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役立たず

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 昨日の夜は大人の兎に色々しながら外のトイレを使って良いと伝えたので朝食を終えるとぽつりぽつりと向かって行くのが見える。
子供達に教えなかったのは灯りがまだ付けてなくて落ちたら大変だからだ。弱いタマゲルとは言えモンスター。子供なら食われてしまうだろう。なので子供達は我が家のトイレを使ってもらう事になった。落ちても蟹だから襲われる事は無い筈だ。
中のチェックはイゼッタとテイカにお任せして、俺とサミイはお買い物。そして買い物を終えた後はそのまま一旦帰宅となる。

「わたし、役立たずですか?」

「家事全般助かってるぞ?ずっと居て欲しいが、それだと親父殿達が買い付けに行けないだろ?」

「確かにそうですが…」

「早く店員を増やして欲しいものだ」

「んー、解りました!パパを引っぱたいてでも従業員を増やします!」

鼻息荒く宣言し、荷車に乗り込んだ。俺は寄って来たテイカに作業目標を告げて乗り込む。

「帰りはお一人ですよね?」

「多分な?」

「料理の数が足りなくなりますので出来ればお一人での帰宅をお願いします」

「人が増えて相手する時間も減ったからな。帰ったら一人ずつ…な?」

「お早い帰宅をお待ちしています」

テイカにキスして離陸した。空高くまで上がったら速度全開で島から離れた。で、暫くしたら速度を落とす。

「増えたらテイカさん泣きますよ?」

「増やさないように出し切っとかにゃならんな」

後ろから抱き締めておっぱいを揉んで、二人の時間を満喫した。
街に着いたら買い物があるので中には出さず、全部飲んでもらった。

「おひるおはんあたえらえまへん…」


 街に着いて、荷車を寝具屋の裏庭に駐車して、両親殿に挨拶したらカバンを担いで買い物に出る。さっきまでアヘ顔だったサミイも一緒だ。
荷車の三割程のマタル粉を買い付けた。後は鍋、五徳、包丁など。そして注文してた鉄球が百個。すげー重い!八ドン程の鉄球一つ二ナリとして二百ナリ。荷車が壊れちゃう!
全て積み込み最後にもう一度両親殿に挨拶して街を出た。親父殿の顔がパンパンだったのは言うまでもない。

 鉄球のおかげで昼飯を食いそびれたので葉物野菜を摘みながら猛スピードで帰る。
そしてそんな時程厄介事が現れる。猛スピードで空を飛ぶ荷車に追いつけない程度のモンスターだ。地球の翼竜に近い形をしているが顔がでかい。
顔がでかいから飛ぶのが遅いんだな。
二匹でしつこく追って来たが直ぐに点になった。空荷なら狩っても良かったな。こんなに重い状態で荷車が海に浮くとも思えないのでこれで良しだ。

 家に着いたら人海戦術で鉄球等を降ろした。昼飯は燻製だけで良いや。

「言って下されば昼食を作りましたのに…」

「食って来なかった俺の落ち度だ。気にするな」

「カケル様、お連れ様が居ませんが?」

「テイカよ、俺は約束を大体守る男だ。危うく二匹程連れて来そうになったがな」

「人ですか?亜人ですか?」

「空飛ぶのに特化したドラゴンみたいな奴」

「カケルはドラゴンに愛されてる」

「襲われてるだけだがな」

  「エアードラゴンですね多分」
「ご主人様よ、普通の人はドラゴンなんて一生に一度も遭わんぞ」

「俺も出来れば遭いたくないな。金欠になった時だけで充分だ」

雑談もそこそこに居住区予定地を見に行くと、指示通り直径百ハーンの円形に、五ハーン間隔に植林されて太く長く育っていた。その数六十二本。
その内二十本には低い所に二本の丸太を十字に渡して癒着してあり、更に木と木を埋めるように床板まで張ってある。

「床まで張れたのか、頑張ったな」

「皆で頑張った!」

誇らしげなドヤ顔である。兎達も総出で手伝ったそうだ。
これはご褒美あげないと。そんな訳で夕方までの時間に肉を沢山狩ってやった。兎達も肉食系だったので良かった。
沢山食べて精を付けないとな!

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