女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

ナマコ

　朝飯を食いながら、今日の予定を話し合う。
建築のメインになるイゼッタには、円形に植えた木を成長させて貰う。
メイド二人は食事番、テイカは掃除洗濯と皆のサポート、俺と王女は探索と採集になった。

「エッチする？」

「間違いなくしますね」

「痴れ者め」

　　　「私も…したいです…」
「するぞ？けど仕事もちゃんとするよ」

「頑張ります！」

　皆、各々のペースで作業に取り掛かった。

木を成長させるイゼッタは、とにかく数をこなさねばならん大変な作業だ。報告によると、円の真ん中で全裸になって宙に浮き、全身光り輝いていたそうだ。その効果で、六十本の木は均等に成長し、根元の方では太くなった幹と幹が癒着して壁みたくなって来た。

テイカはルーチンワークだ。掃除の合間に物干し台を作り、洗濯物を干した後は暇になったのでメイド達を手伝ったり棚を作っていたそうだ。

メイド二人もある意味ルーチンワークだが、王女が口にするお茶を沸かす程度で、あまり料理は作らないのだと言う。干し肉と野菜、俺と王女が採って来た野草や木の実に悪戦苦闘していたようだが、テイカのサポートもあり美味しく出来て何よりだ。

俺と王女は飛びながら島の中を見回して、食べられる物の採集、野獣やモンスター、生き物の調査、石等の調査を行った。
真面目にやったよ？終わってからちゃんと致した。

「仕事に真剣なカケル様はとても素敵でした…」

「とてもそんな風には見えませんが」

失礼な奴だ。お前が食ってるナマコ状の生物は俺が取ったんだぞ？
因みにコイツは吸い付いて吸血しそうな歯を持つヒルみたいなナマコだ。誰も名前を知らないので、奴等の名前はナマコとした。
とにかくいっぱい居て普段何を食ってるか分からない。モンスターが居らず、野獣が少ないのでナマコに駆逐されたのかも知れないし、樹液を吸ってるだけの大人しいナマコなのかも知れない。

茹でてアク抜きしてから輪切りにして焼いて貰って、残り物は干しナマコにしてもらう。
串に刺して塩を振っただけの料理だが、油が多くて美味い。油は貴重だからナマコの株が上がるぞ。

食材は他にも見付けたが、食べ頃では無いのと食えるのがウロの実だったのでスルーした。が、スイーツ女子に大目玉を喰らい明日取りに行きます。

　イゼッタを抱えて浴槽に浸かり、色々考える。
カルデラなら温泉あるかと思って探したが、この島には無かった。《この島には無い》ならば、たまに遊びに行けば良い。今報告すると優先順位を上げられかねんので、この島が安定するまで秘密だ。

木材は豊富な上に魔法で増やせるから問題無い。石材は花崗岩かな？硬そうな巨石がゴロゴロしてる。建材としては充分だ。
あとは軽石とか砂利。これは排水設備等に使えるが、暫くは穴掘って垂れ流しで我慢するしかない。
蟹は居た。しかし数が少ない。違うな、湖の方が外敵が少ない分数が増えているのだ。

「何考えてる？」

「石、風呂、排水、蟹」

「また蟹…」

「排水垂れ流しはしたくないんだよ」

「カケル様、シオミズゲルなら居るかも知れません」

「テイカナイスミズゲル賛成」

「水槽作るのがなぁ、木のモンスターを連れてくれば良かった」

取り敢えず蟹を集める方向で、集まりが少ない様ならミズゲルの使用を考える事にした。

イゼッタを先に上がらせ次はテイカと浸かった。
目の前におっぱいがあったので無心で味わい尽くした。テイカは立たせるポイントを心得ているので凄く使いやすいのだ。
今日はテイカと寝よう。

寝なかったし寝かさなかった。ヤバい萎えない。
煩い方のメイドが寝ぼけ眼で起きて来たのでその場で犯す。カチカチのソイツを見た途端、

「良いよ、して？」

とフランクにデレられたらとことん行くしかない。
皆が起きるまでイチャイチャした。