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褒めて伸びる子

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 朝一番にトイレに行く者が葉っぱを用意する事になり、今葉っぱを摘んでいます。
畑の血止め草は元気に見えるがまだ摘まず、俺好みの柔らかいのを十枚程摘んでおいた。

蟹も元気にツマツマしてる。臭いもほぼ感じない。よしよし、餌の時間だよー。

血止め草が使えなくてイゼッタが解せぬ顔をしているがもう少し待つのだ。
朝飯食って食休み、鏨や諸々カバンに詰めていざ岩へ。

 半ばまで切れ込みの入った岩に着く。イゼッタ頑張ったな。先ずはこいつを割ってしまおう。
楔を何本か差し込み、順番にハンマーで叩いてく。
割るのを失敗した割り箸のように、L字に割れてしまった。まあこれはしょうがない。本番はここからだ。
魔法で切った平な面に、墨で真っ直ぐ線を引く。ここから鏨で均等に穴を掘って行く。
大変ですマジで。墓石みたいな硬い岩に穴を掘るんですよ。半ばまで切ったイゼッタ凄いな。魔法凄いな。ドリルマジ欲しい!

愚痴を垂れ流しながら穴を掘り、昼まで掛かって穴を開けた。もうおうちかえる。

イゼッタに抱き着いて癒される。

「カケルちゃんは甘えん坊ちゃんでちゅねー」

「カケルちゃま、お肉でちゅよー」

テイカまでママみを出して来たのでアーンしてオギャっとく。

「イゼッタ様、カケル様はどうしたのですか?」

「多分疲れてる」

「カケル様、おっぱい揉みますか?」

揉んだ。手がプルプルしてるのでおっぱいもプルンプルンした。
三時間ほど昼寝して、今度こそ岩を割ってやる!

 鏨の穴に楔を差して、カンカン叩いて楔を足して、更にカンカン叩いてく。三つ追加した辺りで楔と楔の間に亀裂が生じた。横から見ると両側共やや斜めに亀裂が入ってる。板を作るだけだからこのくらいなら問題ないな。更に楔を追加した所で端の岩が割れ始め、掛矢の柄を梃子にしてグイグイやったら重い音と共に端の岩が倒れた。もうむりおうちかえる!

水浴びて、飯食って、動けないので寝るしかない。ダブルママイゼッタ&テイカがお腹ポンポンしながら子守唄歌ってくれた。
流石にそんな歳じゃ…zzz


 朝、筋肉痛で目が覚める。背中と腕がバッキバキ。イゼッタに光魔法で血流を良くして貰い、昼前迄ぐったりしてた。一発糞して岩をやっつけてやるか!

やる事は昨日と同じ。鏨で穴開け、楔で割る。
気分は古代エジプト人。お風呂で三人イチャコラするのを夢見て煩悩を叩き付けていると現場監督イゼッタが昼飯持って見回りに来た。
前世は俺がそっち側だったんだよな…。
現場監督の労い回復魔法を受けて、もう少し頑張れる。

午後からの俺は凄かった。何せ疲れたら後ろから回復魔法が飛んでくるからな!塩水飲み飲み岩を叩き割ってやったぜ。

凸凹してるが平行に割れたので大満足。石版を背負って家に戻った。その後の事は覚えて無い。水浴びて飯食って寝たと思うのだが…。
朝、玄関前に石碑の如く佇む石版があった。それにしてもこれ、優に百ナリはあるよね。どうして持って帰れたの?

「カケルはすごい」

ありがとう、俺は褒めて伸びる子なんだ。
イゼッタを後ろから抱き締めて石碑を眺めているとテイカから飯の知らせを受ける。
朝飯食ったらコイツの加工だ。

 風呂場の広さを確認し、石の大きさと比較する。風呂場は二×三.五ハーン。石の方は一.七ハーンのD型。四角したら一ハーンくらいかな。この大きさで後五枚必要なのか。
気が遠くなる。

本日は休みにした。心折れてる訳でなく、街で建具を受け取る為だ。心折れてる訳では断じて無い。

二人を連れて街まで飛んで、女子はゆっくりお買い物。俺はせっせとドア運び。今日でドアの納品が終わった。窓は一つ出来てるそうなのでもう一往復行っちゃうぞ。


「おつかれカケル」

「カケル様、おっぱい揉みますか?」

そこまで疲れてないから大丈夫。でも吸っちゃう。二人と合流したら買い物の数が事の他多く、おかげで島に着いた頃には腕に乳酸が溜まって動かなくなってしまったのだ。なので揉めない。なので吸う。
背中に抱き着いてきたイゼッタが回復魔法を掛けてくれた。
愛おしい二人の為に、明日も俺は頑張れる。
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