128 / 1,519
洗い場広過ぎ
しおりを挟む朝食を終えて食休みしたら複合施設の続きだ。
残るはトイレと風呂なので、規模の小さいトイレから片付ける事にした。
複合施設に入ると、既に作業を終えていた部屋にドアが設置されていた。食堂の入口はかっこいいスイングドア、倉庫にはしっかりとした作りのドアが嵌め込まれている。
倉庫と厨房は既に家具の配置を終えていて、設置前の家具等は食堂に置いてあるのだと。出掛けている間にテイカ達が頑張ったようだ。
「テイカ、頑張ったみたいだな?」
「まだまだ作り足りませんし設置もしきれてないので…」
「後でおっぱい揉んでやろう、ラビアン達もな」
「有り難きお言葉」
「昼までにトイレを終わらせてしまおうか」
トイレの入口をドアの大きさに合わせて切り取り、中をキレイに削って少し成長させたら床の上に踏ん張る台を嵌め込んで形は出来た。後はテイカがドアをくっ付けて、タマゲルを住まわせるだけとなる。
おが屑は倉庫に持ってくのが面倒だったので穴にインしたが、それだけでは足りないので廊下を走り回ってる子供等に、外に落ちてる木の葉や草を穴の中に入れるよう頼み、次の個室へ。
六部屋終わってほっと一息。そして換気口が無いのを思い出す。トイレもそうだが厨房は熱が篭もるから開けなきゃならんな、風呂が終わったらやろう。
昼まで時間があるので浴室に取り掛かる。
先ずは入口をドアの大きさに切る。
「テイカよ、此処のドアは他の部屋と同じ仕様か?」
「はい。食堂の入口以外はどの部屋でも使えるよう同じ物にしてあります」
「なら此処だけ特注したいんだが良いかな?」
「なんなりと」
そんな訳で、浴室へのドアはスリットを設けて通気性の良い物に変えてもらう。ドアの加工の為、テイカは一時離脱。俺とイゼッタは浴室へ。
「どんな感じにするの?」
「考えはあるが、一先ず全部削ってしまおう。成長させるのは浴槽が終わってからで良いな」
「わかった」
部屋の下側から、とにかく平らに削って行く。壁と床の境目は、敢えて丸みを残し掃除しやすいように、且つ水気の残らないようにした。天井と壁の境目も同様に削る。天井は半円の中心部を外壁側より多めに削ってややドーム状にした。ぽたぽた対策だ。
「お風呂何処に作るの?」
「墨で線引きして、そこを掘ってもらおうと思う」
「なるほど」
線引きの為の治具が必要だ。八十ドン程度の角材二本をくの字にくっ付け、墨と、筆替わりの枝を用意した。
くの字の足を壁に付け、頂点に墨の着いた小枝をセット。足が壁から離れないように線を引いて行くと、壁に沿って一定の幅を持たせた線が引けた。
さらに布帯を用意して、浴室の奥からコンパスの要領で線を引き、浴槽の形となった。
「このくらいの大きさで何人入れそうだ?」
「今居る分は余裕だと思う。けど洗い場広過ぎな気もする」
半径三十ハーンの半円形の浴室の端っこに、十ハーンの浴槽ではバランスが悪いか。座ったり寝転んだりするスペースを作ればバランスも取れるかな?浴槽を広くする為三ハーン程浴槽を書き足して決定とした。
書き足した外側に、治具で均等な線を引く。内側には二本引く。
「その線は?」
「外側の二本は浴槽の壁で、内側のは階段だ。三十ドンずつ深くすれば九十ドンの深さになるだろ」
「ふむふむ」
「で、浴槽の壁の外側、床の全面をなだらかな傾斜を付けて削ってもらう。排水が外に出ないようにするんだ」
「なるほど」
「最初の家みたいに排水装置が無いから少し困ってる」
「穴、掘る?」
「真下に掘り過ぎると水が出そうだからなぁ。穴を曲げて掘るのはまだ苦手だろ?」
「ん…」
「取り敢えず浴槽を彫ってしまおう」
階段一段分彫ったらおが屑が凄い。部屋中おが屑塗れで完成したドアを持って来たテイカが嫌そうな顔してた。テイカはメイド達より綺麗好きなのだ。
粉を叩いて飯にしよう。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
俺の性癖は間違っていない!~巨乳エルフに挟まれて俺はもう我慢の限界です!~
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
ある日突然、見知らぬ世界へと転移してしまった主人公。
元の世界に戻る方法を探していると、とある森で偶然にも美女なエルフと出会う。
だが彼女はとんでもない爆弾を抱えていた……そう、それは彼女の胸だ。
どうやらこの世界では大きな胸に魅力を感じる人間が
少ないらしく(主人公は大好物)彼女達はコンプレックスを抱えている様子だった。
果たして主人公の運命とは!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写などが苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
追放シーフの成り上がり
白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。
前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。
これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。
ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。
ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに……
「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。
ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。
新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。
理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。
そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。
ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。
それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。
自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。
そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」?
戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる