上 下
151 / 1,519

ごぶしで

しおりを挟む


 サミイとの子が出来ない話を三人に伝えたが、答えはあっさりしたものだった。

「神様がそう言うんなら仕方ないだろな」

子供云々よりも女神と話が出来る方が問題だと。それに母親殿が孕んでいるし跡取りは問題無く、そもそも家を継ぐ必要も無いのだと。

「旦那さまとの子が出来ないのは残念ですけど、それで嫌いになったりしませんよ。今日から暫く通い妻しますのでよろしくお願いします!」

これは断れないな。サミイを荷車に詰め込んで結構キツい。
衆目を集めながら街を後にした。

 門を出てすぐ飛べるのは魔法だと言いふらしてるおかげだ。荷物が増えた分集中してるイゼッタだが何時まで持つかな?
後ろからコソコソと着いて来てるがこの先には森もあるし、海を越えたら追って来れまい。来たら魚の餌になるからな。

「サミイ、そこ狭過ぎだろ上に乗れ」

「えー?イゼッタさま、良いですか?」

「ぐぬ…、集中…」

何時も平常心で操縦出来るとは限らんのだ。怪我したり、怪我人を乗せたり、死んだと思った獲物が動き出したり。そんな状況でも魔法を維持出来るようにする訓練なのである。サミイのキツマンに突っ込みたかった…訳じゃない!
ズボンからブルンッと現れたアイツに跨らせ、パンツを下ろしたサミイのソイツと擦り合わせると、粘度の高い音が車内に響く。

三十分程くちゅくちゅやって、キツキツのヌルヌルにぬぽぬぽする。我慢せず、ぽっこりお腹になるまで注ぎ込み、ぐったりのサミイに更なる抽挿を繰り返す。イゼッタはぐぬぐぬ言いながら額に汗して集中してる。そろそろか。

「イゼッタ、次はお前だ」

「カ~ケ~ルゥ~~~…」

落ちた!
無重力を味わってイゼッタが泡食ってる。立ち直せそうにないので操縦を代わり、再び浮上した。

「イゼッタよ、まだまだだな」

「精進する…」

サミイとイゼッタを交代させて進んでく。荷車を風で包んでないので速度が出せないが休憩と言う事にしておこう。二回注いで納得したので再び操縦を代わり家に向かわせた。
勿論テイカにも注ぎましたよ。家に着くまでずっとな。

「お風呂に、入る気力が…ありません」

夕飯食わずにヤられてたらこうなる。
荷物を降ろして風呂に入れ、洗わせ洗われ揉み揉まれ。
明日から狩りに行くのでサミイを抱き締め直ぐに寝た。


 朝飯を食べながらサミイが嘆く。

「折角通い妻しに来たのにー」

「そんなに時間を掛けないで帰って来るつもりだよ。日を跨ぐ可能性もあるからしっかり準備したんだ」

「ごぶじで」

「ご無事で」

「「ご無事で「ご無事で」」」

「私も言うべき…ですね、ご無事で」

「わかりました!大人しく待ってます。ごぶじで!」

空気を読んだリュネ、やれば出来る子。
サミイは半ば自棄やけである。
食休みのお茶を飲み、装備を整え飛び上がる。上空千ハーンで獲物を探す。
ただ大きい物を指示するとホントのドラゴンに遭いそうだから加減しなきゃな。

(レッサードラゴンと同じか少し小さい魔石を持つモンスターの場所まで逃げる)

ギュンっと押されて後に進んだ。こりゃ大陸渡りそうだなー。姿勢を正面に向けて速度を上げた。
気持ち良くギュンギュン進んでいると直ぐに減速してしまう。辺りは海…、ヤバい気がする。
百ハーンまで降りて凝視する海面は深い青。右手に大鉈、左手に干し肉を持って心を落ち着かせる。考えろ…。干し肉を一口齧り心を決めた。干し肉の残りを手放すと、海面に着水した干し肉が沈まずその場に漂い続ける。

相変わらず逃げた後の指示は緩い。《干し肉が着水したらその場で停滞》の指示で俺と干し肉はその場で停滞した。
干し肉程度で釣られるようなモンスターなら良いのだが、水中の其奴は食に貪欲なようだ。巨大な影が海の色を変え、大口開けてちっちゃな干し肉に食らい付く。俺は全速力で逃げ出した。









しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

女神の使徒になったけど~女神が働かないので実質私が女神~

ささみ
ファンタジー
この物語はとある女の子が神様の手伝い、と言うより神様の仕事を代わりにする話 「よ〜し、勇者のサポートしよっと」 『アリアちゃ〜ん!助けて〜!』 「またかよ!?」 『間違えて神器落としちゃた〜』 「何してるのさ全くも〜」 こんな感じのゆるい女神とゆるい女の子が自由に生きるものが「私を忘れるなです!」 あっ、 ……こんな感じのゆるい女神とゆるい女の子、あとよく忘れられる妖精の物語 「よく忘れられるなんて酷いです!!!」 注意 めちゃくちゃ不定期です プロローグ以降は絶対に2000文字以上書くのは辞めました

【完結】からふるわーるど

仮面大将G
ファンタジー
平凡な高校生が雷に打たれて死んだら、異世界に微チートとして生まれ変わっちゃった話。例えフィクションの登場人物だろうが他の転生者には負けないぜ!と謎の対抗心を燃やして微チートからチートへと成長していく主人公の日常。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも同作品を掲載しております! ※この作品は作者が高校生の時に「小説家になろう」様で書き始め、44話で一旦執筆を諦めてから8年の空白期間を経て完結させた作品です。

喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜

田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。 謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった! 異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?  地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。 冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】

一樹
ファンタジー
貧乏農民出身、現某農業高校に通うスレ主は、休憩がてら息抜きにひょんなことから、名門校の受験をすることになった顛末をスレ立てをして語り始めた。 わりと強いはずの主人公がズタボロになります。 四肢欠損描写とか出てくるので、苦手な方はご注意を。 小説家になろうでも投稿しております。

病弱幼女は最強少女だった

如月花恋
ファンタジー
私は結菜(ゆいな) 一応…9歳なんだけど… 身長が全く伸びないっ!! 自分より年下の子に抜かされた!! ふぇぇん 私の身長伸びてよ~

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

処理中です...