟む


 やる事、そうだ、サミイにも種付けしなきゃ。それにラビアン達も。ついでにカロと、防具屋のタンク…は痩せたら考えよう。ああ、シトンとアズ。アズはともかくシトンにはなるべく早く種付けしないといけないな。
朝食を終え次第街に行く事にした。

「カケル様、これをお持ち下さい」

テイカが干したトカゲの生皮を持たせてくれた。良いのか?テント作るって聞いたので遠慮したが、材料分は確保済みとの事なので有難く荷車に詰め込んだ。

「お土産は、朝のアレで…」

賄賂か!?癒着するまで捩じ込んでやろう。楽しみにしてろよ?

 今日は一人なので限界までぶっ飛ばし、小一時間で街に着いた。寝具店に荷車を置いて、サミイと家族に挨拶したら、生皮を担いでギルドへ向かう。
昼前で、人の少ないギルドに入ると暇な職員全員に見られた。まあ、高い物担いでるし見るわな。買取カウンターに向かうと何時も鑑定してくれる男がいそいそ走ってやって来た。

「暫くです。今日はドラゴンですか」

「レッサーだよ」

「言わなきゃバレないのに」

「本物のドラゴンに知れたら怒られるぞ?」

「それは怖いですね。此処では何ですので奥に行きましょう」

奥と言ったら解体場だ。買取カウンターに話を通さず通してしまって良いのだろうか?鑑定士も買取業務出来るのだろうって事にしとく。
扉を開けると何時もの通り、持ち込まれた獲物を解体する風景が目に映る。それ等を指揮するボインさんのボインに目が離せない。

「ん?また来たのかいカケル。今度は…へぇ」

作業机に乗せろとばかりに机に尻を乗せて待つボイン。

「タマリーさんに会うにはこれしか無いと思ってな」

「間違っちゃ無いがおべっかは要らないよ」

「じゃあヤラせて?」

「モノを見てからだね。さっさと出しな」

ちんぽではなく生皮を机に広げた。ちんぽを出したらきっと切られる。

「ドラ…、レッサーか。それでも程度は良いね。胴体だけだが量もあ…にぃ、さん…三体?」

「よく分かったな」

滅多に出ない、つーか前回の出物も俺が持ち込んだ物だが、そんなレッサードラゴンの皮がいきなり三枚も持ち込まれた事に驚きを隠せないボイン。揺れるたわわが心情を表しているな。凝視凝視。

「そんなに見たいのかい?」

「愚問だ。見たい揉みたいしゃぶりたい」

「仕事が終わったらな」

「それ終わらないフラグじゃん」

「フラ?日が落ちたら宿屋前で待ってな」

朝まで待つ所存である。その後ボインと尻を凝視しながら皮の採寸を終わるのを待ち、ギルド証に入金を確認してギルドを出た。が、やる事が無いので飯屋で昼飯食って、カロ邸でメイドに明日寄るのを伝えたら、寝具店で手伝いして時間を潰した。
そして夕暮れ。ギルドの隣に建つ宿屋の前で立ち尽くして待っていると影を纏ったボインが現れた。

「待たせたね」

「初めて会った時から何日待ったか」

「そん時から狙ってたってのかい?」

「男の性だよ」

「嬉しいねぇ。さあ、こっちだ」

振り向かずにスタスタ行ってしまうので、フリフリ揺れる尻を目印に着いて行くと住宅街の奥にある一軒家に連れて来られた。

「あたしの家さ、遠慮せず入んな」

誘われるままに玄関を潜るとカチャリと鍵の閉まる音。戸締り大事だもんな、我が家には付いてないけど。
玄関の先は椅子やテーブルの置かれた居間になっていて、仕事用思しき紙束やら刃物なんかが無造作に置かれていた。

「あまりジロジロ見ないでおくれよ」

すぐ後ろから声が掛かり、背中に柔らかい物が当たる。張りのあるボインのくせに柔らかいとか何たる卑怯。素晴らしい。

「タマリーさんや、痛いのだが?」

腰骨の横にナイフ刺すの辞めて頂きたい。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。 どんなスキルかというと…? 本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。 パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。 だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。 テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。 勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。 そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。 ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。 テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を… 8月5日0:30… HOTランキング3位に浮上しました。 8月5日5:00… HOTランキング2位になりました! 8月5日13:00… HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ ) 皆様の応援のおかげです(つД`)ノ

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第六部完結】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

処理中です...