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モコモコとフワフワ

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 居間に置く椅子やソファが欲しいとのご意見を賜り、朝から三人、街に来ている。ぶっちゃけ椅子やソファの木組みは出来る…と思う。テーブルは作るつもりだし。ただ、ソファにふわふわ感が欲しいのだ。

「第二夫人の店で聞いてみるか」

「長居確定」

「お楽しみになられますね?」

長居するかは置いといて行ってみる事にした。サミイの店は朝なのに客が結構入ってた。

「いら、旦那さまぁーご無沙汰です!」

「家作りに掛かりっきりでな」

「わたしの部屋はあります…か?」

「無い」「ありませんね」

そもそも個人の部屋が無い。

「親が帰って来たら遊びに来い。それより居間にソファを置く予定なんだがクッションを探してるんだ。あるか?」

「はい!ございますよ。こちらへどうぞー!」

クッションコーナーに案内されたので、サミイは仕事に戻らせた。客が待ってるぞ。

「これは硬い。中は草?」

「こちらはモコモコしてますが硬いですね。多分獣の毛かと」

「ベッドと同じように作れば良いかもな」

「縁が腿に当たる」

「ああ、そうかー」

「草を編んだだけものがありますね。これを下に敷いて、上にこのモコモコを敷くのはどうでしょう?」

「背中側はモコモコとフワフワが良い」

フワフワはきっと鳥の羽だろうな。二枚重ねて持って背中に当ててやる。

「とても良き」

「良いですが少し小さいですね」

地球のソファはスポンジとか椰子の繊維とかだったよな。

「イゼッタ、海綿ってどこで取れる?」

「海」

馬鹿な質問をしたな、俺よ。

「深い所か?」

「潜って取れる深さ?だと思う」

浅瀬で大量に取るのは面倒臭そうだな。
スポンジは選択から外すか…。

「あ」

「どうされました?」

「獣の毛を集めてみるか」

「それで?」

「詳しくは伏せるが下地はそれで何とかなるかも知れん。今日はフワフワを人数分買って行こう」

フワフワクッションを三つ持ってサミイの元へ。

「鳥の羽のクッション…三つ…三つ…うう」

四つ買ったよ!シーツも二枚買いました!泣き落とし商法なんて教えてないぞ!?
シーツにクッション入れて縛って俺は一旦戻り、その間に二人には買い出しに行ってもらった。

 買い出ししてる二人を俺は見付けられないが、二人は俺を見付けられる。女絡みの時は必ずだ。
串焼き屋台の女子に近付いたら既に後ろに居た。

「食べるのは串焼きですよね?」

昼飯だもん串焼きだよ?

「私達と夫の分三本ちょうだい」

露店女子もこれには苦笑い。三人で食べ歩いて魔道具屋へ。

「イゼッタの杖を買うぞ」

「高いから要らない」

「野獣を狩るから攻撃力を上げたいんだ。俺とテイカは攻撃力低いからな」

「あたしは遊撃なので防御もありません」

「俺はさしずめイゼッタ専用の回避盾、と言うか足、だからな」

性能=値段。良いヤツはやはりお高い。買える範囲の杖を見繕ったが、遠慮しいのイゼッタは中々買おうとしないのでお留守番にした。

泣いた。涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして声を上げて泣いた。そしてちょっと良いのを渋々選んでた。

「良かったですね、イゼッタ様」

俺が悪いみたいじゃん…。
お姫様抱っこで泣く子をあやし、衆目に晒され家路を急いだ。

夕食はテイカが作ってくれたが、イゼッタはずっと俺にベッタリだった。甘えん坊さんめ。
飯を食うのも鳥の雛、風呂に入って洗わされ、
ベッドではベタベタにしてやった。
残り湯を温めてもう一度入って寝よう。



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