上 下
35 / 1,519

光の魔法

しおりを挟む


 今日はキスで目覚めた。舌を入れられビクッとした途端、俺の身体に激痛走る。言わずもがな、筋肉痛だ。布団イゼッタを退かす事も出来ず《い》と《て》を連呼してしまう。

「筋肉痛?」

癒しの笑みで凝り固まった体の一部を女の又の力で撫でさすってくれるが、そこに筋肉は無いぞ。

「じっとしてて」

動こうにもバキバキで動けないのだが。
ボッキボキなコイツにアイツのソイツがぬるぬるぬめり付く。
我慢虚しく小さな掌に吐き出された分身達を、躊躇う事無く舌で転がし喉の奥へ流し込むアイツ。

「ほんとはココに欲しいの…」

「住める家が出来てからだな」

「だね」

「賃貸でも良いなら毎日ハメまくるぞ」

「心揺れる提案」

「とにかくこの筋肉痛を何とかせんと」

ブツブツ何かの呪文を唱えると、イゼッタの手から光が溢れる。

「キュアー」

イゼッタよ、光の魔法を掛けて貰って言うのもなんだが、何故そこに集中してキュアるのか?
癒しても硬くはならんぞ?にぎにぎしてもリラックスしてふにゃふにゃだ。
結果、血流が良くなり体の痛みは取れたけど、何だか解せぬ。


 回復したので朝飯食べて、装備を整え出発だ。大きく迂回し森の中から街までやって来た。途中、ポーションや薬の原料を小遣い稼ぎ感覚で採って行く。南側から行ったのでまたかっこいい名前のあの熊に会ったが、今度は警戒して近づいて来なかった。ほっ…。

ギルドの買取カウンターに薬草等を納品し、三万二千ヤンの稼ぎ。買い物の足しになった。
雑貨屋で毛布四枚買ったら嵩張って何も持てなくなった。これではいかんと背負子を買って布帯で括りつけた。後は木の栓ができる掌大の壺を三つと蓋付きの鍋一つ、塩と香辛料は多目に二セット買った。

買ったは良いが風呂屋にこれ、持って行けないぞ?荷物の預かり屋、なんて出来たら流行るだろうな。宿を取って荷物を置くにも銀貨数枚飛んでくし。先に買い物してしまった俺の失態だ。くっ!

「帰ろ?」

無言で撫でた。ええ子や…。

「下着買って帰るか」

「うん!」

ちょっと良い下着買ってやった。


 串焼き買い食いした後は、行きと大体同じルートで島に戻る。時間は午後をだいぶ過ぎたけど、もう少しだけ頑張るのじゃ。
出来れば風呂を作りたかったけどこの時間じゃ到底無理なので、丸太を敷き詰める作業を少しやってテントに戻る。夕飯の支度を手伝おうとしたら水浴びして来いと追い出された。

冷えた体に生干し肉の炙りと山葡萄もどき、そして甘いお湯。
水飴を壺に入れた後の鍋に水を入れて沸かしたお湯だそうな。やりくり上手か。
生干し肉はちょっと塩分強目だけど脂がじわっとして美味かった。酒飲みには堪らないだろうな。

夕食後、イゼッタが水浴びしてる合間に新しい鍋でお湯を沸かしといたら喜んでくれた。
暖かいタオルで背中を拭いて、前も拭いて、下も拭いた。

買って来た毛布を葉っぱの上に敷いて、更に掛け布団にして二人薄着で抱き合いチュッチュしたり揉み揉みしながら寝た。
早く快適な住処を作らねば…。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

異世界ハーレム漫遊記

けんもも
ファンタジー
ある日、突然異世界に紛れ込んだ主人公。 異世界の知識が何もないまま、最初に出会った、兎族の美少女と旅をし、成長しながら、異世界転移物のお約束、主人公のチート能力によって、これまたお約束の、ハーレム状態になりながら、転生した異世界の謎を解明していきます。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

第三王子に転生したけど、その国は滅亡直後だった

秋空碧
ファンタジー
人格の九割は、脳によって形作られているという。だが、裏を返せば、残りの一割は肉体とは別に存在することになる この世界に輪廻転生があるとして、人が前世の記憶を持っていないのは――

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

処理中です...