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お土産

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 朝起きて、朝食摂ったらチェックアウト。その足で食料や皆への土産を買い漁り、荷車に載せたら延滞金を払って出発だ。荷車の事をすっかり忘れてた訳だが、ホルスト等の世話が無いからマシだと言われた。次はちゃんと払うよ。
で、今は木の上のキャンプ場で設営して貰ってる。俺はと言うと、上空からリュネへのお土産を《感知》で探してる真っ最中である。
この大陸、リュネのお眼鏡に叶う程のが居ないみたい。それ所かゲビト程度のすら居ない。何でだ?
キャンプ場に降りてイゼッタ先生に聞いてみる。

「なあイゼッタよ、この大陸って強いモンスターとかって居ないの?」

「地上には殆ど居ない」

「なら属性魔石の材料って、どっから取って来るんだ?」

「地下のモンスターが魔石を出すらしい」

「ダンジョンかー」

「んむ」

「先ずはリュネのお土産。次に帰ってセックスする!ダンジョンはそれからだ」

「カケル様、我慢なさってたのですか?」

「したかったら遠慮せず来るが良いのに」

「カケル様が真面目に働いていたのであたしも我慢してました。今すぐでもどうぞ?」

  「いつでも、どこでも、なんどでも」
「皆に報告するまで我慢してるの、分かってた。カケルは皆に平等」

「「「「…………」」」」

「カケル様、おっぱいならどうぞお好きにお舐り下さいね」

「ご主人、私のも揉むが良い」

「カケル様の我慢にお供します。此方もお揉み下さい」

  「お舐めするのは良いのでしょうか…?」
掌が光速で一回転するのを見た。リュネへのお土産は大陸を渡ってからでも良いだろう。飯食って、皆の汗ばんだおっぱいを舐った後《洗浄》して寝た。
やはり一瞬ビタビタになるのが気持ち悪い。

 翌日は《感知》しながら移動して、多分レッサードラゴンだろう、えらく強そうな奴の方に向かう。レッサードラゴンだと思うんだけどこんなに強かったかなー?遠目に煙を上げる島が見えて来たので近づいて行くと相手も此方に飛んで来た。
ドラゴンでした。レッサーじゃ無かった。
レッサードラゴンを羽の生えたトカゲとリュネは言う。確かにその通りだ、存在感からして違うわ。

「ギョグルギョワー!」

人の発音で表現するとこんな感じの大音量の鳴き声が鼓膜を直撃した。荷車の屋根に乗って観察してたので耳が痛い。

「ギャーワ!グギュウゥグアー!」

「何だと?」

「何だと?」と言ったのは目の前に居る真っ赤なドラゴンである。そりゃそうだ、いきなり人が本来使える筈も無い龍の言葉を使ったのだ。しかも龍に知り合いの居る人等稀である。因みに、話したり出来るのはスキル《理解》の賜物だ。

「知り合いの傷を治すのに魔石を探して居るんだ」

「それで、我を狩ろうとするか」

ドラゴンの顔が歪んでる。怒ってるのか笑ってるのか判らんな。

「流石に同族のはダメだろ。治っても遺恨が残りそうだ。知り合いでしたー、とか兄弟姉妹でしたー、とかいかんだろ」

「……興味が失せた。立ち去れば忘れてやろう」

「マジ助かる」

荷車の中に戻り、違う獲物を探して移動した。

「カケル、龍にモテモテ」

「カケル様、私初めて龍の姿のドラゴンを拝見致しました!」

「ドラゴンと対峙して無傷なんて奇跡だぞご主人」

  「多分あれは火属性のドラゴン、若そうなのでフレイムかインフェルノ辺りでしょうか」
「雌の顔をしていましたね」

「え?あれ雌なの?」

テイカの発言にびっくりである。恋する乙女の顔には見えなかったぞ?

  「確かに雌かも知れません、交接器の膨らみが小さかった様に思います」
そんなの初めて知ったよ。ノーノはリュネ以外に龍の知り合いでも居るのだろうか?

「じ、冗談だったのですが…」

このお茶目さんめ!




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