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目的地はメルタール
しおりを挟む服を着替え、車内を乾かし、各部のチェック。
同時に洗濯と昼飯の支度をして風呂も沸かす。
昼飯食べて、お風呂でイチャイチャしてたらつい今までのお詫びで張り切ってしまい、午後をだいぶ過ぎてしまった。
乗り心地のテストなので、浮く仕様のクリープは使わず行う。
(中身も含めた荷車ごと前に逃げる)
ガタガタと車輪を鳴らし進み始める。サスはそれなりに効いてるが、俺は木に直接尻を乗せているので衝撃が強目。テイカが手渡して来たフェルトを二枚敷いて何とか我慢出来る。
家から湖までは完全なオフロードなので揺れるのは仕方ないな。
「乗り心地はどうだ?」
「クッション次第」
「庶民としてはこれでも良い方です」
更に衝撃を減らすにはサスの強化とゴムタイヤしかないよなー。無理無理、クッション増やそう。
湖の畔で車を左に曲げる。地面が砂混じりなので曲がり難い。
ゆっくりと島の周りを一周したら運転にも慣れて来たので、一周早目に走らせた。
一度降りて足回りを確認すると、車輪が結構傷んでる。路面との接触で表面が傷だらけだ。
車輪は消耗品だが、交換するパーツが少ない方がメンテが楽になる。皮張りするかゴムを手に入れたい。
その後、イゼッタにも走らせてみたが、風魔法のみではあまり早くなかった。
傷を放置するのは良くないので、丸太でジャッキアップしてパテで傷を埋めといた。
夕方、少しだけ狩りに出る。生皮が接着出来るか分からんが、無いよりマシだろうと言う事で、暗くなって出て来たウォルフを四匹ばかり狩ってきた。
解体したら肉はテイカに任せ、皮は俺とイゼッタが何とかする。しかし鞣す程の暇は無いんだよな。
皮の毛を風魔法で刈り散らし、幅十ドンに切ったら車輪に樹液を塗って、皮を引っ張りながら木釘で車輪に止めて行く。
結構伸びたので四輪に足りたが、乾いたら縮みそうだよなー。不安だったので取れたての原液でコーティングして、今日は様子見。
夕飯はウォルフの焼肉とスープだった。そろそろ野菜も足りない。出るなら明日かな?
食後、風呂の沸く合間に簡単な箱を四つ作って家財道具等を片付けた。
朝になり、干し肉を齧って車輪のチェック。縮んで無いし接着も出来てるが、不安。少し使ったらまた様子を見よう。
荷車に荷物を積み込む。昨日片付けた箱にシーツと毛布と衣類、調理器具と食料、工具を入れて、フェルトを敷いて竈も乗せた。風呂場に置きっぱなしだった属性魔石も忘れない。蟹やタマゲルに餌もやった。
これで出発出来る。
「取る物は差程無いですが放置するのは心配ですね」
「持ってけないからなー」
「私に良い考えがある」
「聞こうか」
「木で隠す」
イゼッタが玄関前の土台に光を当てるとわさわさと枝が生えて出た。
活性化させて成長を促したそうだ。生え過ぎたのと家に干渉しそうなのをナイフで切って伸ばしたら屋根より高い木になった。
試しに切った枝を地面に刺して活性化させたら根が生えてた。何たるエコ。更に、木の幹に傷を付けて接木出来るか試したらこれも上手く行った。
これ、釘も鎹も無しで家建てられるんじゃね?
とにかくカモフラージュ出来たので出掛けよう。
目的地はメルタールだ!
荷車に乗り込み空高く飛び上がった。
空中で一旦停クリープし、イゼッタに操縦させてみる。地上よりは抵抗が無い分スムーズだがスピード的には今一つだ。帆があればって感じ。
水上ならお任せしても良さそうだな。
「お疲れ。休んで良いぞ」
「んー」
納得行かない様子だが、後ろから抱き締めたら体を預けて来たのでここまでのようだ。ついでにおっぱい揉んでおく。
「カケル様、街道が見えます。後方に人影らしき物は見当たりません」
人の居ないのを確認し、轍の上に着陸した。
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