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魔石
しおりを挟む魔石、しかも大きいの、と来れば大型モンスターなのだがやはりレッサードラゴンクラスでないとダメなのかなー?
「リュネよ、魔石の大きさに関してだが、具体的にどんなモンスターが好ましい?」
「モンスターの名前が人の呼ぶ物と違ってたりするので難しいですが…、カケルさんの食べたトカゲくらいなら最高ですね。後はー、青くて大きい人型のヤツとか…」
青い、大きい、人型…。
「目が一つで?」
「ええそうそう。そんな子ですね」
彼奴か!名前忘れてるけどあの投石は忘れんぞ!
「俺が初めて遭ったモンスターだな」
「デッドサーチャー?」
イゼッタに言われて思い出したよ。
「ふふ、人の付けた名前は格好良いですね」
「それにしてもあのレベルかー」
「もっと小さいのでも構いませんが数が必要になりますね」
レッサードラゴンはそもそもたまたま遭遇しただけだし、デッドサーチャーは大陸を渡らなきゃならん。どちらにしても難し…くは無いのか。距離を考えなければギフトで探せる訳だし。
「俺はやろうと思う。リュネとエッチはしたいけど早く傷を治してやりたい」
「私も着いてく」
皆仲間になりたそうな目で見て来るが、お留守番を言い渡す。
「イゼッタは俺より強い。だが移動が遅いし、皆の食料調達を頼みたいからお留守番だ。他の者は足手纏いなのでお留守番だ。異論はあるか?」
無いようだ。
俺は狩りの準備の準備に取り掛かった。
準備の準備。俺が狩りに行ってる間に皆が飢えない為の準備だ。主に肉。
板と角材でイゼッタ用の軽い荷車を作る所から始まる。飛べるので車輪は要らない。その代わり橇にして地面を移動できるようにしておく。屋根は骨組みに山羊モドキの皮を張り軽量化した。
「カケル、肉抜き」
四駆女子のリクエストに応えて角材の角を削ったり壁を薄くしたりした。イゼッタにテイカ、そしてラビアン六人を乗せての試験飛行は調子良さそうで、荷車全体に風を纏わせる為風防も要らないみたい。浮きながらの魔法も問題無いようだ。
「カケル様、あたし弓が欲しいです」
テイカにしては珍しいお強請りだ。荷車の中から撃つのなら小さいヤツか、弩か…。
「空から狙うのか?」
「イゼッタ様一人に負担をかける事は出来ません」
「小さい弓と弩、どっちが良い?」
「良いのですか…?」
「イゼッタ一人じゃゴーラ運べないしな。明日街で買い出しするから一緒に来い」
ありがとうの言葉をキスで止め、飯風呂寝る。エッチは無し!キスしておっぱい吸った揉んだしただけ。
今日はイゼッタ専用機の稼働試験も兼ねて街に買い出しに来た。行きから全てイゼッタの魔法で飛ばす為早起きしたが到着は昼だった。ある意味良いタイミングだな。
珍しい橇が少し浮いてるので注目を集めるがスルーしてサミイの家へ。
家族三人昼飯食べてた。タイミング悪かったかも知れん。忙しいので用が済んだらまた寄ると言って逃げて来た。
露店の串焼きを齧りながら武器屋へ向かい、武器屋の親父の腹の虫を散々刺激して、弩と箱に入ってたっぷり五百本のボルトを購入した。最後に葉っぱに包まれた串焼きを渡す俺にキラキラした目を向ける親父、やめれ。
その後は野菜や香辛料、皆の衣料を買い漁り、荷車に載せ、なかなか窮屈な室内になった。
これで問題無く飛べれば準備は完了だな。
「旦那さま…、ぺろっ!これはホイットニーさんの味」
「ホイットニーさんは食ってないぞ。ホイットニーさんの串焼きだろ?ホイットニーさん知らないけど」
飛び付いてぺろって来たサミイを抱き抱え、家族揃えて話をした。俺が孕ませられない話だ。
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